「俺は獣魔ハンター・ジーク。獣魔王ゴルモアを追ってこの星にやってきた。」
演:和田圭市
概要
宇宙の破壊魔「獣魔一族」と戦っていた獣魔ハンターの一人。
外見は、白い戦装束に身を包んでバンダナを巻いた、精悍な顔立ちの青年であり、外見は地球人と全く変わらない。
かつて獣魔王ゴルモアに故郷の惑星や仲間を滅ぼされ、その復讐の為にゴルモアを追って地球にやって来た。ちなみに獣魔ハンターだからか、獣魔と対を成す災魔一族の存在も知っている。
緑色の結晶を使って金色の強化服「ジークテクター」を装着する事で、装甲ジークという戦闘形態に変身する事が出来る。
元々は、星を守る為に戦う高潔な戦士だったが、仲間や故郷を蹂躙された事と、仲間を死なせた事への自責の念、そして仲間の無念を晴らしたいという思いの強さから、ゴルモアを倒す為なら周囲の被害や犠牲も一切厭わない非情な復讐鬼と化している。
その為、人命救助を生業とするゴーゴーファイブとは真っ向から対立し、命を救う事を重視する彼等を甘いと言い切り、自分の手でゴルモアを倒す事への執着もあって協力を拒否している。
しかし、死んだ仲間の獣魔ハンターの一人であるリリアによく似た速瀬京子との出会いや、ゴーレッドこと巽マトイの強靭な精神に触れた事で少しずつ考えを改めていく。
装甲ジーク
声:和田圭市 スーツアクター:大藤直樹
ジークが緑色の結晶を使い、「ジークテクター!」の掛け声を上げる事で、戦闘強化服ジークテクターを装着した戦闘形態。
武器として獣魔ハンターの基本装備である拳銃・ジークショットや、ゴルモアのシールドを破壊できる程の力を持つバズーカ型のジークブラスター、鋼鉄をも切断するジークソードを持つ。
ちなみにジークショットとジークブラスターは、いずれも変身前の生身の状態でも使っていた描写がある。
戦闘力は高く、マトイのゴーレッドとも互角に渡り合う程の実力を持つ。他にも、手をかざして相手の傷を癒す能力も持つ。
その変身システムといい能力といい、科学戦隊のゴーゴーファイブとは対照的な、ファンタジー寄りの戦士だと言える。
後に、ジークの魂を変身アイテムの結晶に宿す事で、彼の生命エネルギーで京子をジークジェンヌへと変身させた。
経歴
かつてはどこかの星で、星や宇宙を守る為に獣魔ハンターとして仲間達と共に、獣魔一族やその王であるゴルモアと戦っていた。
しかし、ダークソードとシャドーソードを持つゴルモアの圧倒的な力を前に、仲間達は次々と殺害され故郷は蹂躙される。
そして、最後に生き残った仲間のリリアが、捨て身でゴルモアを抑え、彼女に促されるままに彼女ごとゴルモアを攻撃した事で、リリアの命と引き換えにダークソードを奪う事に成功した。
ダークソードを失った事で弱体化したゴルモアは、宇宙に飛ばされたダークソードを取り戻すべくその後を追跡し、仲間と故郷を失ったジークも復讐の為にゴルモアを追跡して地球に辿り着く。
そして、本編ではゴーゴーファイブとゴルモアの戦いに介入する形で初登場し、周囲の被害も顧みずにゴルモアを攻撃し、制止しようとするゴーゴーファイブにも攻撃するも、災魔一族によってゴルモアは連れ拐われてしまう。
邪魔をしたゴーゴーファイブに怒りを向けるも、攻撃に巻き込まれて負傷した京子が、リリアの生き写しである事に驚いて撤退。京子にリリアの姿を重ね、そんな彼女をまたしても自分の手で傷つけてしまった事への後悔から、巽家に侵入して寝ている彼女の治療を行った。
その直後に、ジークの力を探知して京子を狙ったと勘違いしたマトイと交戦するが、京子が回復した事で誤解が解け、ここで始めて変身解除して対面。マトイからは共に戦うよう提案されるが、ジークは彼等を甘いと言い切り真っ向から共闘を拒否する。
その後、ダークソードを追って移動するゴルモアを発見して追跡し、ゴルモアや彼と同盟を結んだ災魔一族と対峙し、合流したゴーゴーファイブに災魔を任せてゴルモアと一騎討ちをする。
ところが、ジークはゴルモアの力に次第に圧倒され、シャドーソードの一撃で致命傷を負わされ、崖から落とされてしまう。
そこで救助に入ったマトイに対して、自分よりゴルモアを追うように言い、ロープを切って助けを拒否するが、「目の前の命を一つでも見捨てれば俺達の負けだ!」と一喝されて強引に救出される。
そしてマトイは、自分達がジークの思いを背負って戦う事を約束し、京子と共に安静にして待つよう促してその場に置いていく。
しかし、既に自分の命の終わりを察していたジークは、京子に彼女とそっくりだった仲間を自分の手で死なせてしまった事、自分はマトイ達と違って仲間の命を諦めてしまった事を打ち明け、決して命を諦めないマトイ達になら自分の思いを託せると考えを改め、京子に自分の命をゴーゴーファイブの元に連れて行くよう頼む。
さらに、変身アイテムの結晶に自分の魂を宿し、その力で京子をジークジェンヌへと変身させる。
そして、ダークソードを取り戻して完全態となったゴルモアに追い詰められたゴーゴーファイブを助け、ビクトリーロボのブレイバーソードにジークジェンヌを融合させる事で、彼女を介して自身の生命エネルギーでブレイバーソードを強化し、その一撃でダークソードとシャドーソードをまとめて叩き折る。
さらに、自身の生命エネルギーで強化した必殺技の「ビクトリープロミネンス」で、遂にゴルモアを打ち倒してゴーゴーファイブを勝利に導いた。
戦闘後は、全ての力を使い果たした事で、最期に京子に感謝の言葉を伝えてその魂は消滅。同時に結晶も力を失って砕け散り、残された欠片は後にネックレスにされ、京子が持っている。
マトイ達も、彼が自分達と同じ魂を持った戦士だった事を認めつつ、もっと早く分かり合いたかったと後悔の念を吐露する。そして、今後も地球を守り続ける事を改めてジークに誓うのだった。
余談
ジークを演じていた和田氏は、6年前の『五星戦隊ダイレンジャー』で主人公のリュウレンジャー・天火星・亮を演じていた。
ジークとジークジェンヌは、本来1話限定のゲスト戦士に過ぎないのだが、ゴーゴーファイブは所謂追加戦士が登場しない作品である為、彼とジークジェンヌが事実上の本作の追加戦士に相当する。
その為か、ジークはゲスト戦士としては異例で、ドラマ面では事実上本作の主人公と言っても過言ではない程の扱いを受けている。
一方で、ここまでの解説を見ても分かる通り、装甲ジーク自体はゴーゴーファイブとは全く異なる力や技術(おそらくは魔法かそれに近い力)で変身しており、ゴーゴーファイブとはそのデザインからして、仮にも同じ作品の戦士同士とは思えない程に全く異なる。
というより、ぶっちゃけ装甲ジークのデザインはスーパー戦隊というより、むしろメタルヒーローのそれに近く、ここまでメイン戦隊とデザインが全く異なる追加戦士やゲスト戦士は珍しい。
関連タグ
黒騎士ブルブラック:前作のこちらはTV本編に登場した追加戦士で、『悪の勢力に故郷の星を滅ぼされ、大切な人を奪われた為に復讐鬼と化した地球外の戦士』『メイン戦隊とは全く異なる力と技術で戦う』『復讐の為ならば手段を選ばず、メイン戦隊の事を甘いと言い切って真っ向から対立する』『後に改心して地球を守る為に命を落とす』『緑色の結晶の力で戦っており、死後はそこに意識を残していた』『メイン戦隊の仲間に、自身の力と変身能力を託す』等の非常に多くの共通点がある。というよりあまりに共通点が多すぎるので、ジークはブルブラックを意識したキャラではないかと言われている。