「受け止めろ、秦!長平40万の恨みを…!」
CV:武藤正史
演:山田裕貴
概要
ギョロ目に長い白髪と黒い歯を持ち、吃音のようなどもった喋り方をする。波打ったような独特の剣を用いる。
その素性は、趙が秦に大敗し、六大将軍の一人・白起によって趙兵捕虜40万が秦軍に殺害された「長平の戦い」の生き残り。
父と兄と共に生き埋めにされ、自身のみ地中から這い出ることに成功するも、苦痛と恨みで現在の姿になった。
また万極の部隊は「長平の遺児」で構成されており(実際に万極の回想では彼以外にも地中から這い出て絶望した人物が何人かいる)、趙国は秦への憎悪は元々強いものの、彼の部隊は「異常」と評してもおかしくないほどである。
趙による長平の恨みの象徴とも呼べる人物であり、秦国そのものへの異様なまでの恨みから、平時であっても秦の領土に攻め入り虐殺を繰り返している。昌平君いわく、咸陽に近づけたくない要注意人物の一人。
河了貂は彼を「長平の復讐と称して虐殺目的で戦争をしてる最低の異常者」と評した。
趙による秦侵攻戦で龐煖に従って総大将代理の趙荘、他の副将公孫龍、渉孟、李白、馮忌と共に秦に侵攻。前線地帯の馬央を陥落させ、赤子まで含む徹底した殺戮を行った。
その後の王騎軍との戦いでは第一軍長・録嗚未と戦い、龐煖が単独で秦軍を襲撃した際は援護に現れている。
最終的に趙軍は李牧の登場と龐煖の武勇によって王騎を討ち取る事に成功するが、趙荘、渉孟、馮忌を失い、更に死兵と化した秦軍の反撃を懸念して撤退。万極自身も怒り狂った録嗚未の反撃で大打撃を被り、不承不承従っている。
斉を除く五ヶ国による対秦合従軍にも公孫龍、李白らとともに従軍。長平の遺族、遺児のみで構成された『長平の恨みそのもの』とも呼ばれる部隊を率い、飛信隊隊長・信と相対。
その恨みで信を縛りつけるという「怨念」の深さを見せつけ、「この恨みの連鎖は人が戦い続ける限り終わらない」とある種の真理をついており、信もそれには一部理解を示していた。
しかし「連鎖を終わらせるために戦い続ける男」の存在から迷いが消え、立ち直った信に敗れる。
今際の際には信に「俺は絶対に長平を繰り返させない」と啖呵を切られ、思うところを見せつつ「あの世でずっと見ているぞ…」と、怨嗟とも激励とも取れる言葉を残し息絶えた。
朱海平原の戦いでは、輪虎たちと並んで彼も信を支える男の1人として登場しており、彼の存在は敵ながらも信の心に強く残っていることがわかる。
信は彼のことは非道な行いをした男として憎みつつも「重すぎるものを背負わされて壊れてしまった」「一番呪われたのは秦でなく万極本人なんだ」と憐れんでおり、トドメを刺す時も「てめェの痛みはしょってってやる」「だからお前はもう楽になりやがれ」と叫んでいる。
映画『運命の炎』では関水を落とした後に万極軍が城民の首を切り落とすシーンが追加されている。
また、彼が使用する剣は原作やアニメ以上に刃が曲がっており、曲剣とも呼べる形状となっている。