ピクシブ百科事典は2024年5月28日付でプライバシーポリシーを改定しました。改訂履歴

第16話より

アニメ「おそ松さん」の第16話Bパートの話。

一松カラ松に扮して巻き起こすドタバタ劇(という名のおそ松との攻防)が描かれている。

普段の一松からは想像もつかないような行動(テンパり具合やズレ具合)、発言(常識的なツッコミや心の本音)なども描かれており、第5話Bパートの「エスパーニャンコ」とはまた違った形で、彼の意外な一面を見ることが出来る回。

なお、第16話はOP前のアバンを含めて3パートある。表題は『「一松事変」ほか』。テレ東の本放送は2016年1月26日(25日深夜)。

  1. アバン「ネコカフェ」
  2. A「松野松楠」 →F6(おそ松さん)
  3. B「一松事変」

「ネコカフェ」

ネコカフェで働くために面接に行く一松だったが店員として働くのではなく、自分も猫(猫松)になって猫たちと戯れていたのであった。

ストーリー(ネタバレ注意)

ある日の昼下がり、一松は二階の部屋のソファーで眠るカラ松を見つける。その足元にはカラ松が脱ぎ捨てたいつものイタい私服と、参考にしていると思われるメンズファッション誌

すると一松は突然、猫耳を生やし周囲を確認。そろそろとファッション誌に手を伸ばし…………次の場面ではカラ松の私服を着込んだ一松が現れた。

が、そこへパチンコに行っていたはずのおそ松が帰ってくる。

日頃馬鹿にしているカラ松の服を、それも勝手に着ていることがバレたら我が身の破滅。だが、おそ松が服装だけを見て「カラ松」と呼びかけてきたことを幸いに、一松はそのままカラ松になりすまして誤魔化すことを決めた

おそ松の「声、いつもと違くね?」「髪がボサボサ」「闇のオーラと友達いないオーラと、性格ひん曲がったクソみたいな雰囲気を感じる」との数々のツッコミにも、ちょっとズレたカラ松のイタい真似と、「風邪」という言い訳で強引に押し通しつつ、一松は何とかおそ松を追っ払おうとする。

しかしその場を去るどころか腰を落ち着けてしまったおそ松は「一松がネコのエサ用に買っていた煮干し」を取り出してきた。

「友達のための食べ物」をおやつとして一緒に食べるように勧めてくるおそ松に内心では殺意全開になる一松だが、保身を優先して一緒に食べてしまう

しかし、その様子を友達(ネコ)に見られてしまい……(違うんだぁぁぁぁ!!)

そんな一松の気も知らずおそ松は、今度は「そのサングラスと皮ジャンを着てみたい」と言い出す。それどころではないと押し問答する内に、一松は苦し紛れに

「俺は…お前が好きなんだよ!最近そっちに目覚めたんだ。だからお前の前で薄着になんかなったら……」

と意味不明な嘘をついてしまう。もちろんおそ松はドン引き。一松はますます自分の首を絞める結果に。

苦肉の策として「1000円やるから競馬に行け」と金を渡し、ギャンブルを餌になんとかおそ松を追い出しかけ、安堵する一松。

だが、最悪のタイミングで寝ていた本物のカラ松が起きてしまう。今度こそ終わったと、気を失いかける一松。

ところが、カラ松は即座に何が起きているかを把握したのか、置いてあった一松の服を代わりに着て自分が一松のふりをすることでこの場を収めようとしてきた

カラ松による一松の真似はツッコミどころ満載のものだったが、それはともかくその優しさに感動した一松はか心の中で叫ぶのであった。

(オレはもうカラ松boysだよぉぉぉぉぉ!!!)

そんな二人を怪しみつつも、ようやくおそ松は出て行く。

おそ松が去った後、事情を聞こうとするカラ松だが、一松は「誰にもバラすな」と逆ギレする。この状況で強気。

そして、とにかくまず着替えようとカラ松に言いつけ大慌てでお互いの服を元に戻そうとした一松だったが、足がもつれて転んでしまう。

そこへまたおそ松が「忘れ物をした」と戻ってきてしまう。

おそ松が見たものは、上半身裸で折り重なって床に倒れているカラ松と一松の姿だった。

「お邪魔しましたー、誰にも言わない」

「やめてよ、カラ松兄さん……」

「違うってぇぇぇぇぇぇ……!」

こうして一松カラ松に事の責任をなすり付けることに成功。

訳が分からないまま巻き込まれるという安定のカラ松オチで話は終了した。

余談

  • おそ松にはバレていたのか?

最初は「カラ松」と声をかけておきながら、「声、いつもと違くね?」「髪がボサボサ」と本物のカラ松との違いを指摘し、さらに「闇のオーラと友達いないオーラと、性格ひん曲がったクソみたいな雰囲気を感じる」と、ほぼピンポイントで一松だと見抜いているようでもあるので、弟たちのことはお見通しな長男のポテンシャルは高いと言えるだろうか。

しかしその後の会話はあくまで「カラ松」相手として進行しており、それに元々がギャグであることを考えると何とも言えず、真相は闇の中(そもそもおそ松の性格自体が奇跡のバカであるため)。

しかし、雑誌PASH!3月号の一文にて 知っていて気がつかないフリをしているように見える というニュアンスが掲載されていることから、やはり気がついた上で弄ばれていた可能性が高い。

ちなみにカラ松は、自分の服を着ていたのが一松だと寝起きで見抜いている。

  • 趣味の一致?

これまで、トト子の部屋に呼ばれた際にバンドマンの恰好をしていたりと、服の趣味に意外性がある印象が尽きなかった一松であるが、今回、カラ松のイタいファッション雑誌に手を伸ばしただけに留まらず、その服(カラ松曰く「パーフェクトファッション」)すら着込んで見せた。しかも手鏡でチェックしたりとノリノリで。

これを見ると、日頃辛辣な扱いをしている次男の服をリスクを冒してまで着たということもあって、なんだかんだ一松のファッション感覚や趣向はカラ松と同じ方向である可能性が高い。

単に別の服装に興味があっただけかもしれないが。

何はともあれ、一松事変本編にて「(カラ松の服を)一度着てみたかった」と心の中で発言している。

  • おそ松視点のオチ

さて、安定のカラ松オチについてだが、これをおそ松視点から見ると…

カラ松からいきなり爆弾発言をされる

一松から「カラ松に大事な話があるから」と競馬を断られている

少し目を離した隙に部屋にて…

というとんでもない状況が出来上がっているため、ドン引いたと思われる。

しかもおそ松自身が第13話Cパートでも分かる通り、「奇跡のバカであるが故に、(無意識に)地雷をきれいに踏んでいく」スタイルであるため、この誤解を素直に受け入れている可能性がある。

※上述の「おそ松にはバレていた?」の記事と似たようなことがいえる。

  • ちなみに

漫画『こちら葛飾区亀有公園前派出所』(83巻)において「おそ松くん」がネタとして取り扱われた際に両さんがおそ松たち六つ子を紙に描いて見せ、同僚に解説するシーンがある。

この時、六つ子が見分けられるか、の例示として「一松の顔マネをしているカラ松」というネタが出ていたりする。

関連タグ

おそ松さん:各話一覧は「おそ松さん(アニメ)」を参照

一松 おそ松 カラ松

カラ松ボーイズ 事変組グラデ松

衣装交換

類似エピソード

カラ松事変:1期5話Aパート

チョロ松事変:2期14話Cパート

コメント

pixivに投稿されたイラスト

すべて見る

pixivに投稿された小説

すべて見る
  • 刀剣 × 松 × 事変

    刀剣弟組は笑顔で仕掛ける

    一松事変を見て、見知らぬ他人や周りの者達はどう感じただろうか。 ――兄気質ではあるが、弟であるその刀剣、薬研藤四郎は目を眇めた。 兄弟を守るのは別に「兄」の専売特許ではない、「弟」にだって矜持と意地はある。 兄には我儘に何でも強いていいと弟は考えているなど、世間から偏見の目で見られては心外だ。 「弟だから、は全ての免罪符にはなりえないと教えてやるか。」一振が立ち上がり、そしてもう一振、乱藤四郎も冷たく笑う。「僕もお手伝いするよ。僕さぁ……兄弟を大事にしない人、大っ嫌いなんだよね!」 一松 vs 薬研藤四郎&乱藤四郎(+刀剣弟組)のお話。 *おそ松さんと刀剣乱舞のクロスオーバー。 *ふわっとした設定の勢いだけのお話ですので、何でも許せる方のみご覧ください。  時系列としては、アニメ16話より後のお話になります。副題は「もしも他者が一松事変の一部始終を見ていたら:刀剣編」(適当) *「刀剣兄組は黙ってられない」の続編ですが、単品でもお読みいただけます。勢いだけのネタ仕様その2です(当社比) ここからおまけ小話↓ 赤塚から離れて数時間後、本丸では。 「カラ松、見舞いに来てくれてありがとうございます。お前の無事な姿をみられて、本当にほっとしました。」 「え、無事って、体調悪いのは貴方で」 「皆まで言わずともよいのです。私は見ていましたからね。…よく頑張りました。」 ――床から起き上がった一期一振が、いい子とばかりにカラ松の頭を撫でる。カラ松の頭上には?マークが飛んでいた。隣には、いつのまにかちょこんと小夜が座り、カラ松に問いかける。 「あなたは、復讐を望む…?」 誰に?というかなんで俺はこんな、悲惨な目にあった子みたいな扱いをされてるんだ?! ―――カラカラからっぽのカラ松は、初めてきた本丸の様子について行くのが精一杯で、一松事変のことなどすっかり頭から飛んでいた。 「復讐?なんでだ?というかする相手もいないし…。」 答えた途端、一期一振が目元を押さえた。 「ああ、どんな目にあっても兄弟を庇い、恨むことも復讐することも考えないなんて、カラ松は本当にいい子ですね。これからは、私が絶対、もうこんな、悲しい目には合わせませんっ…。」 会話が噛み合ってない。絶対的に噛み合ってない。助けを求めるように、カラ松は周りを見渡した。 しかし。刀剣兄組はいかにも分かっていますよ、と言わんばかりに沈痛な面持ちだし、他の幼い姿の子や少年は張り切ったように「カラまつ、だいじょうぶですからね!ぼくがなんとかしてあげます!」「闇討ち、暗殺、お手の物ですよ!安心してくださいね!」等と物騒な冗談を言う。…冗談ですよね? どうやら事情を分かっているらしい薬研や乱を見つめても、笑顔でひらひら手を振られ、かわされる。カラ松は途方にくれた。見舞いにきただけなのに、これは一体…。 一方、乱と薬研の会話。 「まぁ数日もこうやってカラ松を預かっておけば、あっちも少しは頭が冷えるだろう。」 「数日なんて生温いよ。といっても、主さんの胃痛をこれ以上酷くするわけにもいかないし、今回は返すけどさ。いち兄に返す気があるかは知らないけど…。」 「…さぁて、それは俺っちにも分からねぇな。」 そしてそれを更に遠くから見守る他の刀剣達は。 「あれさぁ、本音じゃない?そこまで深刻に虐げられてる気、本人ないんじゃない?俺兄弟刀いないから細かい機微は分かんないけど!」 「…あそこまで酷くないにしろ、真ん中は拗らせやす…いや、誤解されやすいし、すれ違いもあるかもしれないね。だからと許される行為ではないが。」 古株の初期メンバーはちらりと奥に視線をやった。そこには傾国と呼ばれる刀と黄金を纏う刀、そして布を手放さない刀が集まっていた。兄弟順でとんだとばっちり、風評被害と抗議されてもおかしくなかったが、なぜか彼らはいつもより大人しく、そしてちょっぴりしょげているようにも見えた。 ☆次回、『刀剣真ん中組は沈黙する』が始ま…らないよ!ここで力尽きました。おまけ小話は差し替える可能性がありますのでご了承くださいませ。
    10,204文字pixiv小説作品
  • カラ松と彼女は恋を知る

    松野家へ会いに行く

    オリジナルの女の子が出ます。 カラ松事変後にオリキャラの女の子と出会って恋人になる話。 今回は朱莉視点です。 いよいよ朱莉が他の兄弟に会います。 色々詰め込み過ぎた結果、11000以上の文字数に10ページと多くなってしまいました。 ※誤字脱字あるかもしれません。支離滅裂な内容になっているかもしれません。公式サイト様とは一切関係ありません。似たような作品があったらすみません。
    11,064文字pixiv小説作品
  • その松野参謀也…

    その松野参謀也…設定解説補足

    整理して今後の予定も書きました! でもスムーズに予定通りに進まず修正したり書きたす場合もあります! その際には必ずその都度更新した話数のキャプションに書いたり タイトルに書いたりしますのでご了承ください! ꫛꫀꪝ←これが目印になります!文字化けしていたら教えてください! ついでにꫛꫀꪝの目印は1ヶ月経ったら消します 予定通り?多分無理無理!!だって俺達クズな六つ子だぜ?言う事聞くわけないじゃんby.おそ松
  • Shake it up baby,All night long.

    16話「一松事変」後のパカカラ。書かずにはいられなかった。ネタバレ含みますのでご注意ください。 一松視点は難しそうだと思っていましたが、おかげで印象が覆りました。イッチのツッコミがめちゃくちゃテンション高いので書いてて楽しかった。 16話については色々言いたいことがあるんですけど、キャプション芸と言われたくないので控えます。とりあえず、一松の心の声「聖母か!」を副音声として終始受信しておりました。 エロ書きたいなあ、と思っていたら燃料が投下されたので「パカカラしかねえ!」と思い立ってこのザマ。 タイトル回収する前に中途半端なところで終わってるので、手が空いたら続きを書きたいです。
  • その松野参謀也…

    その松野参謀也…7 “過去編②”

    カラ松チート それぞれのちょっとした過去捏造 みんなちょっとずつ闇抱えていればいいと思うんだ!
  • 居場所

    カノさんを説得する《凛紗視点》&《カラ松視点》

    カラ松事変がきっかけである女の子に拾われて、いったん家に帰るものの、 その後の一松事変後にカラ松が家を出た話のシリーズ。 《凛紗視点》&《カラ松視点》のダブル視点。 今回は、十四松の大好きな女の子が出てきます。 ・カラ松はトラウマで兄弟に触られたり声を聞くだけで恐怖で震えてしまいます。 ・女の子は耳が全く聞こえません。カラ松との会話は読唇術+手話で行っています。 私の勝手な捏造です. もしフォローや「いいね!」が少ない場合、“つまらない作品”との判断をして作品を非公開または削除することもあります。
  • 予知夢【完】

    予知夢なんて知らなかった

    完結! お待たせいたしました! 各兄弟のお話です! ((((あの時、俺が/僕が⋯ 行動していれば/止めていれば こんな結末にはならなかったの?)))) 『まぁ、無理だろうな。 だって、俺は結末を知っていたから。 今改善したところで、また繰り返すだけさ。』 人によっては不快になる表現もありますのでご注意です。地雷だと思ったら即逃げて下さい! ブックマーク、イイネ等の評価有難うございます! ほかの小説にも沢山の評価とても嬉しいです( ´﹀` )(2017/07/28)
    30,097文字pixiv小説作品
  • 私と家族とむつごと

    私と家族とむつごと 【36】

    *何でも許せる方どうぞ。 一松事変編第2弾です。 夢主とおそ松視点です。 *おそ松が気づいていた否かは想像です。 コメント、ブクマ、いいね大歓迎です。 ただし、悪口、中傷、苦情などはお止め下さい。 嫌な方は何も言わず回れ右お願いします。
  • 居場所

    初めての口付けはコソッと…

    カラ松事変がきっかけである女の子に拾われて、いったん家に帰るものの、 その後の一松事変後にカラ松が家を出た話。 カラ松と女の子の間にちょっとだけ進展があったようなないような… 最後のほうに、ついにカラ松が兄弟の一人に見つかってしまいますが、そこも逃げ切ってしまいます。 私の勝手な捏造込みです。
  • 幼な神カラ松くん

    残念ながら、この船の定員は七柱までです。

    それ以上の乗船は出来ません。 あけましておめでとうございます‼ 昨年は大変お世話になりました!今年もどうぞよろしくお願い致します!! 今年最初の話は皆大好き(?)事変ものです!ゲルゲ(?)とカラ松くんのほのぼのハートフル(?)ストーリー。←(?)多いな‼︎ ※通常の六つ子達と、派生が同時に存在 ※次男以外の兄弟に厳しめ ※そういや、ゲルゲ書いたことないかなぁーと ※ゲルゲで童貞ゴッドになるのなら、別の神様になる可能性も無きにしも非ず…などと意味不明な考えに至った結果がこちらになります←お前は何を言ってるんだ ※一応めでたいお正月(遅すぎ)に因んだ話 ※その反面、後味悪い話 ※7歳児にしたのは意味は違うけど「七つまでは神のうち」から。 ※お察しの通り、某風の谷の姫姉さまを、思いっきり意識してます(笑) ※姫さまを思い浮かべてくださった方、握手しましょ〜‼︎ ※ってことで、某風の谷の姫さまなカラ松くんと、ゲルゲのお食事事情をちょこっと追記しました‼︎ ※ジブリ映画で1番好きなんだよなぁ…何回観たか…(遠い目) ※捏造多数・なんでも許せる方向け ※ご注意ください! 映画情報で脳内大パニックになってます!問題児組が大問題児組なんですけどおおおお!!?? カラ松くんは今も昔も可愛い(可愛い) 下記は本編一読後を推奨します。 「明日、カラ松に謝ろうぜ」 おそ松の一言に、気まずげに顔を見合わせたチョロ松・一松・十四松・トド松は、揃って大きく頷く。 最近の次男に対する自分の行いをやり過ぎたと、彼らは反省していた。 数日前、おそ松と一松がホモ疑惑でカラ松をからかうのを、他の面々も一緒になって次男を揶揄っていた。 今までゲルゲ達にばかり次男が構っていたので、その反動故の行為だったが、流石に酷い仕打ちだろう。 今もまた、カラ松だけをホモ疑惑だからといって別室に隔離している彼らは、長男の一言を待ち望んでいたかのように、承諾を返した。 いつも恥ずかしくて素直になれず、意地悪してしまうので、今回のホモ疑惑の騒動でも誰もカラ松を庇おうとせず、むしろ避けたり、からかったりしたけれども。 無碍に扱われたり、ヒエラルキー最低なのにもかかわらず、優しくて穏やかで何でも頼み事を引き受けてくれる次男が五人は好きだった。 だから明日からは、おそ松と一松の騒動など無かったかのように次男への態度を改めよう。 そう決意を胸に布団に入った五人は、まさか、隔離されたカラ松が家を抜け出してゲルゲ達がいる茂みに向かっているなど、夢にも思っていなかった。 やがて、夜も更けた頃に、急に空が明るくなって、おそ松達は眩しさに眼を瞬かせた。 窓から射し込む光に、もう朝だろうか、とカーテンを開ける。 天を仰いだ瞬間、五人は口をあんぐりさせた。 目の前で浮かぶ宝船。 絢爛豪華な輝く船が屋根の上に鎮座している。 重さを感じさせないほど、ふわりと浮かぶ船には、自分そっくりな顔つきの存在が乗り込んでいた。 彼らの出で立ちは、まるで七福神のようで、神々しい光を放っている。 その内のカラ松そっくりな神様が腕に抱いている小さな子どもに、五人は眼を留めた。 「「「「「か、カラ松(にーさん)…!!??」」」」」 直観でわかる。 どれだけ幼くなろうと、縮んでいようと、若返っていようと、あの幼児が自分の兄弟の次男である事を悟ったおそ松・チョロ松・一松・十四松・トド松は、船に乗る自分そっくりな神を睨み据える。 五人の鋭い視線を受けても怯む事なく、宝船に乗る神の一柱が大きな箱をどさりとおそ松達の前に投げ捨てた。 その中から飛び出してきたのは大金に輝く大判小判。 『だいたいこれぐらいで百万円にはなるでしょ』 明らかに百万円より多いお金を無造作に投げた、四男に似た神の【大黒天】は、唖然と見上げる一松を鼻で嗤った。 そのまま、ふわり、屋根から離れてゆく宝船に向かって、五人は慌てて屋根の上によじ登る。 月光降り注ぐ宝船がキラキラ輝きながら、飛び去ろうとするのを食い止めようと、おそ松は屋根を強く蹴った。縁にしがみつく。 「うちの次男を返せよ…!!」 『悪いな。もううちの大事な神様なんだよ』 長男に似た七福神の一柱──【毘沙門天】は船べりに片足を掛け、おそ松を見下ろした。直後、己の周りにいくつもの三叉戟を発現させる。 輝く三叉戟が、船にしがみつくおそ松の手を強かに打った。 「ぐっ」「ぐぇ」「…っ」「うぐ」「いったぁ」 落下してきたおそ松の下敷きになった、チョロ松・一松・十四松・トド松が呻き声を上げる。 宝船から眼下を俯瞰する七福神は『定員オーバーだよ』と口を揃えて言い放った。 『七福神は七柱いてこそ、七福神と呼ばれるのさ』 だからカラ松は幼い神様として立派に育ててみせる、と威厳と神々しい光を放ちながら、宣言する七福神に、五人は「「「「「ふざけんなっ」」」」」と声を荒立てる。 何度も名を呼ぶものの、一向に眼を覚ます気配のないカラ松に、おそ松・チョロ松・一松・十四松・トド松の顔から血の気が徐々に引いてゆく。 ぴょんぴょん跳ねて船に乗り込もうと試みても、宝船はぐんぐん空高く飛んでいってしまう。 なすすべなく、宝船を見送ったおそ松・チョロ松・一松・十四松・トド松。 気が付くと布団の中にいた彼らは、眼を覚ました瞬間、お互いに顔を見合わせた。 窓から射し込む太陽の光の中、わざと明るい声をあげる。 「な、なんか縁起の良い夢、見ちまった」 「お、おそ松兄さんも?ぼ、僕も七福神見ちゃったよ」 「……なんか、悪夢を見た気がする……」 「宝船も七福神も大判小判も出てきたねっ!」 「お、遅い初夢だよねっ!!」 力無く、はははは…とかわいた笑いを浮かべた後、一斉に布団を蹴飛ばす。 勢いよく階段を下りて、彼らはカラ松が寝ているはずの部屋を思いっきり開け放った。 「「「「「カラ松(にーさん)!!!!!?????」」」」」 五人の視線の先。 カラ松が寝ているはずの布団の上には、次男の姿は跡形も無かった。 代わりに、大きな大きな宝箱がどんっと鎮座していた。 愕然と立ち竦むおそ松・チョロ松・一松・十四松・トド松の前で、箱からこぼれ落ちた黄金に輝く大判小判が大きな雪崩をあげて、もぬけの殻と化した布団に降り注いでゆく。 財宝の山を前に、五人はへなへなと力なく崩れ落ちた。 縁起の良い夢じゃなかった。 この後、七福神による幼な神のカラ松を育てるほのぼの神様生活が始まる。 ほのぼの神様生活編はこちら⇒幼な神カラ松くんのほのぼの神さま生活!!https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=11420361 こんな感じで好き勝手に書いてるヤツですが、2019年もどうぞよろしくお願いします!!
    13,303文字pixiv小説作品
  • 成り代わり次男と厳しめルートの彼らの話

    [帰る訳ないじゃん!こっちは人違いだって言ってんのに!そんなんだから出て行ったんだよ!!!]

    松野カラ松とトド松は固まっている彼らを尻目にとっとと我が家に帰るのだった。 ・https://www.pixiv.net/novel/show.php?id=14657812のネタ消化。 ・短い。 ・合格組とカラ松成り代わり。なので原作の彼らはいない。 ・成り代わり達は厳しめ兄弟に色々と言われています。なので関わりたくありません。なので冷たいです。
  • 一松が俺になっていた話

    一松事変ネタ。 自分をカラ松だと思い込んだ一松とカラ松が少しだけ距離を縮める話。
    13,660文字pixiv小説作品
  • だから、やりすぎたら自分に返ってくるんですってば

    ◆以前、カラ松事変を書いたので一松事変も書いてみたくなりまして。でも、一松ではなくカラ松中心です。 ◆前半へたれ、後半ブチギレでイタ松がおりません。というか、カラ松語が書けないので普通の人になってます。 ◆お話しようぜ!(物理ではなく精神アタック) ◆接続悪くて一回全部消えました、こんちくしょう。 ◆執筆予定は、ワンピースのスモロ2本と刀剣の花見ネタです、予定は未定で消滅もありえます。 ●2016年04月12日付の[小説] デイリーランキング 74 位 ●2016年04月12日付の[小説] 女子に人気ランキング 82 位  ブクマ、タグ、コメントありがとうございます!
  • 如何にして次男四男は険悪になったか・または長男の回想

    いつまでも松ロスはしないのでおそ松さんを投下。 時系列的には、16話の一松事変の直後。 ※矢印としては一松とカラ松は両片思いという雰囲気で、それらを見守るおそ松兄さん。しかし一松がなかなか登場せず、何故かおそ松兄さんの出番が多い。
    12,015文字pixiv小説作品
  • うちの次男は神絵師さま!!

    ふぉっふぉっふぉ!!はなまるぴっぴのよいこ達にサンタ樹からクリスマスプレゼントじゃ!略してサンタッキーじゃ!! フライドチキンが食べたくなる名前じゃな!! クリスマスプレゼントは三点セット。どれも別々の話ですのでご注意ください! ネタは二つと言ったな…あれは嘘だ。 副菜的なちょっとした話を書こうかと思ったら、なんでかカラ松モンペ若葉松がぐいぐい出てきた…何故だ。 ひとつでも気に入る話があれば幸いです! あと、今まで結構能力を持つ次男を書いてきましたが、どの能力が皆さまお好みですか? よかったらアンケート及び、アンケートに入りきらなかった能力はコメントにて教えてくださると嬉しいです! 自分が欲しい能力とかでも、こんな能力使ってみたいというのがあればなんでもご自由に~! ~Merry Xmas!!!!!!~
    29,908文字pixiv小説作品
  • 彼は選んだのですよ。

    (6/23追記あり) カラ松girlは一度は通るカラ松事変を経ての一松事変もある話。 酒/井/ま/ゆさんの【ク/レマ/チ/カ靴/店】という漫画を題材にしてみたけど、たいして活かしてないです。 漫画自体は面白いのでぜひ読んでみてください。え、漫画の説明?ググったらわかるよ!! 本当は一松と十四松がカラ松を救う話にしたかったけど力尽きた。救済編書くか…いや、書かない。 急な話の締め具合も気にしないで!! 一カラgirlなのでそう見えるかもしれませんが、あくまでも兄弟愛って事でBLタグは付けません。が、そう見えたらすみません。 追記(6/23) タグ付、コメントありがとうございます!コメントでうちのカラ松を心配してくれて申し訳ないです。兄弟と離れた彼はきっと幸せになると思います。 デイリーランキング28 位 女子に人気ランキング 40 位 本当に嬉しかったです。ありがとうございました!
    10,789文字pixiv小説作品
  • このスレを動かす糸の先には誰がいるのか

    【どうしよう】次男が構ってくれない【怒らせた】

    16話の事変後の話。 おそ松兄さんがスレ主だよ。 某チャンネルじゃなくて松チャンネル式だからね、これ。そこ勘違いしないよーに。 それとここに痛い次男と塩対応な兄弟達は存在しないよ。 続くと思うけど微妙。 とりあえず次男と兄弟達が仲良くするとこまで書けたらなと思う。 需要なかったのを見届けたら書くの諦める。 追記 ルーキーランキング86位!!! メールって来るんですね……。初めて知った。これはもう続き頑張ります。 タグもありがとうございました! ルーキーランキング22位!!? ありえない評価頂いて涙流してます。 おそ松強し、松ちゃんねる強し……。
    13,355文字pixiv小説作品
  • おそ松さん・くん

    一松事変帰宅後のチョロ松

    一松事変がとても面白かったけどチョロ松がいない悲しみは消えないのでその後をチョロ松メインで書きました。 特定のカプはありませんが、チョロ松メインで全員出ます。気持ち年中松贔屓で速度松・水陸松のほぼ会話文。 ギャグ(のつもり)です。一松事変のネタバレ&2クールのネタちょこちょこあり。 おそ松に告白する時のカラ松(に扮した一松)がおねえの演技してたんで、あ、男が好きって事はオカマにならないとって自然に思ってる部分がノーマル四男だと思いました。お互いに対するフワッとしすぎた観察眼に爆笑しました。やっぱトッティはクオリティ高かったんや……
  • 居場所

    初めての口付けはコソッと…《カラ松視点》

    カラ松事変がきっかけである女の子に拾われて、いったん家に帰るものの、 その後の一松事変後にカラ松が家を出た話。 カラ松と女の子の間にちょっとだけ進展があったようなないような…というカラ松視点です。 最後のほうに、ついにカラ松が兄弟の一人に見つかってしまいますが、そこも逃げ切ってしまいます。 私の勝手な捏造込みです。

このタグがついたpixivの作品閲覧データ

一松事変
97
編集履歴
一松事変
97
編集履歴