あらすじ
スイスで山案内ロボット・モンブランが、続いてスコットランドで執事ロボット・ノース2号が、謎の怪ロボットに襲撃されて破壊される事件が起こる。犯人のロボット・プルートゥは、世界最高峰の7体のロボットを倒す事で、自分こそが世界最大最強のロボットであると証明するように、主人の命令を受けていたのだった。そしてプルートゥの魔手は、日本のアトムにも伸びてきた。
概要
光文社『少年』に1964年6月号から1965年1月号まで「史上最大のロボットの巻」の題で掲載。
鉄腕アトムの中でも特に人気もあり、発表以来数十年を経ても根強い支持を保っている名エピソードである。作者の手塚治虫も「一番描いていて楽しかった時期」と述べている。
個性的なロボットたち、非情の刺客でありながら紳士的で心温かいプルートゥのキャラクター、そしてその悲劇的な最期と、この無意味な戦いが繰り広げられた皮肉な真相など、エンターテインメントとしても、社会的メッセージとしても、完成度が高い。
2003年~2009年にかけて、浦沢直樹が本作品に独自アレンジを加えたリメイク「PLUTO」を執筆し、好評を博した。
また、その後の漫画界に与えた影響も大きく、劇中のロボットの馬力がどんどん強力になるのは少年誌のパワーインフレの先駆者であり、多くの漫画家がインスパイアされている。
登場するロボット
アブラー博士に生み出された冥府の王の名を持つ100万馬力のロボット。主であるサルタンの命を受け、自身が最強のロボットであることを証明するために各国のスーパーロボットと果たし合いをすることになる。戦いを重ねるうちに、自身のあり方に悩むようになっていき・・・。
ゴジ博士によって作られた200万馬力のロボット。プルートゥを倒すために生み出されており、プルートゥのような知性は持っていない。
「世界でいちばん強い七人のロボット」
日本の科学技術の落とし子。10万馬力の怪力と人間のような心を持っている。プルートゥとは幾度となく戦うが、そのうちに友情を持つようになる。
スイスの山岳案内用ロボット。物語開始早々、プルートゥに問答無用で破壊されてしまった。
スコットランドの執事ロボット。阿修羅のような6本腕の高性能ロボットで、生みの親である博士に仕えており子供同然に可愛がられていた。
ドイツのロボット刑事。無法な破壊活動を繰り返すプルートゥを逮捕しようとしていた。超合金で出来たボディはプルートゥの攻撃も通用しなかったが・・・。
ギリシャの戦闘用ロボット。誇り高い戦士であり、エプシロンの助力も突っぱねた。古代ギリシャの戦車兵のような姿をしている。
トルコのロボット力士。モンブランの親友であり、彼を破壊したプルートゥを心底憎んでいる。プルートゥにも匹敵する巨体の持ち主。
オーストラリアで孤児院の先生をしているロボット。太陽光をエネルギー源にしており、日中では無尽蔵とも言えるパワーを発揮する。
登場人物
- チョチ・チョチ・アババ3世
アラブ某国のサルタン(国王)。金に物を言わせ、地上最大のロボットとして作り上げたプルートゥに世界7大ロボットの破壊を命じる。
サルタンお抱えの覆面の科学者。プルートゥを建造した。
ボラーを作り出した仮面の科学者。
単行本
関連タグ
ロックマン6・・・サブタイトルが本作を意識したものとなっている。