演:小野了
概要
相棒でも数少ない初回(プレシーズン一作目)から出続けているレギュラーで、刑事部長の内村完爾の補佐役(という名の腰巾着)である。
基本的に内村同様、特命係を毛嫌いしているが、実は内心では特命係を頼りにしている節があり、そうしたこともあってか特命係のゴリ押しに弱く、情報を流したりさりげなく協力を打診したりすることもかなり多い。事件が解決した際、「特命係のおかげ」とうっかり口走ったり、杉下を説教した際に「警視庁の名探偵と呼ばれているからといっていい気になるな」と杉下を評価しているとも取れる発言をさりげなくしたこともある。失踪していた右京が無事だと聞かされた際には「残念だ」と言い放った内村や衣笠とは対照的に嬉しそうな表情を浮かべていたりもした。
指揮官として陣頭指揮を執ることもあるが、初期は緊張のために使い物にならなかったりと能力には欠けた面が多く見られた。ただ、犯人逮捕には全力を尽くしたりと、警官としての責任感は強く、己の出世や手柄にしか興味がない海千山千の一癖ある上層部連中の中では比較的良識派とも言える。指揮能力も最近ではそこまで低いと思わせる描写は見られなくなり、場数を踏むにつれて慣れていったものと思われる。
内村に対しては腰巾着の役割に徹しており、彼の横暴な振る舞いにも嫌な顔ひとつ見せず従順に従っていたが、近年は少々その態度に変化が見られるようになった。
上記のように特命係を評価する発言をしたほか、
- Season11で内村の方針に露骨に反抗、激昂して刑事部長室を飛び出す
- Season13で内村に差し出した土産を露骨に拒否され、「何年(俺の参事官を)やってるんだ!!」と怒られた後、土産の中身である羊羹を握りつぶして「耐えろ照生……!」と必死に堪える
- Season15で、副総監の名前をわざと漏らしうっかり言ってしまったそぶりをしてその直後に内村に「まさか副総監の名前をわざともらしたわけじゃないだろうな?」と言われ、その直後機嫌をよくするために実家からのおみやげの栗最中を「つまらないものですが…」と言って差し出したところ、「本当につまらないものだな!」と内村に怒られて「警察官の初心に帰れ」「あんたの出世より犯人逮捕のほうが優先だ!」「むしろ失脚してくれれば」「部長の椅子には俺が座る」と内村の気づかないところで言い出す
といった場面が見られる。
長年こき使われている間に、ストレスが許容範囲を超えるレベルで蓄積してしまったようだ……。
実際、右京は内村との関係について「我々が思った以上にスリリングだと思いますよ」と亘に話している。
一方で、Season18では、テロリストに人質として囚われていた内村が無事に救出された際には非常に嬉しそうな表情を見せてもいるほか、Season19で内村が半グレ集団に襲撃された際にも蘇生した際には安堵の表情を浮かべているなど、内村に対して「うんざりしている部分も確かにありながらも完全に嫌っているとも言い切れない」面もあるようである。
警視庁内でマスコミ沙汰の不祥事が発生し、釈明または謝罪会見を行う必要が生じた場合、まず彼が抜擢される(押し付けられる)。なお、謝罪会見での泣きの演技は、内村から「大根役者」と酷評される一方、小野田官房長からは「アカデミー賞もの」と称賛されるなど、かなり両極端な評価を得ている(小野田官房長のことなので、どこまで本気かは不明だが)。
実質的な「一課長」
作中では参事官の身の上でありながら捜査一課長や管理官と同様の役回りとして所轄署で捜査の指揮を執ったり、時には犯人の取り調べに自ら出向くこともあるため、しばしばファンの間から「中園一課長」と揶揄される事がある。
これは劇中において捜査一課長が登場した事が一度も無い(ただし、亀山薫が捜査一課長室を訪問し、退出時に「課長、お邪魔しました」という台詞を発しているシーンがある事から、中園とは別の人物が捜査一課長として存在する事は判明している)事からもその信憑性が増している状態となっているが、一方で輿水泰弘氏によると脚本を「当初中園を捜査第一課長のつもりで書いていた」という事実をインタビューで明かしており、少なくとも製作サイドでは「中園が一課長にも見える描写」を裏付ける要因にもなっている。
家族
所帯持ちであり、妻と中学生の娘がいる(その後、シーズン15で顔は映らなかったものの両者共に登場している)。携帯電話の待受にするほど家族愛を持っている一方、家族からは邪険に扱われ気味。
妻は霊感が相当強いらしく、本人曰く、「妻の霊感のおかげでここまで出世してこれた」らしい。
この話では、中園が直々に特命係を捜査に招き入れたという経緯があり、そのことを訝しがった右京に対し、「霊感の強い妻の助言を受けたから」と答えている。
ただ、これに関しては「実際は特命係を頼りにしている」と大勢の捜査員の前で公言してしまったら、それが内村の耳に入って自分の立場が危うくなるので、そんなジョークを飛ばしただけかもしれないとも考えられるため、どこまで本当の話なのかは不明である。
余談
中園を演じている小野了と副総監の衣笠藤治は生年月日が全く同じである。
シーズンが進むごとに次第に頭髪が薄くなっていっていることがファンの間ではしばしばネタにされる(ある視聴者曰く「リアップを使いたくないのはCMの出演者が警部殿に似ているからなのでは」)が、近年では彼自身も自虐ネタとしてしばしば自らの頭髪の薄さを引き合いに出すことがある(「不毛なのは私の頭だけにしていただきたい」(Season 16)「お前たちが失態を犯す度に、ストレスで俺の髪は一本一本抜けていくんだ!」(Season 18)等)