概要
「発動!竜巻作戦」とは、合同会社EXNOA(DMM GAMES)のオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベントである。
当初、前段作戦2月29日夜開始、後段作戦を3月1日開放予定だったが、メンテナンスとアップデートに時間を要したため、前段作戦が2024年3月1日開始、後段作戦の開放が3月3日午前となった。4月10日終了。
作戦期間は、前段作戦実装に先駆けた期間限定任務の延長告知の際に「約一か月後となる今晩実装の早春イベ【発動!竜巻作戦】作戦終了時まで」とあり、最終的に概ね予告通りの41日間となった。
なお、本イベント終了に伴うメンテナンス&アップデートにて、かねてより予告されていたある駆逐艦娘の改二が実装された。
ちなみに竜巻作戦と言うのは太平洋戦争後半に大日本帝国海軍が計画した「アメリカ海軍の空母機動部隊に対する奇襲作戦」で、計画は立てられたものの実際には行われなかった作戦である。魚雷などを搭載した特四式内火艇を潜水艦に載せて米海軍機動部隊の根拠地とする環礁の近くまで輸送、そこから特四式内火艇を発進させて奇襲をしかける、というものだったが、訓練中に色々と問題が見つかり作戦は延期、実行されることなくそのまま終戦となった。
仕様
前段・後段合わせて全4海域、札は11枚。
札名称 | 出撃可能海域 |
---|---|
第一艦隊 | E1ギミック |
第二艦隊 | E1-1、E2ギミック |
第五艦隊 | E1-2 |
機動部隊 | E2-1、E3-1 |
第六艦隊 | E2-2、E3-3 |
第三艦隊先遣隊 | E3ギミック |
前衛部隊 | E3-2 |
第三艦隊 | E4-1 |
ウェーキ島輸送部隊 | E4-2 |
新編竜巻部隊 | E4-3 |
Z決戦艦隊 | E4-4 |
新システム
港マスとTPの両方を備えた輸送ゲージ
E-1第1ゲージは作戦名「Q基地へ」の名の通りQマス(港マス)への輸送作戦となっており、この目的地たるQマスに到着した時点で輸送成功(S勝利扱い)となり、通常の輸送ゲージと同じ要領で艦隊編成・搭載装備に応じTPゲージが削られる仕組み。つまりこのゲージにはボスマスそのものが存在しないため、直前の空襲マスでの被害を気にせずにそのまま進んでも問題なく輸送ゲージを削ることができる。
ボスマスの無いケースは通常海域1-6、輸送ゲージそのものはイベント海域で提督諸氏にとっては毎度おなじみだが、両方の要素を同時に含むゲージはこれが初となる。
環礁マスおよび関連装備の効果
E-2第2ゲージ以降の一部ボスマスでは甲標的系列や潜水艦娘の一部効果が無効となっており、このマスに限っては水上艦・潜水艦とも通常の手段では先制雷撃が一切できない。これらのマスで先制雷撃を行うには、本イベントの新装備「特四式内火艇」または「特四式内火艇改」が不可欠。
なお、同系列は潜水艦娘の夜戦での攻撃回数を増やすこともでき、装備した数に応じ1隻につき最大2回まで攻撃できる。
ステージ
前段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-1 | 日本列島沖/呉Q基地 | 【Q基地へ】 | ☆7 |
E-2 | 九州南方沖/マリアナ諸島方面 | 【竜巻作戦】 | ☆12 |
E-3 | マリアナ諸島/ウルシー環礁沖 | 【泊地突入!龍巻作戦】 | ☆15 |
後段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-4 | サイパン沖/マーシャル諸島沖正面 | 【新Z作戦改】 | ☆17 |
新艦娘
報酬
ドロップ
計4隻のうち水上艦は平安丸のみで、これ以外はすべて潜水艦。同じイベントで3隻以上の潜水艦娘が新たに実装されたのは『艦これ』史上初の出来事となる。
また、継続的に実装されてきた駆逐艦・海防艦が両艦種ともに実装されなかった珍しいイベントでもあり、新艦娘が実装されたイベントだと実に「迎撃!霧の艦隊」以来の事である。
これ以外も「敵艦隊前線泊地殴り込み」「南方海域強襲偵察!」「決戦!鉄底海峡を抜けて!」といった1期最初期も最初期のイベントに加えて新艦娘自体がいない桃の節句!沖に立つ波しか該当せず、かなり異例のことである。
新敵勢力
新艦娘と対応していない、アメリカ海軍の艦艇群をモチーフにした量産型の姫級深海棲艦が複数実装された。
新アイテム
報酬
- 特型内火艇「特四式内火艇」:E-1甲(★2)・乙(★1)・丙・丁作戦海域突破報酬 / E-2甲(★3)・丙(★1)・丁作戦海域突破報酬
- 特型内火艇「特四式内火艇改」:E-1甲(★1)作戦海域突破報酬 / E-2甲(★2)・乙(★1)海域突破報酬
- 副砲「12cm単装高角砲+25mm機銃増備」:E-1甲(★5)・乙(★3)・丙作戦海域突破報酬
- 水上偵察機「零式小型水上機」:E-2甲(★4)・乙(★2)・丙(★1)作戦海域突破報酬
- 水上偵察機「零式小型水上機(熟練)」:E-4甲(★4)・乙(★2)・丙作戦海域突破報酬
初期装備
(なし)
新たに実装された艦娘が潜水艦娘および関連した特務艦娘であること、および新装備が攻略のキーアイテムなこともあってか、本イベントでの新装備はやや少なめであり、うち特四式内火艇については本イベント開始とともに改修更新でも入手可能となった。改修元の特二式内火艇も本イベント直前までの期間限定任務による「節分の豆」収集で手に入れられたため、入手までの道のりはそれなりに容易。
なお、そのぶん既存装備の再配布は充実しており、夜間航空攻撃で高威力を出せる「F4U-2 Night Corsair」、実装済みの艦戦でも屈指の制空力を誇る「試製 陣風」、艦爆ながら艦戦並みの制空力と撃墜耐性を持つ「F4U-4」といった貴重な装備を各海域突破により獲得できる。
新規BGM
作曲はおなじみ大越隊員。
本イベントのBGMについては後段作戦開放に先立って一部の曲名が公表されており、前段作戦最深部(E3-3)のBGMは「竜巻作戦」、後段作戦最終決戦時(E4-4)のBGMは「Z決戦艦隊の咆哮」と命名されたことが判明している。(参照)
その他
およそ2年ぶりの「中規模作戦」
開始前より「少しコンパクトな中規模」と予告されていた通り、本イベントの海域数は前段作戦・後段(拡張)作戦あわせて4海域と、21年秋イベント『海上護衛!本土近海航路の防衛』以来となる5海域に満たない数となった。イベントの規模について「中」とされたのは22年春イベント『激闘!R方面作戦』以来1年9か月ぶりである。
また、これに伴い今回のイベントは昨今よく見られた「前段と後段で別方面・別作戦行動」の形ではなく「前段の延長線上としての後段作戦」とするものとなっている(ちなみにこれも21年夏イベ『増援輸送作戦!地中海の戦い』以来およそ2年半ぶり)。
ここ数回のイベントの規模は
- IF作戦と史実上の戦いによる二段構えにより欧州での大型上陸作戦となった『大規模反攻上陸!トーチ作戦』(全6海域)
- 前段作戦E-2が運営公認の「歴代最難関」海域となってしまった結果、作戦期間が歴代最長タイ(当時)となった『絶対防衛線!「小笠原兵団」救援』(全6海域)
- 前段が日本近海・後段が欧州方面の作戦、最終海域が史上初の5ゲージ構成、さらに作戦期間の歴代最長を更新した『船団護衛!輸送航路防衛戦』(全7海域)
と6海域以上の大規模作戦が常態化しており、実装される海域も条件付きとはいえ1海域に5ゲージもが実装されるものさえ現れるなど肥大化の一途をたどっていたが、今回それに歯止めがかかった形となった。
札の枚数こそ計11枚と大規模作戦に匹敵するものの、上記のイベントで花形として活躍してきた連合艦隊編成による出撃は今回、後述の事情もあって控えめの出番となっており、大半が通常艦隊または遊撃艦隊かつ潜水艦の出番が多め、さらに札の使い回しもある程度できるため、それなりにしっかりと戦力を整え、且つ情報が揃っている提督たちであれば出撃制限に頭を悩ます必要はそこまでないイベントと言える。
ただし、アーケード版との両立提督ともなると話は別。
というのも、同時期にそちらで展開されていたのは『捷号決戦!邀撃、レイテ沖海戦(前篇)』。
そう、あのレイテ前編である。
幸か不幸かアーケード版には払暁戦はないものの激戦であることには違いなく、手こずっているといつまでたってもブラウザ版の本イベントに手が回らなくなるのは自明の理。そもそもの攻略時間のみならず、本イベントの攻略のカギとなる情報を仕入れる時間すら足りなくなってしまうこと必至とあって、そうした提督たちにとっては艦娘たちよりもむしろ"自分自身の"出撃制限のほうが難題となったと言えるだろう。
潜水艦隊の奮戦、大トリの敵潜水艦…異彩を放ったイベント海域
モチーフ元が上述した竜巻作戦のイベントとあって、本イベントではE-2第2ゲージ、E-3第3(最終)ゲージ、E-4第3ゲージにて潜水艦隊による出撃が必須となっており、これまでのイベントではギミック解除くらいしか出番が無かった潜水艦娘に「その力を存分に発揮してボスを倒す」という重要な役割が与えられることとなった。特にE-3第3ゲージはなんと前段最終ゲージ、連合艦隊の面々を差し置いて主力も主力、まさかの全力出撃である。
というわけで21年春イベ『激突!ルンガ沖夜戦』E-2以来となる本格的なイベント海域での戦いに臨むこととなった彼女たち。いかんせんその仕様ゆえにそのままでは手数に限りがあったことから、提督たちはこの点の解決手段を模索、結果ある方法が注目されるに至った。
その名は「潜水艦隊攻撃」。
高い威力を有していながら発動条件として比較的大破しやすい潜水母艦娘を旗艦に置かねばならないリスクなどから長らく忘れ去られていた特殊攻撃だったが、上述したゲージはいずれも随伴艦で抜かりなく対策をすれば問題なくボスマスに辿り着けたこと、特に装備特効がものを言うE-3以降はボスマスでの手数・威力を増やすことが勝利に直結することから、この攻撃手段を使う提督たちが続出。結果、各種特効も相まってこの攻撃で4ケタダメージすらいともたやすく叩き出しボスを木っ端みじんに吹き飛ばす潜水艦隊が各地で見られるようになった。
中には気にも留めないどころかそもそもこの特殊攻撃の存在自体を長らく知らず、本イベントでようやく知って使い方を調べぶっつけ本番で使う提督もいたとかいなかったとか…。
もっとも、発動に必須のアイテム「潜水艦補給物資」は課金以外での入手手段が限られる貴重品で、この点を気にする提督たちに万が一にも無駄遣いが無いよう入念な準備が求められたのは言うまでもない。
ついでにこの攻撃は特定の位置の艦が中破してしまうと発動そのものができないことから、道中で敵が先制対潜攻撃を仕掛けてくるE-3以降では発動できる形でボスマス到達ができるよう祈りをささげる者たちの姿もまた、そこかしこで見られたという。
他方、この潜水艦娘たちの活躍以外にも本イベントならではの点は多くあり、
- ギミック解除のみで出番終了となる札が複数存在し、そのギミック自体も装甲破砕を除けば各海域第一ゲージ出現前にしか存在しない
- 連合艦隊での出撃こそそれなりにあるものの、水上艦を相手取る戦力ゲージはE-2/E-3/E-4の各第1ゲージのみで、そのボス編成も従来のそれを著しく上回る戦力ではなかった
- E-4第4ゲージ(本イベントの最終ゲージ)も敵艦隊の旗艦たる深海伊号水姫が潜水艦のため、たとえラスダンであろうとも一定の装備さえ揃っていれば、戦艦水鬼改・空母棲姫Ⅱ・新量産空母棲姫といった姫級が並ぶ随伴艦を一切気にせずありったけの対潜攻撃を仕掛けるだけでも理論上撃破が充分可能
といった具合に、手順を経た末に連合艦隊で水上艦のボス相手に殴り合いをする形が多かったこれまでとは趣を大きく異にするイベントとなっている。
特にE-4第4ゲージについては、
- ボスマスにおける深海伊号水姫以外の敵潜水艦が潜水棲姫改1体のみ且つ他がすべて水上艦
- 連合艦隊編成どうしの戦闘ゆえ敵潜水艦に夜戦でダメージを入れられる(当然ボスたる深海伊号水姫も例外にあらず)
- 基地航空隊によるボスマス攻撃に必要な行動半径が「10」のため出撃できる陸攻・陸戦が限られ、機種そのものの特性による敵艦への大ダメージが期待しづらい
といった事情も相まって、基地航空隊や支援艦隊に「敵第二艦隊の水上艦を粉砕し夜戦でボスと戦うためのお膳立てをする」というこれまでと似て非なる役目を期待する提督たちも少なくなかった。
ちなみにこんな状況では大半の提督たちにとってこのマスでのA勝利以上など無縁…と思いきや、あの手この手を尽くした末にこの水上・潜水混成のボスを相手になんとS勝利をもぎ取ったという猛者たちも現れている。
また、総じてボスマスの撃破が比較的容易だった分、道中マスはかなりの難関が揃っており(例:E-3第1ゲージボス前の戦艦レ級2体、E-4第1ゲージ道中の米駆逐棲姫、同第4ゲージ道中の空母棲姫Ⅱ・戦艦棲姫2体・軽巡ツ級flagship・米駆逐棲姫2体)、煙幕を用いた回避戦術や司令部施設による退避などの活用がボスマス到達には必須だったと言って良い。
総じてストレートに力をぶつける真っ向勝負よりも敵に有効な手段を考える頭脳戦が中心の戦いとも言え、「いざという時に使える『引き出し』をどれ程持っているか」が問われるイベントだったと評せるだろう。
深海棲艦と「文字」
米駆逐棲姫をはじめとする本イベントにて新登場する深海棲艦たちは、ボスマス登場時の台詞の文字起こしにて一部に平仮名が用いられている(と言っても漢字仮名まじり文の仮名部分、それもカタカナとの混用である)。20年梅雨・夏イベ『侵攻阻止!島嶼防衛強化作戦』以来、カタカナのみならず漢字を使う個体がちょくちょく見られているが、ここに来て新たなパターンが見られることとなった。
これまで以上に深海棲艦に対して異質な印象を受けるこの表記は何かを意味するのか、それともある種の「個体差」に過ぎないのか…。その答えは彼らのみぞ知るところであろうか。
関連イラスト
関連タグ
期間限定イベント海域 期間限定イベント海域(2018.9~)