概要
別名 | 魔獣 |
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バガンとは、東宝怪獣の一種であり未だに映画に出演できていない没怪獣である。
古くは「ゴジラ(84年版)」の検討用脚本「ゴジラの復活」に登場した、バガン(馬銜)と呼ばれるゴジラの対戦相手だった。
同脚本内では、竜神獣、猿神獣、水神獣の三形態を有する伝説の魔獣という設定で、それらの形態変化を利用してゴジラ及び自衛隊を苦戦させる様子が描かれている。
後に「モスラVSバガン」という映画が企画されたり、映画「ヤマトタケル」の続編に登場する予定(それ故に二次創作ではモスラとの因縁が描かれる場合が多い)だったりしたがどれも没となり、最終的に「モスラVSバガン」でのデザイン案をベースにゲーム作品へと出演。
晴れて陽の目を見る形となった。
その後は下記の超ゴジラや、PC用ゲーム「ゴジラ・ムービースタジオ・ツアー」にてポスター制作コーナーというミニゲーム内に登場。
こちらではデザイナーの吉田譲(よしだ みのる)の手によって造形物が制作されており、そちらの画像を使ってゲーム内に登場している。
超ゴジラ版と比較すると各部のディテールが異なっており、カラーリングもグレーをベースにしたものになっていた。
超ゴジラ版
スーパーファミコン用ソフトのゲーム作品「超ゴジラ」にて初登場した怪獣。
古代の中国に飛んだ宇宙人が、陸海空を司る伝説の怪獣バガンにゴジラ細胞とギドラ細胞を掛け合わせることによって誕生したハイブリッド怪獣である。
ラスボスなだけあってチート級の強さを誇り、しかもある条件を満たしていないと通常ゴジラで戦う羽目になってしまう。
攻防ともにゴジラをはるかに上回り、ゴジラの攻撃だとバガンは一桁しかダメージを受けないのに対してバガンはゴジラを容易く瞬殺してしまう。
映画で例えるとFINAL WARSでのゴジラとその他大勢くらいの実力差があり、通常ゴジラで挑むことになったプレイヤーはゴジラが雑魚怪獣の様に蹴散らされる光景を見る事になる。
しかしゴジラが超ゴジラになると、このバガンですら相手にならず簡単に倒せてしまう。
ゲーム中では特に技名が表示されず、1994年発売のケイブンシャの攻略本『超ゴジラ公式ガイドブック』ではアロー、角ビーム、口ビームと攻撃方法が表記されている。
アロー攻撃では爪を振り下ろして衝撃波を飛ばし、角ビーム攻撃は角から菱形の光線を打ち上げ敵に降り注がせる。
口ビーム攻撃はゴジラの遺伝子の賜物か、放電と共に大きく開けた口から青白く直線的な熱線を放射する。
ゴジばん版
「幻の怪獣がついに登場。
未来の科学が、超古代の怪獣に、
ゴジラ細胞とギドラ細胞を組み合わせて生み出した怪獣」
そして2022年、怪獣人形劇ゴジばんにおいて、遂に映像作品に初登場することになった。
(詳細はこちら)
ゴジばんの世界観におけるオリジナルストーリー「モスラvsバガン 序章」ではムービースタジオツアー版をベースにパペットが新規製作され、因縁の相手であるモスラおよび同じ吉田穣デザインの怪獣であるバトラと戦う。
劇中ではバトラの巫女ルルベラによって「未来人に類する存在が作り出した」魔獣と推測されており、次元の裂け目を通じて突如モスラたちの前に出現した。
撤退時はMOTHERによく似たUFOが同じ次元の裂け目から現れバガンを回収している。
何度も登場する案がありながらも事あるごとに没になり続けていた怪獣が復活するという事情もあり、初映像化が公表された際は超ゴジラなどを知る世代からは驚きの声が上がった。
またこのパペットはゴジラフェス2022にて展示されている。
BDおよびDVDの同作タイトルクレジットでは、ゴジばんイラストレーターのヨシジマシウ氏による赤と黒カラーリングのバガンのイラストも登場する。
余談
バガン復活の経緯として、ゴジばんのクリエイター・小林英幸氏によれば、「『ゴジばん』はいろんな怪獣を復活させるというのも使命だと思ってますので、今まで復活できずにこの先も復活する機会がないんじゃないかなっていう怪獣をみんな出してあげたい」気持ちがあり、その究極としてバガンを復活させたとの事。
『怪獣人形劇 ゴジばん図鑑』にはバガンに関する吉田穣氏の新規インタビューも掲載されており、バガンの背中のトゲにある光球部分はそこから光の羽が生えて空を飛ぶ設定だったと証言されている。
この光の羽に関してはモスラVSバガンのストーリー案スケッチでも確認できる。
吉田氏によるバガンのデザイン画に目を通したゴジラの生みの親・田中友幸は、「東宝の悪役怪獣はシンプルで、凶悪で、重量感があってと。そういう方向で進めてください」とコメントしていた。
超ゴジラ内のバガンの能力に吉田氏は関与しておらず、ほぼゲームオリジナルのものとの事。
ゲームの説明書に記載されているイラストもデザインはほぼ同じだが実は没案の一つであり、右の赤と黒のカラーリングとなっている。
そして2023年11月3日にゴジラ・ストア限定のムービーモンスターシリーズで発売する事が決定し、初の立体化商品となった。
更に超ゴジラ版をイメージしたカラーリングのソフビも発売するほか、東宝30cmシリーズでゴジばん版のバガンが商品化されるなど、近年はこれまでの不遇ぶりが嘘のように商品化が続いている。
関連イラスト
関連タグ
バトラ:同じ吉田穣によってデザインされた怪獣。
再生ビルガメラー:バガンとして描かれたデザインがベースになっている。
ゴジラの復活:初出。竜神獣、水神獣、猿神獣の三種類の姿に変身する能力を持っている。詳細は当該項目参照。
モスラVSバガン:「ゴジラの復活」と同じく、検討用台本。「ゴジラVSキングギドラ」の撮影後に、大森一樹監督により執筆された。