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村西とおる

むらにしとおる

「アダルトビデオ(AV)の帝王」、「ハメ撮りの帝王」の異名を持つ。ナイスですねぇ!
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日本のAV監督、実業家。前科7犯という事でも分かるように様々な破天荒なエピソードでも知られ、それを題材にした作品も存在する。「ナイスですねぇ!」「ファンタスティック!」「エクスタシィー!」「お待たせいたしました、お待たせし過ぎたかもしれません」などのフレーズでも有名である。

概要

1948年9月9日、福島県いわき市出身。本名は草野 博美(くさの ひろみ)。


福島県立勿来工業高等学校卒業後、上京。英会話教材のセールスマンなどを経たのちに、裏本の制作・販売業に転じ、北大神田書店グループの会長に就任。全盛期の頃は札幌東警察署の隣に店舗を出店していたという。


1983年には自ら経営する出版社・新英出版より写真週刊誌『スクランブルPHOTO』を創刊した(編集長は本橋信宏)が、創刊からわずか10号で廃刊。村西自身も猥褻図画販売容疑で指名手配・逃亡の後、1984年3月に逮捕。懲役1年5か月、執行猶予4年の有罪判決を受けた。


1984年秋に保釈。北大神田書店グループの解散を経てAV監督に進出。この時に初めて「村西とおる」という芸名を使用するようになる。


1985年11月に発売したドキュメント路線の立川ひとみ主演「恥辱の女」が専門誌「ビデオ・ザ・ワールド」の選評でその年の1位を獲得する評判を呼ぶ。


1986年にはテレビ番組などで取り上げられ知名度を上げるが、職業安定法・児童福祉法違反容疑で逮捕。17歳の少女を出演させたとされるもので、後に処分保留で釈放されている。


1986年12月にはハワイでのロケ中(セスナ2機をパールハーバー上で並行飛行させ、スカイセックスの撮影を行う)に、かねてから、自国内での村西の動向を監視していたFBI特別捜査チームに一義的に「旅券法違反」の容疑で逮捕され、後に総量刑を懲役370年として求刑され半年以上かつ1億円以上の弁護・司法取引費用を費やして勾留・法廷闘争が行われた。


1988年4月には、17歳の少女をAVに出演させて児童福祉法違反容疑で逮捕。罰金30万円の有罪判決を受けた。同年7月には1989年第15回参議院通常選挙の出馬を宣言。9月には「全日本ナイス党」を結党したものの、結党式の翌日に16歳の少女を出演させたとして児童福祉法違反容疑で警視庁・麹町署に逮捕され、懲役1年、執行猶予5年の判決を受けた。


1988年9月に、ダイヤモンド映像を設立。村西は事実上のオーナーだったが、代表取締役には就いていない。


桜樹ルイら一時は10名以上の専属女優を抱え、目黒区青葉台、代々木上原に構えたダイヤモンド映像本社でスタッフと女優と共同生活を送る。黒木香の店(いわゆるタレントショップ)として渋谷東急文化村付近には高級焼肉店「香貴店」を出店した。


さらに日本ビデオ映画を設立し、本名の草野博美名義でかとうれいこ、本田美奈子、飯島直子、秋本奈緒美、横須賀昌美など一般のタレントを起用して、1990年から1992年にかけてビデオ映画の製作に進出。また、パワースポーツ企画販売ではアイドルのイメージビデオを手がけた。その他のグループ企業にはビックマンとビックマン販売がある。しかし、ビデオ映画の経営は失敗。過剰な不動産投資、通信衛星放送事業への過大投資などによって、ダイヤモンド映像は1992年に約50億円の負債を抱えて倒産した。


1994年4月からアナログ方式のCSテレビ(コアテック方式スクランブル)でダイヤモンドチャンネルの本放送を開始。月額3,500円の受信料を払って1日8時間放送のアダルトビデオを見るシステムだった。1996年夏に放送を中止。同時期には京都ローカルのKBS京都で『アイドルお嬢様』というテレビ番組を放送したり、新宿歌舞伎町でショーパブを経営していた。


1994年12月からはビデオ安売王(日本ビデオ販売)と契約してセル専用のアダルトビデオを制作した。日本ビデオ販売はほどなくして倒産。その後、株式会社日本映画新でビデオ制作を再開したものの、作品の多くはダイヤモンド映像時代の二次使用が主体であり、まもなく解散。1996年にはいち早くDVDによるアダルト向け作品を発売した。


2007年からはニューシネマジャパンで、過去の作品の販売などを中心に活動している。2012年には心臓の病で緊急入院し、生死の境を彷徨うが奇跡的に一命を取り留め、事業失敗による50億円の借金に関しては2013年をもって完済した。2014年からは保守論壇雑誌として知られる月刊WiLLにてコラム『村西とおるの人生相談「人間だもの」』を連載開始。2016年には月刊Hanadaへ移動した。


同年には本橋信宏著の700頁に及ぶ評伝『全裸監督 村西とおる伝』(太田出版)が刊行。翌2017年の第39回講談社ノンフィクション賞の最終候補作となった。


2019年には上述の評伝が『全裸監督』と題しNetflixオリジナルドラマとしてドラマ化。再びテレビ番組で村西の特集が組まれるなど注目され、斉藤慎二草彅剛によってパロディにされたり、長澤まさみ斎藤工桑田佳祐太田光など多くの著名人が視聴した事を公言するなど話題となった。


2020年末には『絶対に笑ってはいけない大貧民GoToラスベガス24時!』(日本テレビ、2020年12月31日放送)に出演し、前述の草なぎ剛および斉藤慎二と共演を果たした。


人物・エピソード

政治信条は保守寄りであり、度々自説を語っている。また、出身地である事もあって東日本大震災および福島第一原子力発電所事故の発生以降噴出した福島県へのネガティブな印象それを流す勢力を批判する発言をTwitterで度々行っている。


ジャニーズ事務所の経営方針やジャニー喜多川の所属タレントへの猥褻な行為を批判している。一方で当時ジャニーズに所属していた長瀬智也が主演した映画『空飛ぶタイヤ』を肯定的に評価したり、退所した北公次や草なぎ剛を気にかけたりもしている。


『全裸監督』では山田孝之が村西の役を務めている。これは書籍版を読んだ山田本人からの立候補であった。ちなみに村西は当初自身の役の候補として福山雅治を挙げていた。しかし周囲は山田を推しており、最終的に村西は納得して受け入れた。


前述の通りAV好きとして知られる桑田佳祐は『全裸監督』を観たことを度々ラジオや連載で口にし、村西への敬意を語っている。また、村西は『空飛ぶタイヤ』の主題歌「闘う戦士たちへ愛を込めて」を「秀逸でした」とTwitterで評価している。


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