概要
兵庫県宝塚市にあるJR宝塚線(福知山線)と阪急電鉄宝塚本線・今津北線の駅。
JRの駅は川面五丁目、阪急の駅は栄町二丁目に置かれる。
武庫川の対岸は鎌倉時代から続く温泉街で、現在はホテル若水をはじめ数件のみの営業にとどまるが、阪神淡路大震災以前には、宝塚グランドホテルをはじめ、さらに多くの旅館群が軒を連ねていた。
JR西日本(JR-G56)
地上駅で、単式・島式ホーム複合の2面3線。1番のりばが下り本線、3番のりばが上り本線である。中線の2番のりばは両方向から出入りが可能で、大阪・北新地方面へ折り返す電車と快速・特急「こうのとり」との接続待ちを行う電車が使用する。国鉄時代は2番のりばに三田方面行きの列車が入り、後続の特急列車を先に通す運用があった。
福知山線が電化されていなかった時代は、相対式2面2線に中線が1本あったが、1981年に尼崎から当駅まで電化されると同時に現在の単式・島式複合型2面3線となった。1986年に全線電化されるまでは改札制限が行われたため、旧駅舎コンコースには待合室を兼ねたベンチがあった。
2008年までは戦前からの駅舎が使われ、地上ホームは跨線橋で結ばれていた。2005年4月26日に脱線事故が発生し、同年6月18日まで当駅-尼崎間が不通となり、三田からの電車が当駅で折り返した。折り返しができるのが2番のりばのみであり、ラッシュ時には跨線橋が乗客であふれかえる事態になった。旧駅舎に接続していた1番のりばの線路の上に仮設ホームを設置し、2番のりばの線路を1番のりばとした。6月17日にその仮設ホームが撤去された。
跨線橋にエレベーターもエスカレーターもなく、バリアフリー面の課題があったため、2006年6月に橋上駅舎化工事を開始。2007年9月1日にエレベーター付きの仮跨線橋が設置された。2008年4月12日には70年以上使用していた駅舎を閉鎖し、仮駅舎に移転。長距離特急・急行が停車していた時代の名残である有効長の長いホームを活かし、列車の停車位置を三田寄りに移動して駅の営業に支障が出ないようにした。
2010年2月20日に新たな駅舎が完成した。外観はレンガ調で、改札口前にシャンデリアが設置された。コンコース階には2010年3月8日に開業した「エキマルシェ宝塚」があり、駅北側の「ソリオきたユニベール」とも連絡している。旧駅舎の解体後は、島式2面4線に拡張できる構造となっているが、まだ拡張工事の動きはない。
朝は大阪方面への電車の本数が多い。日中は1時間に8本の電車が発着する(丹波路快速を含む快速と普通電車がそれぞれ4本で、2本の快速電車が当駅で折り返し)。夕方には福知山行きも発着する。朝夕のみJR東西線に直通する快速が設定されている。
車両の夜間留置は行われず、北伊丹駅まで回送される。
補足
当駅前には阪神バスが甲子園駅および阪神尼崎駅より乗り入れてくる。これはかつて計画されていた尼宝電鉄の名残。
阪急電鉄(HK-56)
頭端式2面4線を有する高架駅で、2路線の終着駅。ホームは10両編成対応だが、現在のダイヤでは10両で発着する電車はない。
1・2号線ホームは今津北線、3・4号線ホームは宝塚本線のホームだが、平日ダイヤの10時(9時56分発)~17時および土日祝日ダイヤの9時(9時6分発)~19時(阪神競馬場での競馬開催日は15時46分)の間は、宝塚本線・今津北線の相互乗り換えの利便性を図るため、3号線に今津北線、4号線に宝塚本線の電車が発着する。このため、のりばの番号もLEDが使われている特殊な発車標がある。1・2号線のホームが閉鎖されている時間帯は、1・2号線ホーム側の発車標ののりば番号に何も表示されない。今津北線の電車が1・2号線に発着している時間帯でも、ホームの西端を利用することで2階を経由しなくても宝塚本線・今津北線の相互乗り換えができる。
地上駅時代は今津北線が1本、宝塚本線が2本の2面3線ホームで、はじめ宝塚本線のホームは乗車ホームと降車ホームに分かれた。宝塚本線の電車は乗客を降ろした後に引き上げ線に入り、乗車ホームに入っていたが、1960年代に乗降分離は廃止された。今津北線ホームは6両分だったため、朝の当駅発今津北線経由の準急梅田行きは宝塚本線ホームから発車した。
平日初電~10時、17時~終電 / 土日祝初電~9時、19時(競馬開催日は15時56分)~終電
のりば | 路線 | 行き先 |
---|---|---|
1・2 | 今津北線 |
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3・4 | 宝塚本線 |
|
今津線では土曜の朝、夏休み・冬休みなど沿線学校が休校の日に運転しない電車が数本ある。
平日10時~17時 / 土日祝9時~19時(競馬開催日は15時46分)
のりば | 路線 | 行き先 |
---|---|---|
1・2 | 使用しない | |
3 | 今津北線 |
|
4 | 宝塚本線 |
|
日中は3号線から今津北線普通西宮北口行き、4号線から宝塚本線急行大阪梅田行きが10分ごとに発車する。
補足
2014年3月21日から発車メロディとして、宝塚本線は「すみれの花咲く頃」、今津北線は「鉄腕アトム」が使用されている。
これら2曲はJR東日本でも(前者は現在白岡駅や新白岡駅で、後者は高田馬場駅と新座駅で)使われているが、どちらもJR東日本版とはアレンジがまったく異なる。
奇しくもこの2014年は宝塚歌劇団の前身「宝塚唱歌隊」初演100周年と、宝塚市政60周年、さらに現在の宝塚市で育った「鉄腕アトム」の原作者・手塚治虫の没後25年の節目の年でもあった。
また、看板上の表記は「宝塚駅」となっている(「塚」の画数が1画多い)。
宝塚本線の前身・箕面有馬電気軌道は最終的に有馬温泉を目指していたものの、地形が険しいこともあり、かなわなかった。当駅からはその有馬温泉へ阪急バスが鎌倉峡経由と蓬莱峡経由の2路線出るが、本数が多いのは北回りの鎌倉峡経由で、蓬莱峡経由は毎時1回程度。
利用状況
JR西日本
- 2022年(令和4年)度の1日平均乗車人員は22,916人である。
- JR宝塚線の駅では尼崎駅に次いで第2位。
阪急電鉄
利用状況比較表
事業者名 | JR西日本 | 阪急電鉄 | |
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年度 | 乗車人員 | 乗降人員 | 乗降人員 |
2008年(平成20年)度 | 31,305人 | 62,610人 | 49,099人 |
2009年(平成21年)度 | 30,949人 | 61,898人 | 44,795人 |
2010年(平成22年)度 | 31,837人 | 63,674人 | 46,626人 |
2011年(平成23年)度 | 32,487人 | 64,974人 | 49,457人 |
2012年(平成24年)度 | 33,031人 | 66,062人 | 50,021人 |
2013年(平成25年)度 | 33,609人 | 67,218人 | 50,048人 |
2014年(平成26年)度 | 32,552人 | 65,104人 | 50,301人 |
2015年(平成27年)度 | 32,512人 | 65,024人 | 49,909人 |
2016年(平成28年)度 | 32,318人 | 64,636人 | 46,061人 |
2017年(平成29年)度 | 32,174人 | 64,348人 | 49,593人 |
2018年(平成30年)度 | 31,164人 | 62,328人 | 48,483人 |
2019年(令和元年)度 | 29,710人 | 59,420人 | 48,894人 |
2020年(令和2年)度 | 22,798人 | 45,596人 | 35,752人 |
2021年(令和3年)度 | 22,167人 | 44,334人 | 38,038人 |
2022年(令和4年)度 | 22,916人 | 45,832人 | 39,824人 |
隣の駅
JR西日本 | ||||
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JR宝塚線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
| 中山寺駅 | 宝塚駅 | 西宮名塩駅 | |
| 中山寺駅 | 宝塚駅 | 生瀬駅 | |
阪急電鉄 | ||||
宝塚本線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
準急 | 宝塚駅 | 清荒神駅 | 朝大阪梅田方面のみ。 | |
| 清荒神駅 | 宝塚駅 | ||
今津北線 | ||||
種別 | 前の駅 | 当駅 | 次の駅 | 備考 |
準急 | 宝塚駅 | 宝塚南口駅 | 朝大阪梅田方面のみ。 | |
普通 | 宝塚駅 | 宝塚南口駅 |