日本海軍の特務艦
特務艦艇とは、日本海軍において戦闘ではなく各種作戦の支援、後方での戦力維持・整備など雑多な任務を担う艦船。一般的に「支援艦船」と呼ばれるものがほぼこれに当たる。
なお日本海軍でいう輸送艦は上陸戦に使用するための設備を有する艦船(揚陸艦)を指し、特務艦艇ではなく艦艇に分類されていた(一等輸送艦など)。一般的な意味での輸送艦(揚陸設備を持たず、後方運送に当たる艦船)は日本海軍では「運送艦」と呼ぶが、人員や物資を輸送するだけの運送艦は少なく、補給艦の類が多くを占めていた。
分類
以下の6艦種に分類され、運送艦はさらに任務に応じて細分される。
- 工作艦:工廠のない泊地で艦船修理・整備を行う特務艦(明石など)
- 砕氷艦:海氷を破砕し後続の艦船の進路を作る特務艦(大泊のみ※)
- 測量艦:水深や海底地形の測量や気象観測などを行う(初代大和など)
- 標的艦:砲撃・爆撃訓練の標的曳航に用いたり、自らが標的(実艦的)として供用される特務艦。廃艦処分も兼ねた実艦的は含まれない(摂津など)
- 練習特務艦:軍艦籍から除籍され、練習艦に転用された戦艦・巡洋艦のうち、特務艦籍にあるもの(敷島など)
※ 宗谷には砕氷機能があったが、雑用運送艦(砕氷型)とされ、砕氷艦には類別されていない。
一覧
2023年8月現在、『艦これ』においてこのカテゴリーに属する艦娘で実装されているのは次の通り。
また、史実では艦艇扱いでも、作中では特務艦扱いとなっている艦娘もいる。
※1 朝日については改造により練習特務艦から工作艦へと艦種変更される
※2 改造により特務艦以外の艦種に変わる(神威:水上機母艦、宗谷:灯台補給船・南極観測船、大鯨:空母)
※3 給糧艦については他の艦娘と異なりアイテム扱いのため、2023年時点では建造・ドロップ・出撃などは不可能
※4 史実では民間船徴用の「特設艦艇」
2018年8月の第二期で編成画面に「艦種別ソート」が実装され、上記の艦種に加えて陸軍所属の水上船艇や実質的には空母扱いの水上機母艦も本カテゴリーに分類されている。
オリジナル艦娘
pixivでは、実装前から宗谷をモチーフとするオリジナル艦娘のイラストが本タグをつけられて多数投稿されていた。そのほか、戦艦から標的艦に改造された戦艦摂津、宗谷同様に終戦まで生き延び現存している氷川丸(ただし氷川丸は特務艦ではなく徴用の病院船であった)などをモチーフにしたオリジナル艦娘のイラストにもこのタグが付けられている。
大鯨と同じく後に空母化改装された潜水母艦剣埼・高崎(ただし高崎は進水後潜水母艦として就役する前に空母化改装を受けている)のイラストに関しては艦娘前史タグの方が用いられている。