概要
『この素晴らしい世界に祝福を!』(このすば)と同じく小説家になろうで連載されていたweb小説。2017年11月から角川スニーカー文庫にて書籍化。イラストはカカオ・ランタン。
世界征服を企む悪の秘密結社が、地球以外の惑星にも侵略の手を広げるという一風変わったストーリーが特徴であり、SFとファンタジーがガチンコバトルするような内容となっている。
一方で話の主軸は、このすば同様「ダメな方向に個性的なキャラクター達が織りなすドタバタ珍騒動」となっており、この手の作品にありがちな「すごい科学技術を持った現代人達が異世界で無双する」ようなご都合主義はあまりなく、むしろ失敗ばかり。
「大した旨味もない危険な任務に派遣されて四苦八苦する」展開の方が色濃く成されており、「なろう系」のテンプレートには当てはまらない作風となっている。
漫画化されているほか、テレビアニメも放送された。後述。
あらすじ
数多のヒーローを倒し、世界征服を目前にしている悪の秘密結社キサラギという胡散臭い会社があった。
その会社幹部らは、更なる侵略地の先兵として、ベテラン戦士である戦闘員六号を相棒のアンドロイドと共に他の惑星に派遣することに。
だが、潜入先で六号は神事の言葉を卑猥なものに変えたり、同じ隊員のおっぱいをついつい揉んでしまったりと、ろくでもない行動を起こしてばかり。
類は友を呼ぶのか、現地で仲間になる者達も、ヘタレ騎士に腹ペこキメラや行かず後家大司教など、なにかと悪目立ちする面々だらけであった。
そんな中、侵略対象の土地を荒らす魔王軍を名乗る同業者が攻め込んでくることに。その知らせは、街中で痴漢行為を行い、悪の徳を積んでいた主人公に伝えられ――。
「世界に悪の組織は二つもいらねぇんだよ!」
現代兵器を駆使し、新世界進撃が始まる(?)のであった。
登場人物
CV:白井悠介
本作の主人公。アリスと共に地球によく似た惑星を侵略していく。
まだ若いが高校生の頃からキサラギで働いている最古参で、能力及び実績も文句無しの非常に優秀な構成員だが、頭が悪くクズのわりにお人好しなのでセコい悪事しかできないため、万年下っ端戦闘員に甘んじ続けている。
CV:富田美憂
キサラギ社製の高性能アンドロイド。見た目はかわいらしい少女だが、高性能な頭脳と体内に自爆機能を有し、かなりの毒舌。戦闘面以外が色々とお粗末な六号をあの手この手でサポートしているウルトラ有能美少女。
その他構成員は、下記キサラギの記事を参照。
グレイス王国
CV:菊池紗矢香
グレイス王国近衛騎士団の隊長。スラムのみなしごから近衛騎士団の隊長まで登り詰めた努力家であるが、そのため出世欲が強く、手柄の取り分にうるさい。
CV:村上奈津実
食いしん坊なキメラ娘で、創造主であるおじいちゃんからの遺言を大切にするあまりに言動が痛い。カー〇ィのように食った者の力をコピーできる。
CV:髙橋ミナミ
不死と災いを司る邪神を信奉するゼナリス教の大司教。様々な呪いを行使できるが、自身もその反動で車椅子生活かつ行き遅れ。
CV:前田佳織里
グレイス王国のお姫様。国の実質的な政治は彼女が担っている。
ロクでもないキサラギや部下達に毎度悩まされているが、自身も結構な腹黒。
- 勇者
CV:佐藤元
本名不明。グレイス王国の王子。故郷を守るために戦っていたのだが、魔王軍の大幹部の攻撃に巻き込まれて異世界に飛ばされてしまい、現在行方不明。
魔王軍
魔王軍を率いる銀髪の美少女。真面目過ぎる性格で自己犠牲もいとわない。実は代替わりしたばかりで魔王になったのはつい最近。
CV:瀬戸麻沙美
魔王軍四天王の幹部。ナイスバディな悪魔っ娘。褐色亜人マニアが狂喜乱舞しそうな見た目で、六号と会うたびにセクハラされている。本作屈指の被害者枠であり、何かと不憫な目に遭っている。
CV:伊藤美来
魔王軍四天王の幹部。ロゼの同族であるキメラ少年。男の娘マニアが狂喜乱舞しそうな見た目で、とっ捕まった後にトラ男などからコスプレをさせられている。魔王軍の不憫枠第二号。
CV:山本兼平
魔王軍四天王の幹部。粗暴な性格をしたデーモンの男性。高い戦闘力と死霊術を併せ持つが、脳筋なため活かせていない。
CV:柳田淳一
魔王軍四天王の幹部の一人。勇者を道連れに転移し、現在行方不明。
世界観解説
日本に本部を持つ悪の秘密結社。詳細は該当記事を参照。
- 悪行ポイント
読んで字の如く、悪行を積んだら貰えるポイントのこと。キサラギの構成員達はこの悪行ポイントに応じて武器や物資を転送して貰うことが出来るため、こぞって悪事を重ねている。
ただし悪事といっても際限があり、性暴力や子供に危害を加えるといった行いは禁止されている。何を持って悪とするかは曖昧であり、頭痛がするほどしょうもないイタズラであっても悪事として加算されることもある。
- 六号が派遣された惑星
名称が無いので劇中では単に他惑星と呼ばれている。剣と魔法がモノを言うファンタジー世界ではあるが、そこかしこに古代遺物(アーティファクト)と呼ばれる地球の先端技術をも上回る先史文明の遺産が転がっており、ちぐはぐで謎が多い世界。
強大なモンスターや過酷極まりない自然環境といった、不自然なほど攻撃的な生態系が広がっている危険な惑星であり、人類や魔族達は居住可能な狭い地域で細々と暮らしており、手つかずの荒野と大森林が広がっている。
ある意味六号達最大の敵は、この惑星の環境そのものである。
- グレイス王国
戦闘員六号が身を寄せている城塞都市国家。魔王軍と戦争状態にあり、長年にわたる戦闘のせいで男性が不足しており、女性が騎士や兵士として普通に登用されている。六号達はこの国を拠点として惑星侵略の足がかりを作ろうとしているが、魔王軍という共通の敵がいることもあって持ちつ持たれつの関係となっている。
- 魔王軍
グレイス王国と戦争をしている魔族の組織。魔王を頂点とした軍事国家であり、4人の大幹部がそれぞれ軍団を率いる等、組織体系や文化などにキサラギと共通点が多く、六号達からは商売敵として認識されている。
環境が悪化し国土が砂漠化したために生活資源を求めて近隣諸国に侵攻しており、彼等もまたこの惑星の過酷な環境に苦しめられている存在と言える。
- アーティファクト
この惑星のそこかしこに存在する古代遺物の総称。非常に高度な科学技術によって生み出された代物であり、剣と魔法に生きるこの世界の住人達には扱いきれない存在。
その技術レベルは地球の最先端科学を誇るキサラギの水準すら凌駕しており、先史文明が滅びた後も、この惑星の人々の暮らしに影響を与えている。
コミカライズ
コミックアライブにて2018年5月号から連載された。作画は鬼麻正明。
単行本は2024年時点で12巻まで刊行されたが、原作第一部を描ききったことで一旦連載は終了。第二部を描くかどうかは未定とのこと。
テレビアニメ
2021年4月からテレビアニメ化されることになった。
AT-X、TOKYOMX、BS日テレにて放送された。また、dアニメストアで最速配信された。
スタッフ
関連動画
第1弾
第2弾
関連タグ
暁なつめ 小説家になろう 角川スニーカー文庫 コミックアライブ 2021年春アニメ
某バッタ型ヒーロー:作中の発言によると存在するらしい。ちなみにキサラギの戦闘員のフェイスペインティングも…