概要
大阪府や京都府北部に伝わる怪火。妖怪画では炎の中に老婆の顔が描かれる。
河内(大阪府)の枚岡神社では雨の振る夜に1尺(約30cm)ばかりの火が飛び回るといい、これを見て驚かない者はいなかったという。江戸時代までは有名な怪火だったらしく、枚岡神社の神灯の油を盗んだ老婆の亡霊が怪火になったものだとされる。
地元の者がこの辺りを歩いていた所、姥ヶ火が顔に飛んできた。そのまま倒れてよく姥ヶ火の正体を見ると鶏に似た鳥だったという。また、飛び去る際には火の玉のようになっていた。水木しげるは「正体は鳥だったのかもしれない」としている。
老婆が火になる話は丹波(京都府北部)にもあり、幼児を攫っては売り飛ばしていた老婆が、死後に火となって現れるという。いずれも罪を犯した老婆がなるもののようだ。
創作での扱い
- 水木しげる作品
水木しげるの妖怪画では青くて丸い炎の中に老婆の顔があるデザイン。
漫画では「釣瓶火」らと共に妖怪の天敵である「ヒ一族」の家を燃やそうと向かったが、気づかれて失敗。その後総力戦となった際にも出撃している。ここでは鳥山石燕の妖怪画の姿である。
アニメゲゲゲの鬼太郎では3期と4期と5期と6期に登場する。水木しげるの妖怪画の姿で登場するのは3期と4期と6期で、5期は石燕の妖怪画の姿である。
3期では「炎の妖怪五人衆」の一員(人じゃないけど…)、体色はピンク色。35話の赤舌の退治の際に呼ばれる。声が甲高い。
また、劇場版である「最強妖怪軍団!日本上陸‼」では紙の精への対抗手段として登場。
『憎いぃぃ…憎いぃぃ…憎たらしいぃぃぃ…!!!』
CV:伊倉一恵(4期)
4期は50話に登場。「男に捨てられた女の情念が化けた妖怪」と設定が変えられており、クリスマスにイチャつくカップル目掛けて嫉妬すると共に炎を吹き出し、火事騒ぎを起こしていた。体色は赤。味方だった前期とは打って変わって敵である。
実体のない炎であるため、鬼太郎のリモコン下駄が通じず、髪の毛針も噴射した炎に押し返される始末(ねずみ男は小便をかけようとしたが返り討ちにあった)。最後はねずみ男が連れてきていた吹き消し婆によって空の彼方まで吹き飛ばされるが、鬼太郎の力ではどうにもならなかった妖怪であった。ちなみに、姥ヶ火が起こした火事を消して回っていた吹き消し婆とは火に対する考えの違いのため犬猿の仲である。
『ハハハハハ!逃げても無駄だよ、隠れるとこなんかありゃしないよ!』
その後、106話で鬼太郎の悪夢の中に登場し、散々鬼太郎を追い回した挙句に右腕に噛み付き、鬼太郎の体中に火傷を作った。起きた鬼太郎の右腕には噛み痕がついていた。実はこの姥ヶ火は百々爺が鬼太郎を「妖怪ノイローゼ」に陥れるための妖術である。
5期では妖怪大運動会の参加者として登場。公式ホームページでも姿が確認でき、体色は青。
6期では7話「幽霊電車」の乗務員室から飛び出す妖怪の一体として登場。デザインは4期の姥ヶ火を踏襲している(一緒に飛び出したお歯黒べったり等の妖怪は5期のデザインを踏襲していた)。