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占守島の戦い

しゅむしゅとうのたたかい

占守島の戦いとは、太平洋戦争終了後の8月18日から21日に行われたソ連軍と大日本帝国陸軍の戦いである。
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概要編集

占守島の戦いとは1945年8月18日から21日に行なわれたソ連軍大日本帝国陸軍の戦闘である。


背景編集

ソビエト連邦ヤルタ協定によってドイツ降伏から二ヶ月または三ヶ月後の対日参戦をイギリスおよびアメリカ合衆国に確約していた。

そして5月9日、ドイツソ連に降伏した。


ソ連の対日参戦編集

同年8月8日関特演による日本側の中立違反を根拠に「日ソ中立条約」を破棄し宣戦を布告。

ドイツ降伏から三ヶ月が経過した翌9日満州南樺太に侵攻し8月18日には千島列島に侵攻。

そして、占守島の戦いが勃発することとなる。

なお日本側のポツダム宣言受諾は8月14日、玉音放送は翌15日であるが降伏は同年9月2日である。


日本軍の状況編集

日本軍はアメリカ軍の上陸に備え千島列島の要塞化を進めていた。また、北方であったために戦闘も少なく、食料や弾薬の備蓄が比較的豊富だった。加えて、北方の守りの要として精鋭の「戦車第11連隊」、通称士魂部隊が配置されていた。本土決戦や南方戦線に回された将兵も少なくなかったものの、かなりの戦力が残されていたが、主力は幌筵島にあり、直接戦闘に参加したのは、8500人程度だった。


戦闘経過編集

1945年8月12日辺りから、アメリカ軍やソ連軍による砲撃・空襲があった。しかし、大きな戦闘もなく8月15日を迎えた。一応の警戒をしていたが、この時点ではソ連軍の侵攻の可能性は少ないと判断していた。


ソ連軍の上陸編集

ところが、ソ連軍は8月18日午前2時半(日本時間。以下同)に占守島北部の竹田浜に上陸。第1梯団は司令部の海没や日本軍の沿岸陣地の砲撃で混乱。第2梯団も上陸したが、砲撃などで手間取り火砲の上陸は失敗していた。ソ連軍は占守島の北部の四嶺山に午前4時ごろ到達しており、すでに竹田浜を守備する「独立歩兵第282大隊」とソ連軍の戦闘が始まっていた。

日本軍の反撃編集

時間が前後するが、戦車第11連隊に出撃命令が下りたのは18日午前2時半だった。戦車第11連隊の旅団長は「池田末夫」大佐で、主な戦車は「九七式中戦車」や「九五式軽戦車」である。午前5時半ごろには、第11連隊は四嶺山の敵に突撃してこれを撃退。そこから「独立歩兵第283大隊」なども進出した。第11連隊に対し、ソ連軍は対戦車銃およそ100挺で対抗し、戦車27両が撃破され、池田連隊長をはじめ96人の戦死者を出した。しかし、日本軍高射砲や戦車の支援射撃、第283大隊も参戦。ソ連軍は竹田浜方面に撤退した。その後、独立歩兵第283大隊の勇戦などにより、ソ連軍の撲滅に有利な状況になった。ところが、北方を作戦地域とする「第5方面軍」から積極的戦闘の停止、自衛戦闘移行の命令があったため日本軍の攻勢は停止した。そして、19日に3度目の軍使を送り、停戦と武装解除に同意した。


戦闘の結果と影響編集

ソ連軍は多大な損害を出しながら日本軍の武装解除を行うことができた。

しかし、日本軍の死者約600名・ソ連軍の死者約3000名という説や、日本軍の死者約1000名・ソ連軍の死者約1500名という説などばらつきが見られるものの、いずれにせよ日本軍の損害がソ連軍より少ないのは確かである。


なおソ連はヤルタ協定の範疇に含まれていなかった北海道の留萌、釧路以北の占領も途中まで計画していたが米国のハリー・S・トルーマン大統領に拒否されたことで撤回している。

また占守島の戦いでの奮戦が寄与したという主張もあるが、北海道侵攻の拠点として予定されていたのは樺太であり占守島を含む北千島侵攻とは別ルートである。それでもソ連軍を足止めした事は事実なので、占守島の戦いも寄与した事は事実だ。


いずれにせよ、日本軍の防衛戦に於ける勝利と言って差し支えない。ソ連軍は当初の目的が果たせず、想定を超える甚大な被害を出した上に得られる物は何も無く、停戦とそれに伴う日本軍の武装解除で手打ちにする他なかった。この一連の軍事行動はソ連軍内部でも「無駄な作戦だった」と批判されている。


尚、降伏した日本軍捕虜はその後ソ連によりシベリア抑留され、強制労働をさせられた。


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