天使(DQ10)
てんし
天星郷に住む種族で女神ルティアナの眷属。本作にも実装前から「天使」と名の付くアイテムや装備品、特技が多数登場している。
Ver.6「天星の英雄たち」にて本格登場。アストルティア上空に現れた天空都市「神都フォーリオン」を拠点にさまざまな天使たちが暮らしている。
また、前作の『ドラゴンクエストⅨ』を匂わせる描写が多いのも特徴であり、フォーリオンの民家の本棚には堕天使となった大いなる天使とそれを打倒した平凡な天使の逸話や、師を救いださんとした伝説の天使イザヤールの名が記されている書物もある。
「源世庫パニガルム」というコンテンツでは「旧き世界」の記憶から再現されたエルギオス(の幻影)と対戦することが可能であることから、繋がりを強く感じさせる。
Ver.6のメインヒロインといえるユーライザの部屋の本棚で読める本には「我々をこの世界に招いたのは女神ルティアナではなかったのかもしれない」という記述があり、天使自体はルティアナの創造物ではない(別の世界で生まれ、アストルティアの監視を託された)ことが初期から示唆されていた。
アストルティアの永い歴史を見守り、歴史に多大な影響を与えるような「英雄」の素質のある存在を見極め、その魂を回収することが主な役割。
英雄の条件は強さ、功績等を加味した総合的判断で決められる。
英雄を集める理由は、四天の星巡りという試練を乗り越えさせた上で「神化の儀」を行い、現在力を失っている種族神たちに代わって新たな神々と為すため。
四天の星巡りは英雄の魂を鍛え、高みに到達させるための試練とされる。天星郷に用意された4つの試練場を巡り、それぞれの審判の天使が課す試練をクリアするというものだが、中には私情を挟んで不公平な試練を課す者もいる。
英雄たちはフォーリオンにやってくると己の魂のうつしみといえる「魂の燭台」を所持することになるが、それを神化の光炉に捧げ、そこから生まれた神化の炎を自身の中に取り込むことで神となれる。
天使たちの存在意義と言えるほどの悲願であり、このために長年をかけて入念に準備をしてきたとされる。
その他の業務としては、天星郷の島々を浮遊させ運用する人々の感謝のエネルギーの回収も天使の役割。
かつて感謝のエネルギーがごく僅かしか回収できなかった頃はエネルギーの大半をピラーから賄っていた。
感謝のエネルギーの収集は、『ドラゴンクエストⅨ』の時代に天使たちが人々の感謝のチカラである「星のオーラ」を集めていたことが元ネタと思われる。
この業務はおもにクリュトスが行っている。
破魂の審判
審判の天使たちの中でも「界律課」とよばれる天使たちが受け持っている業務。観測できる世界の存亡を賭けた儀式を行うというもの。
作中では大魔王マデサゴーラによって創られ放置された「偽りのレンダーシア」の存亡を賭けてファビエルとメドナムという二人の天使(選定者)が派遣された。
というのも偽りのレンダーシアは未完のまま創造主を失ったことで存在自体が不安定な世界となっており、放置すると隣接する他の世界に悪影響が及ぶため、この審判を通して滅ぼすか残すか決める必要あったためである。
具体的な内容としては偽レンダーシア滅亡派の代表「滅びの手」とその相棒「滅びの剣」および偽レンダーシア存続派の代表「護りの手」とその相棒「護りの盾」が審判に参加し、滅びの手側が世界にヒズミを発生させ護りの手側がヒズミを消すという形で争う…というゲームのような形式。
ヒズミは破壊神シドーを呼び出す元となり、最終的に滅びの手がシドーの召喚に成功すれば偽レンダーシアは滅び、逆に護りの手が召喚を阻止すればそれを免れるようだ。
本作におけるシドーは不要になった世界を滅ぼすための装置のような扱いとなっており、後にメドナムが「何度も見てきた」と言っていることから、偽りのレンダーシア以前にも複数の世界で審判が行われ、そのうちの幾つかは滅びの手側が勝利し消滅してしまったことがわかる。
なお、破魂の審判は「はごんのしんぱん」と読み、シドーが登場することからもハーゴンを意識したネーミングと思われる。
人間とほぼ同じ外見をしているが背中に翼を持っており空を飛ぶ能力を持つ。足の退化を防ぐために階段なども意識的に使用しているようである。
食事や睡眠は必要ないが娯楽としてたしなむことはでき、アストルティアの食物などに興味を示す者もおり、フェディーラは特に料理に精通していることがわかる。
性別はあるようだが生殖は行わず、家族という概念がない。ただし、ヘルヴェルとユーライザのように疑似家族のような関係を築く天使もいる。
寿命は他の種族らよりも遥かに長命であるが、不死というわけではなく、死去すると魂は聖天舎の奥地にある「転生の園」に還り、また新たな命として転生の園に生えている花から誕生する。
生まれたばかりの天使は人間の赤子と同様の姿であり、取り上げた者が名付け親となる模様。
以上の流れはVer.6.4にて詳しく明かされ、元々は死んだ天使の魂は天魂石の中で安らかに眠るとされたが、エルフの神エルドナが世界樹の花の創生のチカラを用いて転生を可能としたことが判明した。
このようにアストルティアの生物とは生態も歴史も大きく異なるためか価値観も異なり、またアストルティアを神の視点から見守って来たためか全体的にプライドが高い性質を備える。
中には、地上種族を格下の動物のように見るなど傲慢とも受け取れる言動をとる者も。
女神であるルティアナへの信仰心は非常に強いためか、魔界や魔族に対する嫌悪の感情は非常に強い(ただし、ルティアナ自身は魔界に住む者のことも我が子のように思っている)。
作中では、主人公の異界滅神ジャゴヌバを討伐し、アストルティア・魔界双方の信頼を得て両世界の関係改善の第一歩を踏み出したという、神々がいた時代でもなし得なかった前人未到の大功績を残しているが、天星郷でそれを取り上げられることはほとんどない。
それどころか大魔王に就任したという事実が大きくヘイトを買っており、更に(天使から見れば)勝手にルティアナを復活させてジャゴヌバにぶつけたがために彼女を死に至らしめる原因を作ったとして「ルティアナ様を殺した」と親の仇のごとく恨む者もいる。
その後のストーリーでは、これは黒幕たちに利用されていたヘルヴェルにより意図的に悪評を広められたことが原因であることが判明する。
ただし、真実が広まった後も一部には「大魔王なのだから神殺しもありうると疑われるのは仕方がない」と開き直る者や、「ヘルヴェル様を唆したのだろう」と強硬な態度を崩さない者もいる。
天使たちのこういった不遜な態度はプレイヤーのフラストレーションを溜める原因となってしまっている。
さすがに英雄たちも思うところがあるようで、ラダ・ガートは露骨に反感を抱いている様子が見られる。
また深淵の咎人たちの絶念のアウルモッドも彼らに絶望しているとされる。
天使の光輪
Ver.6.4ストーリーにおいて現在の天使の出自が判明。
とこしえのゆりかごから脱出した人間が長い航海を続けるにあたって生き延びるため女神ルティアナから果実を与えられ、天使へと作り替えられた。
即ち(とこしえのゆりかごの)人間が天使となり、その天使の姿を基に人間種族が生み出されたことになる。もっとも、とこしえのゆりかごの唯一の生き証人であるテトラルが完全に人間であるため、伏線は張ってあった。
光輪のある純粋な天使は「旧き世の天使」と呼ばれ、生き残ったのはレクタリスのみ。
とこしえのゆりかごこと「果ての大地ゼニアス」を守る天使たちのこと。前述の通りレクタリスもこの種族である。
元々は『ドラゴンクエストⅨ』の天使たちであり、一部の天使を除いて星空の守り人となったはずであるが、再び創造されたことが語られている(おそらくジア・クト念晶体から人類を守るため)。
『Ⅸ』の天使と異なるのは、人間にも姿が見える点と、光輪を失うと命を落としてしまう点。また、創世の力を色濃く宿しており、天使の力を奪うことで生命や物質を創り出す能力を得ることができる。
アストルティアの天使たちとは異なり、他種族への蔑視や偏見は見られず、むしろ彼らを愛し命がけで守ることに尽力している様子が描かれている。
メタ的に言うならver6の天使が人格及び能力としては「上位者ぶっている癖にいざという時主人公たち任せで何の役にも立たない口だけの無能なうえ過ちも認めない」、観測者としては「英雄の行動に後から難癖をつけるだけ」など良くも悪くも(その出自もあって)人間臭く、特に前verまでで関係を持ったキャラ達(特に彼)の「その場、その人物の視点ではそうするしかなかった行動」「気持ちは大いにわかる行動」を論い否定しており、ヘイトを買い過ぎて嫌われためその反省として「世界の庇護者」の役割に特化させたのだと思われる)
その他
- アラクレス
- 天使オルガノ
- 天使ソイル