アトラス(鉄腕アトム)
あとらす
手塚治虫のSF漫画『鉄腕アトム』に登場するロボット。史上初の「自分の意志で人を傷つけることのできるロボット」であるとされる。
名前の由来はギリシア神話に登場する巨神「アトラス」で、地図の別名としても知られる。
といっても、原作・アニメ第1作(モノクロ版)版では1話限りのゲストキャラクターだった。
プルートゥや青騎士と並ぶアトムのライバルとしても有名となったのはアニメ第2作(昭和カラー版)でのアトムと複数回対決したアトラスの姿による印象が大きい。
また、アニメ第3作(『ASTROBOY』)でもライバル役として登場する。
CV:光枝明彦
上半身は人間型だが、腰から下はロケット噴射口を備えた筒状になっており、そこから脚が生えたような形状のロボット。頭髪の代わりにドレッドヘアーのような開口部を備えた突起が複数生えており、そこから稲妻状の光線を放つ。
かつて迫害されたインディオ出身のラム博士が、母親を家畜のように殴り殺した白人や黄色人種に対する復讐のために作り上げた戦闘ロボットで、自分の判断で他人を傷つけることのできる回路『オメガ因子』を持っている。
本来はアトム同様、自ら判断しロボット法に則り人々を助け貢献するロボットだったが、オメガ因子により相手を傷つけ、虐げることを何より楽しむ悪魔の如き存在に成り果ててしまった。ただ、悪の心を持つということは、従来のロボットより人間に近いということでもあり、お茶の水博士は「ある意味ではアトムより高等」と評している。
性能実験のためにロボッティング(ロボット同士のレスリングのようなもの)に出場して規則を無視したラフプレイを行い、審判を殴り倒したためアトムに破壊されるが、ラム博士の手で更に改造されて生まれ変わる。アトムへの憎悪に駆られたラム博士に命じられて富士山を噴火させるために爆弾実験を行うも、それを止めるために現れたアトムと激戦を繰り広げ、再び破壊されてしまう。しかし今度はラム博士の罠によってアトムは捕えられ、再度修理されたアトラスはアトムそっくりのマスクを被って弟メカと共に日本中の銀行で強盗を行い、アトムの評判を落とすよう命じられる。これにより日本では恐慌が発生する程の被害が生じ、自殺者まで相次ぐほどの大惨事となった。
しかしこれで調子に乗ったアトラスはついにラム博士の命令を無視し、「今まで散々俺達を奴隷扱いしたな」とラム博士を暴行して重傷を負わせる。その後、牢屋を脱走したアトムとの死闘を繰り広げたものの、電磁ネットに叩きつけられて爆発四散した。
ラム博士は「俺は復讐の為に科学を乱用し、科学に復讐された」と自らの過ちを認めながら絶命し、お茶の水博士も「素晴らしい科学者だったのに、その知能を復讐なんかに使わなければ……」と彼の死を悔やんだ。
また、児童誌「小学二年生」に掲載された短編では出自・デザインが後述のアニメ第2作に準じた設定で登場。しかし、アトムの七つの威力に加え「敵におしっこをかけて爆発させる」というしょうもない能力が組み込まれており、アトムに「おしっこはトイレでするもの」と教えられ、ワルプル・ギス男爵邸のトイレで放尿した為に自滅する。敗北後は改心し、アトムと共にワルプル・ギスとスカンク草井を捕らえている。
全編を通じたライバルキャラクターとして登場。初期の頃は赤銅色の肌に金色の髪を持つ悪のアトムというべき姿、それが成長したような青年型ロボットという、原作とは全く異なる姿で描かれた。また、ロボットを道具扱いする人間と敵対したり、馬型のロボットに乗っている点など、原作漫画における青騎士のポジションも兼ねている。
天馬博士の作ったアトムの設計図をスカンク草井が盗み、それを基にワルプル・ギス男爵(原作の青騎士編に登場するブルグ伯爵に酷似した姿の悪人)が作り上げたロボット。アトムにとっては弟にあたる。(しかしなぜか最後の戦いではアトムに「兄さん」と呼ばれていた。おそらくそれは、実際に完成し起動したのはアトラスの方が先であった為とも解釈出来る。なお、本作最終回ではアトムのプロトタイプにあたる少女ロボットニョーカも登場するので、ニョーカからすれば彼も弟にあたる)
天馬博士を敵視していた男爵によって「悪の心」であるオメガ因子を内蔵されていたが、その影響で常識というものを持てず、命令されたことすらロクに果たせずに過ごしていた。一方、ギス男爵の作ったメイドロボ・リビアンを母あるいは姉のように慕っており、ギス伯爵が些細なことから腹いせでリビアンを破壊したことをきっかけとして自我に目覚める。報復としてギス男爵の車を崖から突き落としたものの、反撃のミサイル攻撃により瀕死の重傷を負った為、自らの体を筋骨隆々とした大人の姿に作り変えてしまう。
大人の姿に変貌した後にはエネルギーを吸い取る能力を持つ剣「ゼロブレード」を手に、作り直したリビアンと共に移動要塞「クリスタル」に乗って幾度もアトムに戦いを挑んだ。紙幣とレシートの区別すらつかなかった幼少期とは異なり、タキオンによる通信を自力で開発する、細胞縮小機を発明するなど知能は恐ろしく高い。
終盤では大洪水を起こしたり隕石破壊用に建造された反陽子砲を奪取したりと、標的をアトムから「ロボットを道具としか見ていない人類そのもの」へと変え、大規模なテロ活動を行っていたが、自身がアトムと同じ設計図から作られたことを知って動揺。自らを作ったギス男爵を殺害する。
最後は「自分の意志で人間の命令を無視する」というオメガ因子の作用により、リビアンと共にアトムへの借りを返すために地球侵略しに来た宇宙人と相打ちになる形で宇宙へと散って行った。
余談
アニメ第2作は裏番組に『Dr.スランプアラレちゃん』が存在した(第2作は日本テレビキー局)が、こちらも悪役が製作した丸パクリロボットがいることで有名。
CV:檜山修之
『ASTROBOY鉄腕アトム』に登場。pixivで最も人気なのがこちら。
顔つきこそ原作版アトラスに若干似ているが、アトムと同様に死亡した青年を基に作られており、生前とほぼ同じ姿を持つ通常形態から赤い装甲を纏ったロボット形態に「変身」する機能を備えているなど、やはり原作とは設定や形状が全く異なる。色が赤いのは、「青」騎士や緑色にリ・デザインされたプルートゥに対応しての変更と思われる
天馬博士が徳川財閥の総帥から「息子の徳川ダイチを生き返らせてほしい」と依頼を受けて開発したスーパーロボットで、ダイチの記憶を移植して作られている。しかし、生前のダイチは横暴な父親に反発して暴走族に所属していた不良青年であり、その記憶を受け継いだアトラスも暴走を開始してしまう。
原作及び2作目とは違い、本作のアトラスにはオメガ因子が組み込まれていない。しかし人間だったころの記憶が存在するため、原作でスカンク草井が言っていた通り「良い事も悪い事もできる」完全なロボットである。そのため人間と同じく、命令を無視したり他人を傷つけたりすることもできる。
物語序盤でアトムとの戦いに敗れ消滅したかに見えたが、中盤で悪人に回収されて復活。オメガチップと呼ばれる遠隔操作装置で操られてしまうが、天馬博士の助力によってその支配から逃れる。そして最終章では青騎士やプルートゥと共にロボタニア建国へと協力した。
pixivでは終盤で絡んでいたエプシロンとのコンビイラストも多い。
ハカイダー バイオハンター・シルバ シャドームーン 魔進チェイサー フォルテ
ゼロ・・・こちらも自分の意思で人を傷つける事の出来、良い事も悪い事もできるロボット。オメガというキーワードにも関連している。