魔法少女まどか☆マギカ第10話のネタバレあり!!
「ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない! あなたも、私も…」
概要
魔法少女まどか☆マギカ第10話の暁美ほむらの時間ループの途中で久々に登場した我らがガンマスターにして至高の魔法少女・巴マミ。
活躍所もそれなりに多く、マミさんファンを歓喜させた。
そしてそれは、そんな歓喜の中で起こった。
かけがえのない仲間である彼女を鹿目まどかと佐倉杏子が人間に戻そうとするも、暁美ほむらが倒してしまう悲劇。
そして魔法少女と魔女の関係の真相への到達。
これらが原因となり、負の連鎖を断ち切るために仲間の殺害と自害を企て実行する。
最初に、付き合いの長かった杏子の不意を付き射殺。
続けてほむらにも銃を向けるが、マミの行動を止めるため、親友の命を守る為に放った鹿目まどかの矢によって逆に射殺されてしまう。だが、死の瞬間、負の連鎖を絶ちきるべくほむらに発砲するが外してしまい計画は失敗する。
久々の登場にもかかわらず、あまりにも予想外の展開に、多くのマミさんファンが悲嘆にくれる事となる...
....とはいえ、そもそもこのシーンに至るまでにまどか達の先輩のような形で登場して強さを見せておきながら油断していきなり死亡するという展開があったこと、その死亡シーンのインパクトも強い所など色々話題に事欠かなく、既にネタキャラとして見られがちだった彼女である。
この回では更に行動や心情自体は至ってシリアスなものの、葛藤したような発言、表情とは反して妙に射殺に至るまでの判断が早い部分や、今までの優しいイメージを覆すように突如冷酷な一面を見せるギャップ、更にその後結局死んでしまうなど以前と変わらず戦闘能力が高いようには見えない部分をこの一瞬のシーンで見せたことから人によってはシリアスな笑いになってしまい、より彼女のネタキャラ化に拍車がかかってしまった所もある。
実際、当時はこのシーンに関して無数のMAD動画やコラ画像などが作られていた。
(後に発売されたKEY ANIMATION NOTE vol.5では、シリーズディレクターの宮本幸裕(劇場版総集編の監督でもある)によって、「時間を止められるほむらをまず拘束し、続いて攻撃力の高い杏子を射殺するという"冷静な判断"」というコメントがなされているなど、このシーンに関してやや突っ込まれている部分もある。)
考察
この行動は奇妙にも見えるが、これまでのマミさんの言動や思考、絶対的な信頼を置いていたキュゥべえに裏切られる形となった事により生まれた魔法少女達の絶望の大きさ、そして作中の魔法少女になった者の末路を考慮すれば、決して不自然とは言い切れない。
非常に残酷かつ独りよがりな判断ではあるが、仲間を魔女化させる前に殺すという考えは、正義を誇りとして闘ってきたこそこれ以上仲間を悪の道に進ませて苦しませたくないという彼女らしい決断とも言える。
シーン自体の時間が短いためあまり葛藤がないように見えるが、仲間を殺すことに罪悪感を抱きつつもどうにか耐え抜いていたと思われる。
(実際心が折れているならば、この時点で魔女化したとしてもおかしくないからである)
この時間軸でも、さやかやまどかを魔法少女に勧誘したのは彼女の可能性が高い。
自分が勧誘した事が原因で、さやかをこのような残酷な運命に至らしめた事に責任を感じたからこそ、自身が全ての責任を負わなければいけないと悟ったのだろう。
そんな極端な判断をするほどに、さやかの魔女化は巴マミに対して非常に大きなショックを与えたという事である。
更に彼女は孤独を怖がる性格であり、実際に登場初期もそのような言動を何度か見せることがあった。
そのような恐怖をこちらの世界線でも抱えていたと思われるが、それでもこの判断を行ったことは全く良い方向とは言えないものの、マミさんの決意の強さが分かると思われる。
最初に杏子を殺したのはメンバーの中で付き合いの長く、そしてさやかの残酷な死に落ち込む彼女をすぐに楽にしてやりたいと思って発砲したのかも知れない。
杏子を殺した後、ほむらに銃を向けたが、杏子の時とは違い手が震えている様子を見せた。
実は今回のループで仲間を最初に殺した人物はマミではなく、魔女になったさやかを殺した暁美ほむらであることがあげられる。魔女に成り果ててしまい正気を失ったさやかのことをまどかと杏子が元に戻そうと呼び掛けたが、ほむらは皆に相談せず魔女とはいえさやかをみんなの前で爆弾で殺したのである。
そのようなほむらの感情を少し理解できず恐怖に怯えていたと同時に、マミは仲間であった杏子をさやかと同じ運命を辿らせないためとはいえ、本人の同意なく殺してしまった....つまり改めてほむらを通して自分の異常な行動を俯瞰して見るような形となり、罪悪感を強めたのだろう。
だからこそ上記の様々な感情で錯乱状態になったマミは、皆にキュゥべえに騙されてると警告した仲間であり、そしてさやかを殺した経験があるほむらに、
「ソウルジェムが魔女を産むなら、みんな死ぬしかないじゃない! あなたも、私も…」と言ったと思われる。
マミと同じく仲間殺しの経験があるほむらに、自分の残酷な決意を伝えたかったのであろう。理解してもらいたかったかも知れない。
しかしマミはほむらに向けて発砲しているため、杏子と同じくほむらの殺害を冷静に実行していたことや、死の瞬間までほむらを殺そうとしていたことになるわけで、やはりほむらを見て自身に強い罪悪感を抱いていたことがうかがわれる。
なお直後にまどかが放った矢によってマミのソウルジェムが打ち抜かれたのはそのようなほむらに対しての彼女の動揺もあると思われるが、もう一つの理由としてまどかを勧誘したのが自身だからこそ殺害を躊躇した可能性も高い。彼女本来の優しさが垣間見えたシーンと言えるかもしれない。
なおこのようなシーンにより、“この事態に幻滅し、ファン離れが起こってしまうのではないか?” との声もなくはなかったが、(そもそもネタキャラ寄りに少し見られていたこともあってか)杞憂に終わったようである。
正義感と責任感の強いお姉さんとして振舞う事で、本当は泣き虫である自分を隠すと言う、健気な心を持った女の子としてのマミさん&おっぱいをファンは愛しているのである。
今回の事態に悲痛を覚える事はあっても、「愚か者」などと馬鹿にする事などありはしない。
仮にあったとしても、即座に彼がやって来る。
ところで、10話のインパクトがあまりにも強すぎて、精神的な弱さばかりが強調されがちな彼女だが、そんな弱さを抱えた彼女がまどか達に出会うまでの間、逃げ出すことも無く、魔女になることもないままに(絶望が即魔女化に直結する魔法少女にあって、これは極めて異例である)ずっと一人で(一時期杏子と共闘していた期間もあったが)戦い続けてきたという事実がある。
また、巴マミは他の魔法少女と比べると心が弱いという考察も一部にあるが、PSPにおいて五人全員が魔女になる状況が示されている。すなわち魔女化は誰にでもありうることである。
マミは魔女から人命を救う魔法少女の在り方、ほむらはまどかの無事、さやかは信じる正義と恭介への想い、杏子はさやかに託した自分の想いというように、絶望につながるほど大切なものは、一人一人違う。
どの魔法少女も自分の願いに真剣に向き合い、それを貫き通そうとするほどに心が強く、しかし、ひとたびその願いを完全に否定されてしまえば、それまでの強さからは考えられないほど容易く絶望してしまう。その彼女らを引き合いに出して、誰と誰を比べて誰の心が強いとか弱いなどと言うのは、もはや比べるだけ完全に無意味だろう。
また、『きらら☆マギカ vol.5』の雑誌インタビューにおいて、『魔法少女まどか☆マギカ~The different story~』の作者ハノカゲは、「事故で両親を失った上に魔法少女になってもずっと一人で戦い続けるという、普通なら心が折れてしまう状況を耐えているマミさんが弱い人間だとは思わない」と答えている。
余談
一つの見方として、この事件で一番の被害者は、気にかけていたさやかが魔女になった挙句、それを救うこともできず落胆していた所に不意打ちでソウルジェムを砕かれた杏子とも取れるかもしれない。
マギアレコード
『マギアレコード 魔法少女まどか☆マギカ外伝』のある場面においても、上述の台詞を叫んでいるが、こちらはマミの周囲の環境は原作アニメとは異なっているため、原典とのキャラの違いに違和感を抱くユーザーもいる。(ただしマギアレコードの世界では、巴マミに限らず、登場人物達は原典と異なる経験をしているわけであるから、反応や考え方が多少違ってくるのも不自然なことではない)
また、マギアレコードで登場した巴マミのとある姿は、マギウスが作り上げたシステムの情報に加えて、魔女と魔法少女の真実を知ったマミの反応であるため、広い意味で「病ミさん」の一種と見なす視聴者もいる。
Scene0ではFilm2のDay23で本編同様の経緯でこれを起こしている。
更にFilm.12では…
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