(ドドド ドッドッド ドン!)
「誰が至強か!?」「誰が至強か!?」
『 汗 明 !!』
CV:田中美央
概要
楚の大将軍。
大柄な体躯とその圧倒的な戦いぶりから「楚の巨人」という異名を持っている。
初陣から無敗の経歴があり、自らを天の気まぐれによって生み落された超越者と呼び、強者と自負する敵対者を「勘違い」と戒めるべく正面から叩き潰すことを責務としている。
先端が極端に沿った形をした剣や、大錘や巨大な分銅を使って戦う。巨漢ばかりで構成された精鋭部隊「巨暴大騎兵団」を有する。
かつて人知れずに楚に侵攻した秦の六大将軍の一人・王齕を撃退したと豪語していた。
公式ガイドブック『覇道列紀』によると、この時の汗明は副将で、総大将・項燕の指示で王齕を迎え撃ったとのこと。
また同誌にはカニのような頭と記述されているが、公式ガイドブック『戦国七雄人物録』ではカニアレルギーであるという(余談だが、中華では紀元前からカニを食べる文化があった)。
魏・燕・韓・趙との合従軍において楚軍の総大将を務め、函谷関の戦いで開戦の口上を担った。太鼓と部下の大合声からの名乗り(所謂汗明音頭)は読者にシリアスな笑いをもたらした。ちなみに、什虎の千斗雲からは「ドドンドおじさん」と呼ばれている。
しかし、その強さは決して大言壮語の類ではなく、紛れもない本物。楚をよく知る昌平君からも警戒され、下記の策を蒙武に託すほど。
ただし本人はこの強さに驕っており、「『つまらぬ』だ」という無性に読者もイラつかせる顔での一言が彼の価値観をよく表している。
その武力と剛力は蒙武をして「生涯で初めて全力を出すことができる相手」と認めている。
函谷関戦では、十五日目に蒙武軍を迎撃。
蒙武の進軍を「稚拙な策略」と見なして笑っていたが、実際は「蒙武が一騎打ちで汗明を討つ」という、親友・蒙武の武力を信じた昌平君の策であった。
だが、広大な楚の地で前線に立ち培ってきた汗明の武力は、楚軍大将に相応しく「今の」蒙武では太刀打ちできず、自らも片手を骨が見えるほど激しく骨折する深手を負いながらも、全力を出した蒙武すらも返り討ちにしかける。
しかし、一騎打ちに乱入した(実際には媧燐の指示で蒙武を奇襲しようとした媧偃に気付き止めようとした)蒙恬を「一騎打ちの邪魔をする下郎」と切り捨てたことで、息子を傷つけられたことで激怒した蒙武が限界を超えた力を発揮。
反撃で顔を半分失い、なおも「最強は汗明…」と朦朧とした状態で抗弁するが、トドメに頭を潰されて今度こそ死亡した。
史実
史実の汗明は、武人とは真逆の弁の立つ遊説家で、春申君と謁見して彼に取り入ろうとしていた。「英才が世に用いられないこと」を意味する「塩車の憾み」の故事成語の起源となる。
余談
ちなみに汗明音頭はアニメ第3シリーズのオリジナルサウンドトラックでは「至強汗明」として再現され、「第1回名言総選挙」においても候補となっているように、公式が明らかにネタにしているのが分かる。
しかし総選挙の台詞はそもそも汗明が言った訳では無く、あくまで部下の檄なのだが。
アニメ版の担当声優である田中氏は、実写映画では渕を演じており、『キングダム』のアニメと実写映画に参加する数少ない御人である。