進撃!第二次作戦「南方作戦」
しんげきだいにじさくせんなんぽうさくせん
進撃!第二次作戦「南方作戦」とは、DMM GAMESのオンラインSLG『艦隊これくしょん』の期間限定イベントである。2019年11月29日より前段作戦開始予定だったがアップデート作業が遅れ、同30日朝の開幕となった。後段作戦は12月7日開始。
終了予定は当初1月8日とされていたが、2度の期間延長を経て、最終的には1月14日終了となった。尚、イベント終了時のメンテナンスでは、同時に「少し小柄な軽巡の改二改装」との触れ込みで夕張改二が実装されている。
蘭印(=オランダ領東インド、現在のインドネシア)方面が前段の舞台となっており、この海域がモチーフ主軸となるイベントは一期初期の2014年春、同年秋以来三度目となる。
全6海域、札は6枚。
乙作戦以下なら最終海域には全艦娘を無制限に投入できる。
札名称 | 出撃可能海域 |
---|---|
攻略護衛隊 | E-1/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6乙・丙・丁 |
空襲部隊 | E-1丙・丁/E-2/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6乙・丙・丁 |
蘭印部隊 | E-1丙・丁/E-丙・丁2/E-3/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6乙・丙・丁 |
馬来部隊 | E-1丙・丁/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4/E-5丙・丁/E-6乙・丙・丁 |
哨戒部隊 | E-1丙・丁/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5/E-6乙・丙・丁 |
決戦部隊 | E-1丙・丁/E-2丙・丁/E-3丙・丁/E-4丙・丁/E-5丙・丁/E-6 |
全6海域が前段4海域、後段2海域に分かれて実装される。
前段作戦
ステージ | 海域 | 作戦名 | 難易度 |
---|---|---|---|
E-1 | マカッサル沖/バリ島沖 | 八駆見参!バリ島沖海戦 | ☆7 |
E-2 | ジャワ沖/ダーウィン沖 | 強襲!第二次ジャワ沖海戦 | ☆9 |
E-3 | ジャワ海/スラバヤ沖 | 激突!スラバヤ沖海戦 | ☆13 |
E-4 | バタビア沖 | バタビア沖海戦 | ☆15 |
12月18日の小メンテ以降、友軍艦隊第一陣が来援するようになった。来援する場所はE-4第二ボス、E-5第一および第二ボスで、現在判明している編成は以下の通り。
E-4第二ボス
- Perth、Houston
- Houston、Perth
- Houston、Perth、敷波
- 榛名改二、名取、白雪、初雪
- 敷波、綾波改二、浦波、磯波
- Perth、Houston、最上、三隈
- 金剛改二丙、榛名改二、浦風丁改、谷風丁改
- 由良改二、水無月、長月、暁、響
- 金剛改二丙、名取、吹雪改二、白雪、初雪
- Houston、Perth、吹雪改二、白雪、初雪
- Perth、Houston、最上、三隈、敷波
E-5第一ボス
- 佐渡、松輪、日振
- 早波、藤波、浜波
- 秋霜、早霜、清霜、長波改二
- 藤波、早波、鳥海改二、摩耶改二
- Houston、最上、三隈、敷波
- 北上改二、熊野改二、佐渡、松輪、日振
- 秋霜、早霜、清霜、妙高改二、羽黒改二
- 北上改二、鈴谷改二、熊野改二、佐渡、松輪、日振
- 時雨改二、最上、佐渡、松輪、日振、大東
E-5第二ボス
- 秋雲、風雲改二
- 秋霜、早霜、清霜
- 夕雲改二、巻雲改二、風雲改二
- 秋霜、早霜、清霜、長波改二
- 夕雲改二、巻雲改二、秋雲、風雲改二
- 赤城改二戊、加賀、秋雲、風雲改二
- 赤城改二戊、加賀、利根改二、筑摩改二
- 赤城改二戊、加賀、蒼龍改二、飛龍改二
- 赤城改二戊、加賀、Saratoga Mk.Ⅱ、Fletcher、Johnston
- 比叡改二、霧島改二、Iowa、Fletcher、Johnston
- 赤城改二戊、加賀、金剛改二丙、Fletcher、Johnston
- Intrepid、Saratoga Mk.Ⅱ、Gambier Bay、Iowa、Fletcher、Johnston
- 赤城改二戊、加賀、Intrepid、Saratoga Mk.Ⅱ、Fletcher、Johnston
また、2019年12月31日の夕方から、友軍艦隊第二陣が来援するようになった。場所はE-6戦力ボスマスだが、強力な友軍を要請した場合のみ、E-1第一ボスマス、E-6輸送ボスマスにも来るようになる。現在判明している編成は以下の通り。
新艦娘は全7隻。前段で4隻、後段で3隻実装。
前段作戦
後段作戦
- 夕雲型駆逐艦18番艦「秋霜」:E-5にて邂逅可能。担当絵師は藤川氏、CVは豊口めぐみ氏。
- 択捉型海防艦9番艦「平戸」:E-5にて邂逅可能。担当絵師は赤坂ゆづ氏が有力。CVは森山由梨佳氏。
- Atlanta級軽巡洋艦1番艦「Atlanta」:E-6の突破報酬として入手可能。担当絵師はしずまよしのり氏、CVは名塚佳織氏。
『艦これ』に海外艦が実装されて以来長らく実装されてこなかった、連合国側の巡洋艦級が初めて実装された。
オーストラリア海軍、オランダ海軍の艦が実装されるのも初で、アメリカ海軍においても軽巡、重巡共に初の実装となる。
前段作戦で実装された新艦娘は全てABDA艦隊、上陸作戦に参加した陸軍特種船と、本イベントのモチーフ元に関連する艦である。
後段作戦で実装された新艦娘も海域モチーフ元に絡む艦がメインとなっており、史実が絡んでいないのは平戸のみ(ダバオの対潜哨戒には不参加、ヒ72船団の護衛中に米潜グロウラーの雷撃により戦没)。
新規実装された海外巡洋艦群の搭載砲が目白押しの構成となっている。
また、2017年8月のランカー報酬として先行配布されて以来、未だ最優秀を誇り続ける対潜装備「HF/DF+Type144/147 ASDIC」が甲限定ながらついに本実装となった。
報酬
- ソナー HF/DF+Type144/147 ASDIC:E-2海域突破報酬(甲)
- 中口径主砲 6inch連装速射砲 Mk.XXI:E-3海域突破報酬(+★4;甲/+★2;乙/丙)/Perth・Perth改初期装備
- 中口径主砲 Bofors 15cm連装速射砲 Mk.9改+単装速射砲 Mk.10改 Model 1938:E-3海域突破報酬(甲)/De Ruyter改初期装備
- 中口径主砲 8inch三連装砲 Mk.9:E-4海域突破報酬(+★4;甲/+★2;乙)/Houston・Houston改初期装備
- 中口径主砲 8inch三連装砲 Mk.9 mod.2:E-4海域突破報酬(+★4;甲)
- 中口径主砲 5inch連装両用砲(集中配備):E-5海域突破報酬(+★2;甲・乙/丙)/Atlanta・Atlanta改初期装備
- 中口径主砲 GFCS Mk.37+5inch連装両用砲(集中配備):E-6海域突破報酬(+★2;甲)
全体としては「前半は明るく、後半はシリアスに」という恒例のパターン。
前段作戦の曲は踊るような六拍子が特徴で、軽やかな木琴のモチーフが共通して用いられている。
後段海域・道中では畳みかけるような三拍子に切り替わり、悲壮さを漂わせるピアノとストリングス、荒々しいエレキギターが印象的な曲が続く。
そして最終ボスでは複雑なビートを刻む四拍子の沈メタルとなり、強烈なデスボイスが提督たちの耳を圧倒する。
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悉く外れた「事前予想」
今回のイベントに関しては、提督側の事前予想がことごとく外される形となった。
発端は、2019年八月分のランカー報酬として配布された「8inch三連装砲 Mk.9」に遡る。この装備は図鑑説明にもある通り、今回のイベントで実装されたノーザンプトン級および、その前級であるペンサコーラ級の主砲である。そして、続く九月分のランカー報酬では、その上位版の主砲も配布されたため、次のイベント――すなわち、今回のイベントにおいてノーザンプトン級の実装が、提督たちの間でほぼ確実視された。そこで候補として挙がったのが、1番艦ノーザンプトンが沈没した戦いである「ルンガ沖夜戦」だった(なお、それに付随して、高波の改二が実装されるのではないかとも期待されていた)。
だが、その予想は完全に外され、蘭印作戦をモチーフとした大規模作戦となった。そして、前段作戦が開始された後に行われたのが後段作戦の海域予測で、その作戦内での一種の追撃戦に相当する「セイロン沖海戦」が後段作戦になるのではないかという予測がなされていた。しかし、その予想はまたも外され、ダバオ沖哨戒からの、まさかのアイアンボトムサウンド。事前予測によって対策を立てていた提督たちを文字通り、大混乱の渦に巻き込む形となったのである。
こうなってしまった原因は、イベント開始時期と実際のルンガ沖夜戦が行われた時期がほぼ完全に一致していたためで、それに引っ張られる形でそのような予測が立ってしまうのは仕方のなかったことだろう。運営側の意向としては、ルンガ沖の前段という形で第三次ソロモンを入れたのかもしれないが、真相についてはもちろん闇の中である。
これとは別件だが、当初は前段作戦が蘭印作戦だった事でここからソロモンと繋がるとはあまり考えられておらず、夕立、暁、高雄、愛宕、衣笠を早々に使ってしまったという悲劇も少なくなかった。
これは彼女らは蘭印作戦においても史実艦であったこと、前段作戦は戦艦や空母ではなく巡洋艦級による水上打撃部隊による攻略、という運営の電文に対し後段作戦で手番となる事が少ない古鷹型・青葉型、非改二の高雄・愛宕を主軸に起用していくという、後段作戦に関する情報の不足・戦力から鑑みた消去法から来る、ある意味「セオリー通り」の起用を行っていった提督が多かったのも原因である。
新艦娘の予想も大ハズレが続出した。
パセリ氏の新艦娘がある事が発表された際、有力な候補として挙げられていたのは香取型で唯一未実装であった練習巡洋艦・香椎であった。
これは朝霜改二の実装で、朝霜役の茅野愛衣氏が香取型も担当していた事による。
草田草太氏の新艦娘が発表された時も同様で、唯一未実装であった睦月型・夕月が最も有力な候補として挙げられていた。草太氏が担当してきた艦娘は睦月型しかいなかったからである。
いずれもハズレであり、提督の予想外の結果になった。
大規模作戦の告知によって高まっていた大型艦実装への期待
また「セイロン沖海戦が後段作戦になるのではないか」と予想された理由だが、前段作戦では正規空母がまるで出番がなかった(起用する意味が薄いか、なかったか、そもそもできないか)という点が1つの根拠として挙げられる。
なにせ
- E-1、E-4ではそもそも起用自体が不可能
- E-2ではルート解放ギミック専用で起用は実質任意、ボスルートには正規空母を入れるとボスへ辿り着けない
- E-3では問答無用で最長ルートを通る為論外
という有様だったのだ。
この為「後段作戦は機動部隊同士の決戦海域では」という予想が立てられるに至った。
事実、セイロン沖海戦であれば、前段作戦で起用する余地がなかった南雲機動部隊が重要なファクターたり得たからである。
さらに、ABDA艦隊のうち、前段作戦ではオーストラリア、オランダ、アメリカの艦娘がそれぞれ実装されたものの、残るイギリス艦が実装されていないということも、この予想に拍車をかけた。そこで、セイロン沖海戦に関係する艦船として(2019年は空母級の実装がなかった事もあってか)、ハーミーズもしくはインドミタブルの実装があるのではないかと期待されていたのだ。
・・・しかし、蓋を開ければそんな事もなく、後段作戦の最終報酬は軽巡洋艦クラスのAtlantaであり、結局イギリス艦、空母級や戦艦級といった大型艦の実装はなかった。
正規空母・機動部隊編成冷遇イベント
数々の予想(や期待)に反し、後段作戦でも空母達の編成は厳しく制限された。
E-5においては正規空母を入れると最短ルートを通るのは不可能であり、機動部隊編成だと確定で空襲マスが増える為、ただでさえ長い道中がさらに長くなり不安定さが増すので、起用は推奨されなかった。
E-6においても同様で、機動部隊編成は完全にギミック専用であり、ボス艦隊との決戦段階では使用できない。仮に使用できたとしても、ボス前Sマスで重巡ネ級改と軽巡ツ級の厚く高い壁に阻まれる為、有力な選択になったかは怪しい所。
水上部隊・輸送護衛においても最短ルートを通るには明石・秋津洲を含み、戦艦+軽空母が3隻までという制限があり、ここでも正規空母を含むと問答無用で最短から逸れ、潜水新棲姫との戦闘及び空襲戦マスが増える。
ネルソンタッチを採用する場合は基本的に大特効艦である比叡・霧島採用一択であり、空母を入れる枠は非常に狭く、せいぜい鈴谷航改二・熊野航改二の採用が検討できるかどうかである。
そもそも最短ルートの道中には空母級の敵がおらず、ラスボスの防空巡棲姫率いるボス艦隊は極めて高対空な上に生半可な…どころかいかなる開幕でも落とせない高耐久の持ち主ばかりであり、さらに制空値が「0」で、空襲マスを経由しない限り制空権の確保は道中・ボス共に水上戦闘機1つで事足りてしまう点でも、空母級を採用するメリットは大きいとも言い難い状況であった。
このように、本イベントにおける正規空母・機動部隊は稀に見るレベルで散々な扱いであった。
とはいえ、出番がないかといえば決してそうではない。
E-6の難関ギミックの1つに「機動部隊でVマス(空母棲姫改率いる敵連合艦隊)でのS勝利(乙以下ならA勝利以上でOK)」が存在しており、機動部隊の練成なくしては勝利がおぼつかないのもまた事実である。
逆に言えば、これが唯一にして最大の『華』であり、ギミックをただの『作業』と見ているプレイヤーにとってはまるで不完全燃焼、活躍というには不十分なものであった。
イベント後半では「E-3で正規空母を入れると問答無用で最長ルート」である事を逆手に取り、正規空母を複数隻編成して対潜マスのみ交戦する事で、新艦娘達や練度が不十分な艦娘を効率的にレベリングできる事が判明し、最終海域を突破したプレイヤーの中にはここでのレベリングに勤しむ人々も現れた。
が、これも適正ではない編成だと羅針盤が荒れて逸れる、という仕様を逆手に取ったものであり、決して『機動部隊の活躍』とは言えない。なにせここで使う「正規空母」達は戦闘に参加しない、そこにいるだけでいい存在でしかないのである。
なお、2019年は『艦これ』のサービス開始以来初めて「空母級の新規実装がなかった」年でもある。
それだけでなく、今回に限らず19年は全体的に機動部隊編成は枠不足で編成する利点がなかったり、ボス前が厳しすぎて選択肢にする事すら難しかったり、持ち味である空母の編成数そのものが制限されたり、ギミック以外編成機会がなかったりと、不遇な傾向が強かった。
このようなイベントが続くのでは、せっかく育てても使いどころもないのである意味当然だろう。
正規空母だけでなくあきつ丸の冷遇も深刻で、羅針盤のルート選定で「空母」と同列と扱われてしまう為、「戦艦」として扱われる伊勢改二・日向改二の方が有用であった。
そもそもあきつ丸の本業である対地戦はE-1にしかなく、そのE-1にはそもそも出撃自体が不可能。どうしてこうなった。
勝利のカギは「特務艦」
正規空母を含む空母機動部隊はE-6のギミック以外に使い処がなく非常に冷遇された一方、特務艦の重要性が非常に高かった。
特に重要だったのは明石・秋津洲で、E-3、E-4、E-6において固定要員として極めて重要な役目を担った。
戦艦級を持ち込める数が緩和されたり、戦闘回数自体が減ったりする為、泊地修理の存在を考えれば実質11隻で戦う事になる事を差し引いても有用性は高い。なくても問題なかった前回とは大違いの扱いである。
さらに、E-6では大鯨と潜水艦を用いる事で最短ルートという固定も発見され、人によっては使い処がある事だろう。
この為、前段作戦で彼女らを使い切ってしまった提督、あるいはそもそも所持していない提督達からは、有り余る空母勢を尻目に悲鳴があがる事に…。
救済措置としてか、E-1では彼女らのドロップ率が比較的高く設定されていた。
少なくとも、今回に関しては「特殊能力の優秀さや特殊性を持つ艦をいかに使いこなすか」が勝敗を分けるイベントと言っても過言ではない。
異例の新艦娘CV告知
神州丸役が豊口めぐみ氏である事は、イベント開始前から早々に告知されていた。
『艦これ』では新規実装された艦娘達の声優陣はイベント終了後にコンプティークや運営Twitter上でしれっと公表されるケースが大半であるが、今回はイベント告知上で既に公表されている。
このような扱いは南方海域強襲偵察!で大和役が竹達彩奈氏である事、観艦式で涼月役が藤田咲氏だと明かされた程度しか前例がなく、かなり異例の告知である。
また、コンプティークで明かされたHouston・Atlanta役の「初参加の素敵な声優」とは名塚佳織氏であり、これまた知る人ぞ知る有名声優であった。
昨今はデビュー間もない新人や20代前半の若手声優の起用が多くなってきた中で、久々に有名声優2名が起用される事となった点でも、驚きの声が見られた。
秋イベント……?
度重なるイベントごとに開催時期が徐々に後ろ倒しになっていった結果ではあるのだが、初期には「秋イベ」「晩秋」と言われていた筈の本イベントはイベント期間のほとんどが12~1月となり、あまつさえ途中からはクリスマスグラや新年任務が割り込んでくる有様に多くの提督が「秋イベってなんだっけ」と首を捻る事態となった。
Q.秋イベント中なのにクリスマスと正月もやっている。正月は秋ですか?おかしいと思いませんか?あなた
A.秋イベントと正月任務は同時に存在しているだけだ。問題はジッサイ存在しない。いいね?
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