概要
「宇宙戦艦ヤマト2199」シリーズに登場する、ガミラス帝国のガイペロン級多層式航宙母艦の一隻。
ガイペロン級はガミラス内でも古い艦級で、建造時期によって形状に差異があるが、ランベアは艦首が平で、アングルド・デッキを備えたタイプ。
この形状は劇中でも多く登場するので、おそらくは本級の最盛期に建造されていた最もスタンダードなタイプと思われる。
元々『2199』の原作となる『宇宙戦艦ヤマト』では、ドメルによってサファイア戦線から招集された三段空母の一隻で、ドメル艦隊の第2空母として七色星団の戦いに参戦するも、ドリルミサイルをきっかけとする誘爆に巻き込まれて他の艦とともにあっさり爆沈するという最期を遂げた。
しかしリメイクシリーズでは同会戦から辛くも生還し、続編でも活躍の場を与えられるなど、バーガーとともに大きな出世を遂げた。
経歴
ドメル機動部隊結成と七色星団海戦(2199)
本星でドック入りしていたところを、ヤマトとの決戦のためにドメル機動部隊へと編入される。同部隊には他に旗艦として戦艦ドメラーズⅢ世、戦闘空母ダロルド、同型艦のバルグレイとシュデルグがいた。編入前の所属は不明。
艦載機は空間艦上攻撃機スヌーカ。艦長はルタン・ベスター大佐で、航空隊長としてフォムト・バーガー少佐が乗艦した。
海戦序盤、本艦は第2次攻撃隊としてスヌーカを発進させ、ドメラーズⅢ世の物質転送機による奇襲攻撃を敢行。ヤマト直上に送り込まれた攻撃隊は爆弾の雨を降らせ、ヤマトのレーダーとカタパルト、波動防壁を無力化した。
その後、帰投したスヌーカを回収するが、特殊削岩弾によるヤマト爆破や第3次攻撃隊による攻撃が尽く失敗し、ドメル機動部隊は手札の大半を失ってしまう。残された手段として艦隊による直接攻撃が決まり、艦隊は進撃を開始。ランベアは縦列隊形を取る艦隊の最後尾に並んで前進した。しかし、ヤマトとの砲撃戦の中で先頭のダロルドが逆用された特殊削岩弾で轟沈し、回避し損ねたシュデルグも巻き込まれて轟沈してしまう。
難を逃れたランベアだったが、艦隊陣形が崩れてヤマトに無防備に横っ腹を晒したため、ショックカノンを2発食らってしまう。エンジン部に直撃弾を食らったランベアは大きくバランスを崩して雲海へと文字通り沈没。そのまま雲海内のイオンの嵐によって命運尽きた……かに思われた。
まさかの生還(星巡る方舟)
雲海へと沈没したランベアだったが、辛うじて脱出に成功していた。
しかし、艦はあちこちボロボロで、残っているのは少数の艦載機のみ。さらにベスタ―艦長は海戦時に戦死してしまい、老人と子供ばかりの艦内の士気も最悪。にも拘らず、最高位士官として艦長代理の立場に就いたバーガーはヤマトへの復讐心に燃え、ガミラス本星への帰還よりもヤマトとの再戦を優先しようとするなど、お世辞にも良い状況とは言えなかった。
ヤマトを求めて単艦航行していたところ、本国の命令を受けて各艦隊への招集命令伝達に回ってた第8警務艦隊に停船させられるが、直後に艦隊諸共惑星シャンブロウへと迷い込んでしまう。
その後、ヤマトが同じく迷い込み、さらに追跡してきたガトランティスのグタバ遠征軍も出現。第8警務艦隊はヤマトと共闘してグタバ遠征軍と戦うことになる。
老兵と少年兵を抱えたランベアは後方待機となり、戦場から離れる途中で座礁し、偶々近づいてきた敵戦艦メガルーダに攻撃されそうになるが、すんでのところでヤマトがメガルーダを撃沈して事なきを得た。
この戦いで第8警務艦隊の艦艇は全滅するが、グタバ遠征軍を退けることには成功。ランベアは生存者を収容した後、ヤマトと別れ、ガミラス本星へと帰還していった。
再び第一線へ(2205)
グタバ遠征軍との戦いの後、ガミラス本星へと帰還したランベアは、長期的な整備改修のためドック入りすることになる。
そして、ガイペロン級に新たな可能性を与えるべく開発された「重武装ユニット」という外付けユニットのテストベットとして選ばれ、ガミラスでも最強クラスの480mm陽電子カノン砲2基を始めとする多数の武装が追加される。これによって戦闘空母と言ってもいい性能を手に入れたランベアは、再びバーガーの乗艦となり、ガミラス人の移住先を探す旅に出るデスラー艦隊へ支援艦として派遣される。
ガルマン星の解放作戦では、囮の超ゲルバデス級航宙輸送艦が発生させた大規模な干渉波によるエンジン不調と間髪入れないドルシーラ隊の奇襲雷撃によって混乱状態のボラー連邦艦隊へ先陣を切って突撃し、ボラー艦を多数葬る。
ボラー勢力を放逐した後は、ガミラス本星から派遣されたガル・ディッツ艦隊に星の防衛を託し、デスラー艦隊とともにガミラス星への帰途に着く。
しかしデスラー艦隊が帰り着いた時、ガミラス星はデザリアム軍が放った惑星破壊兵器「デザリアムハンマー」によって崩壊し始めていた。ランベアはデスラー艦隊の一員としてデザリアムハンマーに対処するべく行動を開始し、直接攻撃は相殺されて無意味と見るや足元の地面を魚雷で崩して転倒させるという対処を取り、一定の効果を上げる。
しかし、無尽蔵に降り注ぐデザリアムハンマー全てに対処することはできず、ほどなく生存者の救助作業へ移行し、地表から脱出してきた内火艇を何隻か収容した後、ガミラス星を脱出する。脱出から間もなくガミラス星は大爆発を起こして消滅し、イスカンダル星もデザリアムによって持ち去られてしまう。
その後はイスカンダルを追走してデザリアム軍と交戦。その高火力を活かし、多数の敵艦を撃沈していった。
余談
『宇宙戦艦ヤマト2202』では登場しないが、アンドロメダ級空母型をガミラスがライセンス生産した航宙戦闘母艦CCCは、艦名がドメル機動部隊の空母のものを引き継いでおり、一隻がノイ・ランベアという艦名になっている。バーガーが指揮官を務めるバーガー戦闘団を構成しているが、バーガー自身が乗っているのはノイ・ランベアではなく、ノイ・バルグレイ。
また、第24話で登場したガミラス艦隊の中にガイペロン級(ランベアと同タイプ)が3隻いるが、なぜかランベアと同じカラーリングとなっていた。
方舟でガイペロン級=ランベア=紫というイメージがついたとでも思ったのか、あるいは単にランベアの色設定を流用したのか。緑色のランベアタイプは『2199』でもちゃんと出てきている(第18話にて)ので、新規設定を起こす手間はあまり無かったはずだが。