「私たちは自分で歩くわ…自分の足があるんだもの!!」
声:桑島法子
前置き
本記事では、テレビアニメ『鋼の錬金術師』(2003年版)に於けるロゼについて解説する。
原作漫画および2009年版アニメに於けるロゼについては「ロゼ(鋼の錬金術師)」の記事を参照。
※「トーマス」姓は本アニメオリジナル設定であり、原作および2009年度版アニメでは姓自体が不明。
概要
2003年アニメ版『鋼の錬金術師』に登場するキャラクターで、(後半の)準レギュラー。
原作版との最大の違いは肌の色で、健康的な褐色肌となっている。
これはリオールがイシュヴァールの一部であったというオリジナルの設定のため。瞳の色は紫色。
人物像
身寄りがおらず、前年に最愛の恋人を亡くし、落胆していたところを新興宗教であるレト教と出会い、信者となる。
教祖のコーネロにレト教なら恋人を復活させることも出来ると騙されて熱心な信者となり、自分を取り戻していた。
エルリック兄弟によってレト教の教主コーネロの悪事が暴かれ、コーネルによって彼女の恋人のケインが彼の遺体と鳥の合成獣(キメラ)にされてしまうが、アルによって倒された。
レト教崩壊後は自暴自棄に陥りかけるも、エドに 「立って歩け。前へ進め。あんたには立派な足があるじゃないか」 と諭され、立ち直った。
エルリック兄弟が去った後に、リオールの暴動が発生し、その後、中央軍がやってくるという展開までは原作と同じ。
しかし、そこで半年近く出番がないと思ったら、何と軍部に連行され暴行を受ける。暴動鎮圧後は、父親も分からない子を産み、暴行のショックで声を失っていたというトラウマ物の展開が広がった。
その後、ライラに成り代わったダンテに拾われ、「傷の男」がリオールの街で賢者の石の錬成陣を造ろうとした際には、彼に聖母として仕立て上げられる。
リオール消滅後は、再びダンテによってホムンクルスの本拠地である地下都市に連れて行かれ、二人っきりで生活することになる。
地下都市では隔離された生活の中である種の洗脳に近い状態となっており、事実上ダンテと恋人同士になっていた。
50話の次回予告ではロゼの前で頬を赤くしているライラ(ダンテ)のシーンが描かれたが、本編50話のシーンでは頬の赤い部分は無くなっている。
クライマックスでダンテに身体を乗っ取られる直前、目の前でエドがエンヴィーに殺されたショックから元に戻る。
しかし、彼女なりに自分と似ているダンテに同情していたのか、ロゼの方は本気で愛していたのか、ダンテが逃亡するまでは彼女の傍から離れようとしなかった。
結果として、乗っ取られることなく無事帰還。
後日談ではウィンリィ達の家に居候、子供も成長していた。
劇場版「シャンバラを征く者」では復興したリオールに戻っている。
ダンテの発言で、「エルリック兄弟はロゼが好き」というセリフがあるが、異性としてではないと指摘されている。
アニオリ展開に関する作者の発言について
後半の軍に連行された周りの展開に関しては、作者の荒川弘もアニメディア2004年10月号のインタビューにて「私が目指す少年マンガにおける娯楽の範囲からは逸脱していたので、あの描写は通すべきではなかったと後悔しています」と語っていた。
旧アニメが人を選ぶ作風であったこと、また近年の”原作付きメディアは原作に忠実であるべき”という風潮、いわば"原作至上主義"の主流化も相まり、この発言をもって”作者がこの展開に激怒した””荒川先生は旧アニメ自体に否定的”という風評を撒き散らす人が一定数いるが、紛れもない誇張&曲解である。あくまでここは駄目だったというだけであり、むしろ直前にはホムンクルス側の独自の掘り下げを例に出して「オリジナル大歓迎」と総合的には肯定的寄りと取れる発言をしていることを、誤解者を増やさないためにここに注記しておく。
最も、よくよく考えると彼女が軍に投降したのが14話でその後40話までに出産をこなしたとしても作中の時間としては大きく見積もっても5ヶ月しか経っておらず、その間に出産が終わるのは到底不可能な話である。
赤子は孤児で傷の男が彼女を聖母に仕立て上げるためのエキストラで喋れない理由も、ダンテが手を回したと解釈すれば一応説明はつく。
関連イラスト
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ロゼ(鋼の錬金術師):原作版