概要
CV.田村睦心(ボイスコミック)
川口勇貴の漫画「レッドフード」に登場する主人公の少年。赤桃色の髪と三つ編みが特徴的な子ども。
寒村の田舎・カソカ村で、質素ながら狩猟や村仕事へ精を出し普通に暮らしていた。ある時、村が人狼被害に悩まされ、派遣された狩人組合の女性・グリムと出逢うことで、彼の物語は大きく『ページ』を捲る『運命(シナリオ)』が動き出す。
容姿
子どもの体躯だが、村で暮らしていた頃は薪割りを手伝ったり、ベロー独自に狩猟へ精を出していた事もあり、細見の見た目とは裏腹に体力・筋力はある方と窺える。実際に、大人でも音を上げる訓練へ子どもながらなんとかついていけていた。
三つ編み
ベローは「おまじない」として、右側の髪へ三つ編みを結っている。
一房は自分、一房は家族、一房は生まれ育った村の3つを想って三つ編みにした「絆の証」として大事にしている。
この三つ編みはなるべく傷めないよう大切にしており、水場へ行く前準備などでは髪型を変えることもある(夏の番外編より)。
人物
ベローの両親は、過去に人狼へ喰われてしまう悲劇に遭い不在。この時に人狼を討伐したカソカ村の村長に救われ、以降は彼が後見人のような立場かつ生涯の恩人となっている。
この経緯もあって、幼いながら人狼討伐を夢みて、独自に狩猟を行い手探りながら実践を積むといった向上心を持つ。この他、寒村の田舎育ちもあって、率先して生活必需品の薪を割るといった、村への愛情は人一倍に大きい。
これらの経験は着実にベローの力となっており、いざという時の胆力を発揮する。
産まれてから故郷の田舎・カソカ村を出たことがないらしく、世間知らずな所がある。決意を持って村を出てからは、初めての景色・世界に目を輝かす活発な年相応の一面もみせる。
また純粋すぎる情緒から、目の前で非道な事があれば敵であった人狼も庇護する清い正義感をみせる。しかし、それは世間についてまだ拙い見識からくる側面もあり、この危うい姿勢は偶然居合わせた狩人・グリムから注意されている。
ベローはこれから沢山の人・事柄・世界・物語に触れ成長中なのである。
技能
独自の狩猟経験によって、目の前の状況に対して優れた洞察力・観察力をもつ。そこから現状を推理し、的確な判断から突破口へ邁進する行動力・知力も秀でている。
狩猟には銃を使っていた事から、子どもながら初めて扱う同型の銃も扱える。
薪割りといった村仕事・力仕事をしていた事もあり、少年ながら体力はある方。大人でも音を上げる訓練には、同輩の大人たちから助けられながらも、最終日までついていくほどの底力もある。
また視力が良く、数キロ先にいた生物の姿を捉えていた。
生まれ育った田舎を初めて出てからは、自分にはない神技・魔術をもつ人物たちと比較して、俺(ベロー)には何もないと卑下していたが……。
pixivでは
『ベロー』だけならば他作品に登場するキャラも指す。
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関連項目
⚠以下、本作の根幹に関わる『ページ』が「加筆」されます。⚠
⚠本誌未読の『読む者たち』は閲覧注意⚠
実は本作『レッドフード(漫画)』の主人公・ベローは只の人間ではなく、創られた存在(キャラクター)だった。
本作の黒幕・ルートヴィッヒの魔術と「目録」の力と『ページ』の力を合成して、一つの生きる人形を誕生させた。それが『ベロー』という特異存在だった(また作中世界では、人工生命の創造は「禁忌(タブー)」とされている)。
ベローは生まれが特異なだけでなく、その身に宿る異能も『物語(せかい)』にとって異常な性質を帯びていた。
能力
ベローの周囲には『運命(シナリオ)』を無効化する特殊な力場が形成されている。
普段の様子からは分からない異能であり、即効性のある力でもない。しかし、ベローに関わる『物語(せかい)』で生きる者たちが何日も彼と行動を共にすると、次第に『物語(せかい)』の『運命(シナリオ)』から外れて情緒などに支障が現れる。その片鱗が15話以降で「加筆」されている。
それは『赤ずきん(グリム)』へ何時の間にか起きていた不調。傍目からは分からないが、彼女と縁ある人物(キャラクター)たちからは、信じられない変化のようで「昔のアンタはそんなんじゃなかった」という変わりようだったらしい。
そして物語終盤。
遂に本性を現したカソカ村の村長「ヘック・オーロック」こと、元『赤ずきん』の2代目であった「ルードヴィヒ・ゼペット」が行動を開始した事で、分からないことだらけだが、俺(ベロー)は要の存在である事を理解していく。
ルードヴィヒの魔術によって狩人組合にある秘密の部屋【真実の本(トゥルーブック)の管理室】へ連れてこられたベローは、そこで『伝説の赤ずきん』と呼ばれる赤ずきんを纏った謎の人物と邂逅する。また慕っていたカソカ村の村長が生きていた事の喜びから一転して人が変わったような言動をみせるヘック・オーロック(ルードヴィヒ・ゼペット)らとの対話から、ベローは―
- これらの演劇(お芝居)は上位存在『読む者たち』のご機嫌を取り続ける御話「楽しませる運命(シナリオ)」を書くために必要だったこと。これを怠れば、忽(たちま)ち『物語(せかい)』の破滅に繋がってしまう罰が起きてしまう絶望的な現実。
- そしてこれらの直接的な変化を齎(もたら)せる異能(正確には打ち消す力)を俺(ベロー)が秘めている事を知る。
怒涛の連続であったが、ベローは少しずつ理解していく。今現在起きている事態(アクション)において、その中心人物は俺(ベロー)なのだと。
世界の根幹に関わる機密書物『真実の本(トゥルーブック)』を管理している『伝説の赤ずきん』から、ベローへ「今からどうしたいか」と選択を迫られる。それは「この時点で終わり(エンディング)へ行くかどうか」の、最終選別を促す言葉だった。
〝諦めず進みたい〟
自分の足で進み、己の目で確かめ、思考を止めず、そして『物語(せかい)』に喰われないために抵抗する大人の意志をみせるのだった。希望とか正解とかは分からなくとも、ベローは『俺が信じられる道を歩んで生きたい』という意思をみせた。これを受けて何かを感じ取った『伝説の赤ずきん』は、彼の[選択を尊重し、魔術によって本の銃【真実の本(トゥルーブック)の銃形態】をベローに託すのだった。ちょうど、救援に駆け付けた[[グリム>グリム(レッドフード)]](灰の魔女の魔術により呪いを無効化する時計の力を無理やり増長して大人の姿へ戻った)には次章への紡ぎ手(ベロー)を任せた。
狩人組合にある秘密の部屋【真実の本(トゥルーブック)の管理室】へ閉じ込められていたベローはグリムの助けによって脱出して、狩人組合と応戦している大好きな村長であったヘック・オーロック(ルードヴィヒ・ゼペット)と対峙する。
この選択が、今の『物語(せかい)』を救う為の唯一の方法なのか……。
確かな事実として「後の続きは任せろ」と最後の言葉を告げて、ベローは『運命(シナリオ)』を無効化する猟銃の引き金を引き、ルードヴィヒへ引導を渡し物語から退場させた。
こうして『物語(せかい)』は一先ずの破滅を免れた。いわゆる「めでたしめでたし。」の形でもあるが、これに至るまで『物語(せかい)』の「設定」は滅茶苦茶となったし、人間が生きている事で人狼(突然にして人間から変貌する怪物)はいなくならない現実も残った。
だが諦めない。
ベローは「俺たちの戦いは これからだ」と告げて、終わりではない終わり(エンド)を、赤ずきんを纏って今度こと本当に世界を救うことを、おとぎ話を現実(ほんとう)にする事を誓うのだった。
~End~
きっと、今でも『物語(せかい)』の何処かで、ベロー達の、狩人の御話(ファンタジー)は続いているのだろう。