「やはり、アリアンはこの私を…」
CV:坂口哲夫
人物像
プラフスキー粒子の技術を独占するPPSE社の会長兼最高経営責任者(CEO)。
レイジと同じく、アリスタの宝玉が埋め込まれた懐中時計を所持している。
飄々とした中年男性で、アラン・アダムスの前でおどけてみせたり秘書のベイカーに子供っぽい態度で甘えたりと掴み所がない人物。
非合法な存在であるガンプラマフィアとの繋がりを持ったり、目的の為なら手段を選ばず卑怯な手口も平気で行う卑劣な一面も持つが、予想外の事態が起きると必要以上に取り乱す辺り、根は臆病な小心者のようである。
ガンプラバトルの根幹に関わる企業の重役として公式大会でガンプラバトルを観戦することもあるが、ガンプラ及びガンダムに関する知識には疎く、本来ならガンダムと並ぶ知名度を持つモビルスーツであるザクⅡの名前すら知らなかった。
また、成金趣向が強く、金色のリムジンを所有している他、ガンプラバトル観戦の際にはVIP席でワインを嗜むなど、一般人からしたら鼻につく部分も多い。
元は「異世界アリアン」のしがないコソ泥であり、王宮の宝物庫に忍び込んだ際、宝物庫にあったアリスタの力によってこちらの世界に飛ばされてきた過去を持つ(ガンダムについて疎いのもこの為)。異世界で途方に暮れている所を、当時はガンダム系コスプレイヤーであったベイカーと出会い意気投合、二人でPPSE社を立ち上げてアリスタ(=プラフスキー粒子)を使ったガンプラバトルビジネスで大成功し、現在に至る。ベイカーの協力があったとはいえ、右も左も分からない異世界で一から会社を立ち上げて僅か10年ほどで世界屈指の大企業にまで成長させる辺り、彼の経営者としての素質や手腕は高いようだ。
王家の宝物庫に忍び込んだという前科がある為、ガンプラバトル選手権に出場して来たアリアンの第一王子レイジを、宝物庫に忍び込んだ自分を捕まえるためにアリアンからやって来た追手ではないかと思い込む。
そして、自分の素性を隠し通すために大会主催者という立場と権力を悪用し、大会のマッチメークを完全に私物化。ベイカーに命じてバトル中に様々な妨害行為を行い、セイとレイジが決勝トーナメントに進出できないように暗躍した。
第7ピリオドではガンプラマフィアの「C」を雇ってレース中にスタービルドストライクガンダムの足止めをさせ、その結果ポイントが獲得できなかった二人は決勝進出が危うい順位まで後退するが、それらの裏工作は結果として裏目に出てしまい、激怒したレイジが自分の所へ乗り込んでくるという最悪の事態を招いてしまう。幸い、この時は「これ以上余計な手出しをするな」という忠告だけで済んでおり、これ以降目立った妨害は行わず、強豪のファイターをけしかける方向へ転化していった。
しかし、彼の思惑とは裏腹にレイジ達は決勝トーナメントまで進出し、更に決勝戦まで勝ち進んでしまう。レイジが優勝する事によって自身の秘密が明るみに出る事に危機感を感じ、ベイカーの紹介でフラナ機関のナイン・バルトと手を組み、決勝でレイジ達と戦う三代目メイジン・カワグチ(ユウキ・タツヤ)を新型エンボディシステムを用いて文字通りの操り人形にした上でガンダムアメイジングエクシアをガンダムエクシアダークマターへと改造させ、レイジ達に差し向けたが、エクシアダークマターの敗北によってその目論見は塵芥と消えてしまうのであった。
そして、メイジンが正気に戻った際に彼が自分を操っていた黒幕がマシタである事を打ち明けた事で完全に逃げ場を失い、挙句の果てに世界大会会場の地下に秘匿されていた巨大アリスタを暴走させてしまう事態に発展してしまった。
自身、ひいてはPPSEの重大な秘密を守るために、表沙汰になればそれすらも罪になりかねない暗躍を続ける彼だが、当のレイジは何かを思い出すそぶりも見せず、むしろ妨害が原因でレイジに対面する羽目になったり、ニルス・ニールセンに感づかれたりするなど、用心深さが却って自分の首を絞めることになっている。
そもそも単なるコソ泥でしかない自分の顔を王家の人間であるレイジが知っていると思っている点が彼の自意識過剰であり、元々気にされていなかったのに要らぬちょっかいを出したばっかりに、そのレイジから睨まれる様になってしまうと言う本末転倒な結果になっている。
なお、彼がここまでして自分の地位に固執していたのは「金持ちになって残りの人生を悠々自適に暮らす」という単純な動機によるものである。
結局レイジからは最後の最後まで自分の事を思い出されず(というかレイジはやはり彼を知らなかった)、アリスタが失われたことにより築き上げてきたもの全てを失ってアリアンへ強制的に引き戻されることとなった。しかし、アリアンに戻っても特にお咎めはなかったのか、一緒にやってきたベイカーと共に細々とではあるがセイたちの世界で開発した「モック」を販売しながら、それなりに楽しい生活を送っている模様。
劇中での行為の数々から決して善人とは言えないが、その喜怒哀楽の激しさや顔芸の多さ、目的の小市民っぷりなどから、どこか憎めない人物であることも確かであり、何よりマシタとベイカーがPPSE社を立ち上げなければガンプラバトルそのものが生まれなかったことを考えると、二人は『ガンダムビルドファイターズ』の世界における最大の功労者であることは間違いない。
外伝『A』『A-R』
本編同様、PPSE社のCEOとして暗躍。自身とベイカーの手腕の他に、最強のファイターにして最高のビルダーである二代目メイジン・カワグチの存在あってのPPSE社という描かれ方がなされているが、一応は上司と部下でありながら対等な口のきき方をする威圧的な二代目に対しては内心疎んじており、病身であることを理由に後継者育成を急かす一方で二代目にも相談せずに自身の都合のいい後継者候補を独断で用意する等の背信行為を働いている。また、後継者となったユウキ・タツヤに対しても同様に妨害工作を働かせる等、本編以上に悪役色が強い。また、6回大会まで司会を勤めていた『Gガンダム』のストーカー似の男性をクビにしてアイドルを司会にしようと発案する等、ガンダムそのものへの関心の無さも描かれている。
『GMの逆襲』
マシタ本人は直接登場しないが、彼の双子の弟でガンプラマフィアの元締めにして作中の黒幕であるマシタ・ミキオが登場。顔と声は兄とそっくりだが、金髪である点が兄と異なる。
「自分達兄弟が表と裏からガンプラ業界を支配する」という野望を砕いてくれたセイ達に復讐するため、手下たちを率いて完成したばかりのヤジマスタジアムを占拠し、翌日行われる落成式のためにスタジアムを訪れていたセイ達にガンプラバトルを挑む。
関連タグ
メイジン・カワグチ 二代目メイジン・カワグチ アラン・アダムス
シバ・ツカサ:後年のシリーズ作に登場する会長と同様に明確な敵として描かれている登場人物。彼の場合は主人公よりもフィールド(GBN)の方に敵意を向けているのだが……。