概要
兵庫県宝塚市大字玉瀬字イズリハにある、JR西日本福知山線(JR宝塚線)の駅(JR-G59)。
宝塚市最北端の駅だが、宝塚駅との間にある生瀬駅と西宮名塩駅が西宮市塩瀬地域にあるため、宝塚市内の他の駅群からは2度市境を跨ぐ上、かなり離れている。
現在の駅は1986年8月、宝塚駅〜三田駅間の路線付け替えにともない設けられたもので、それまでは現駅の真下を直角に潜り抜ける武庫川の沿道が、福知山線の開業当初からの線路であった。当駅周辺は山間の狭いV字谷であり、建設工事や落石防止などの護岸工事、保線作業にかなりの手間がかけられていた。実は福知山線の大半のトンネルは当駅周辺に集中しており、現在でも当時の護岸工事の痕跡が多数存在する。
旧線跡は2016年11月15日から、正式な遊歩道として一般開放されている。
当初、この旧線跡は旧国鉄〜JR西日本により「立入禁止」の措置が執られ、また土砂災害の危険性も孕んでいることもあり、勝手に立ち入らないよう入口に柵が設置されていたが、旧線沿いは風光明媚な景色もあったことなどから、隠れたハイキングコースとして知られるようになり、無断立ち入りによるハイキング利用が横行。1990年にハイカーが自己責任を負うことを条件に開放された。その後2008年には、ハイカーの転落死亡事故が発生している。
2016年5月からは再度閉鎖になったが、これは整備のための一時的な措置で、前述の通り半年後に、公式に開放されたのである。
なお、ハイキングコースとなっている廃線跡には途中に自動販売機やトイレはないばかりか、所々に有るトンネル内には照明もない。このため、懐中電燈などの照明器具を持参する必要がある。
駅構造
相対式ホーム2面2線の高架駅。南の第2武庫川橋梁と、北の第1武田尾トンネルに挟まれている。
宝塚駅管理下の無人駅。
宝塚市内にある駅で唯一、バリアフリー設備を持っていない。同市内の駅で、現在エレベータ未設置の駅は他に阪急電鉄宝塚本線の売布神社駅と清荒神駅があるが、どちらも地上駅かつ、上下別に改札口がある(ちなみに売布神社駅は改札内での上下ホーム間移動が不可能)ため、当駅とは事情が異なる。
利用状況
兵庫県統計書、および西宮市統計書によると、2020年度の1日平均乗車人員は478人(降車客含まず)である。
隣の駅
駅番号の「JR-」は省略。
種別 | 尼崎方面 | 三田方面 | |
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快速 | 通過 | ||
| 西宮名塩駅(G58) | 当駅 | 道場駅(G60) |
余談
当駅が所在する大字「玉瀬」は、1955年に同市に編入されるまでは武庫郡西谷村にあった。また小字の「イズリハ」は漢字で書くと「出灰」となり、こちらは大阪府高槻市の大字出灰、およびその隣の京都市西京区大原野出灰町にその名がある。