Just a Way!! Dashed away!!
データ
レース前
2015年からはレース名がドバイターフに変更されたため、ドバイデューティーフリーとしては最後の開催となったこのレース。
日本からは世界No.3の総大将ジャスタウェイを筆頭に皐月賞馬ロゴタイプと香港カップ2着トウケイヘイローら3頭が参戦。
世界からは、ここまで6戦無敗の南アフリカの雄ウェルキンゲトリクスやドバイワールドカップから急遽予定変更し参戦した欧州中距離王者ザフューグなどが出走。
世界各国からGI馬や重賞馬が一堂に介し、例年同様に豪華な顔ぶれとなった。
出走馬
馬番 | 馬名 | 性齢 | 騎手 | 生産/調教国 |
---|---|---|---|---|
1 | ムシャウィッシュ | 牡4 | L.デットーリ | 🇺🇸/🇫🇷 |
2 | ジャスタウェイ | 牡5 | 福永祐一 | 🇯🇵 |
3 | アナエロビオ | 牡6 | A.マーカス | 🇦🇷/🇿🇦 |
4 | ザフューグ | 牝5 | W.ビュイック | 🇬🇧 |
5 | エデュケイト | 騙5 | M.ギュイヨン | 🇬🇧/🇦🇪 |
6 | トウケイヘイロー | 牡5 | 武豊 | 🇯🇵 |
7 | トレードストーム | 牡6 | J.スペンサー | 🇬🇧 |
8 | タサデイ | 牝4 | S.デソウサ | 🇺🇸/🇦🇪 |
9 | ブレイジングスピード | 騙5 | J.モレイラ | 🇬🇧/🇭🇰 |
10 | ダンク | 牝5 | R.ムーア | 🇬🇧 |
11 | ウェルキンゲトリクス | 牡4 | C.スミヨン | 🇿🇦 |
12 | ロゴタイプ | 牡4 | C.デムーロ | 🇯🇵 |
13 | ハンターズライト | 牡6 | K.ファロン | 🇮🇪/🇦🇪 |
レース展開(動画・実況)
英語版
日本語版
実況:ラジオNIKKEI(中野雷太アナウンサー)
スタートしました!
さあ先行争いに入っていきます
スっとトウケイヘイロー、好スタート
飛び出していきました
武騎手、行きます、トウケイヘイロー
内をちらりと見やって
まずは内に寄せて先手を取りました
エデュケイト2番手か
その直後、前々でザフューグも競馬を進めています
更にはタサデイ、そしてブレイジングスピード
2番手集団、横に広がっています
外目、それらの後ろにロゴタイプはつけました
そして馬群の後ろ、集団の一角
ジャスタウェイ、福永祐一続いています
さあ逃げるトウケイヘイロー
向こう正面、中間を過ぎています
2番手に外からブレイジングスピード上がってくるか
その後ろ3番手からザフューグ、怖いザフューグ
そしてインコースはエデュケイト─今3コーナー回りました─タサデイ
その後の一団に、ややポジション下がったか
ロゴタイプ続いています
馬群の中にはアナエロビオ
3・4コーナー中間点に入っていきました
さあ逃げます、トウケイヘイロー武豊
リードを1馬身とっています
エデュケイト2番手、外ブレイジングスピード
その後ろ馬群の中にザフューグ
外からはタサデイ、更にロゴタイプ
そしてハンターズライトと動いていく
ジャスタウェイ、後方から3頭目で4コーナーを回って
さあ福永祐一、外へ出しています
第4コーナーから直線、残り400切りました
トウケイヘイロー並んでいったのはハンターズライト
更にはウェルキンゲトリクス
外からジャスタウェイだ!
ジャスタウェイ!300を切って先頭!
さぁ、鞭が入った!
抜けたジャスタウェイ!福永祐一!
200を切って!
1馬身、2馬身、3馬身リードをとった!
ウェルキンゲトリクス2番手!
その後、3番手争い、これは接戦!
独走だ!ジャスタウェイ!
ジャスタウェイ!!
世界のジャスタウェイ!!ゴールイン!!!
2着ウェルキンゲトリクス!!
そしてその後3番手はダンクか!?
4コーナー後方から2、3頭目、外目を回っていましたジャスタウェイ!
残り300、余裕綽々の手応えで前を捉えて先頭!
後は独走のゴールインでした
天皇賞馬ジャスタウェイ!
世界のジャスタウェイとなりました!
ジャスタウェイ、ドバイデューティーフリー圧勝!
恐るべし力…世界No.3のその力!
この一戦で証明してみせました!
福永騎手、余裕綽々!
リードをもう5馬身、6馬身大きく広げてゴールイン!
2着ウェルキンゲトリクスそしてダンク3着!
その後にムシャウィッシュ4着そしてアナエロビオ
その後ロゴタイプ、そしてトウケイヘイロー、ハンターズライト続いています
ロゴタイプ、トウケイヘイローは残念な結果となりました
しかしニッポンここにあり!
ドバイデューティーフリー!ニッポンやりました!
ジャスタウェイ!本当に強かったジャスタウェイ!
お見事、福永祐一、ジャスタウェイです!
天皇賞・秋で一気につけて抜けたあの脚…
その脚、世界でもまざまざと見せつけました!
もう軽く鞭を振るって観衆に応える福永騎手
余裕の表情です、ジャスタウェイ
4歳秋に覚醒、そして5歳春!
ドバイの地で世界にその名を知らしめる!
まさに父ハーツクライそのもの!
圧巻でした、ジャスタウェイ!
日本のジャスタウェイが
世界のジャスタウェイとなりました!
6戦全勝、南アフリカのウェルキンゲトリクスを
大きく大きく突き放しました
更にその後ろにブリーダーズカップフィリー&メアターフを勝っていますダンクをも
もうまるで力が違う
そう言わんばかりのジャスタウェイの快勝でした
オーナーも大興奮!
日本のジャスタウェイから世界のジャスタウェイ!
ドバイデューティーフリーを制しました!
さあ、福永騎手のインタビューをお聞きいただきましょう
Yuichi, You won by at least 10 lengths, tell me about your trip. Congratulations!
(おめでとうございます、ユーイチ。10馬身は離した勝利でした。レースについてお聞かせください)
Thank you very much. Amazing, I just ride him.
(ありがとうございます。 すごいです、私はただ彼に乗っただけです)
How does it feel to win for Japan on the world's biggest stage?
(世界最大の舞台で日本に勝利をもたらしたことについて、今の気持ちを教えてください)
He?? Ah- HAHA
(ヘ?? あー 、ハハ…)
Well done!
(お見事でした!)
Thank you, sorry.
(ありがとうございます、すみません)
レース結果
着順 | 馬名 | 着差 | 調教国 |
1 | ジャスタウェイ | R1:45.52 | 🇯🇵 |
2 | ウェルキンゲトリクス | 6.1/4 | 🇿🇦 |
3 | ダンク | 1.3/4 | 🇬🇧 |
4 | ムシャウィッシュ | 1.1/4 | 🇫🇷 |
5 | アナエロビオ | 1 | 🇿🇦 |
概要
レースでは、ドバイのゲートの仕様に慣れない故か、行き脚がつかず、ジャスタウェイはスタートに失敗し後手に。福永騎手は中山記念のような先行策をとるプランAを予定していたが、瞬時にプランBへ移行。有力馬と聞いていたウェルキンゲトリクスをマークする後方待機策を選んだ。後方2、3番手に控えてトウケイヘイローやザフューグが刻む淀みないペースを追走していく。
3コーナー過ぎ、ウェルキンゲトリクスが動くのに合わせてジャスタウェイも進出を開始。
そして第4コーナー。直線を向き、ウェルキンゲトリクス鞍上のスミヨン騎手が「勝った」と思った瞬間、外からジャスタウェイの末脚が炸裂し、あっという間に10頭をごぼう抜き。レコードを更新する走りを見せた2着ウェルキンゲトリクスを更に6馬身と1/4突き離し、コースレコードを2秒以上更新する大勝であった。このレースレコード1:45.52は現在も破られていない。(コースレコードとしては2024年のアルラシディヤでメジャードタイムが1:45.11を出して破っている。)
ジャスタウェイはこの勝利でレーティング130ポンドを獲得し、競走馬の世界格付けワールドベストレースホースランキングで日本調教馬初の世界単独1位に輝くと、そのまま同年末まで首位を譲らず2014年年間1位に。世界のジャスタウェイという実況は名実ともに現実のものとなった。
ロゴタイプは中団から伸び切れず6着という結果に終わったが、ベストターンドアウト賞(最もよく躾けられ、最も美しく手入れされた出走馬を担当する厩務員の努力を称え表彰する制度)を受賞。社台ファームは「厩舎関係者の皆さまが、ロゴタイプを最高の状態でレースへと連れて行って下さったことが、世界に認められた賞なのだと思います。」と回顧している。
エピソード
親子ドバイG1制覇
ジャスタウェイの父ハーツクライは2006年にドバイシーマクラシックを勝利していた。
ジャスタウェイの馬主大和屋暁氏は元々ハーツクライの一口馬主であり、ハーツクライ産駒を所有するために個人馬主となった。そして今度は自分の所有馬で勝利したいとして親子ドバイGI制覇を人生の夢としていたが、見事、現実のものとなった。
また、ハーツクライを管理した橋口調教師は「尚介(須貝調教師)がハーツの子でドバイのレースを勝ってくれた。しかも、父と同じぶっちぎりで。こんなにうれしいことはないよ」と自分のことのように喜んでおり、須貝調教師の元には「名誉を上げてくれてありがとう」とメールが届いた。そして「来年は自分たちがドバイへ行こう」と意気込んでおり、同じハーツクライ産駒ワンアンドオンリーの翌年のドバイ遠征に繋がっている。
ヒーロー列伝
進化する王者、世界の主役。 | 世界一の称号、父子の覇道。 |
WORLD TURF CHAMPION | TOP OF THE WORLD |
2006.3.25 Dubai Sheema Classic(GROUP 1) | 2014.3.29 Dubai Duty Free(GROUP 1) |
H E A R T'S C R Y | J U S T A W A Y |
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後にJRAによってジャスタウェイのドバイ制覇を讃えたヒーロー列伝が制作されるが、デザインを父ハーツクライのものと揃えたものである。東京競馬場の連絡通路や中京競馬場では親子の列伝が隣同士で飾られている。
ジャスタウェイ人形、世界を渡る
大和屋氏は馬名の由来となったジャスタウェイ人形を金色と通常色で1つずつドバイに持参した。金色verは昨年の天皇賞の祝勝会でテレ東のプロデューサーからもらった一番くじのラストワン賞で、通常verはジャンプショップで購入した貯金箱と思われる。
通常verは馬主席で紛失してしまったが、曰く「あのジャスタウェイは自らドバイに永住することに決めたんだと思います(笑)」。
金色verは勝利の瞬間、天高く掲げた後、表彰式で優勝カップのお礼としてプレゼンターに手渡し、プレゼンターを困惑させた。曰く「顔をしかめて『What's this?』と言ってきたので、『Just A Way!』と言っておきました」。
最終的にプレゼンターもノリノリで黄金のジャスタウェイを掲げるに至った。
これもまた世界のジャスタウェイと言えるか?
ウイニングポストの予言
レース5日前の3月24日、ウイニングポスト8(3月27日発売)の完成発表会にはゲーマーでありシリーズ全作をプレイしている福永騎手が出席した。そこでドバイDFをウイニングポスト8でシミュレートしたところ、ジャスタウェイ1着、ウェルキンゲトリクス2着という結果に。展開や3着以下は異なるものの、1-2着を的中させることになった。
父となった福永騎手
福永騎手は1週間前の3月23日に愛娘が生まれたばかり。
妻の松尾翠アナウンサーはブログで 「やってくれました!!!!!!!!!!」と喜びを爆発。「ジャスタウェイ陣営のみなさま、おめでとうございます!!!!夢と力をありがとうございます!!」と関係者に感謝の言葉を述べた。また「パパが生まれたばかりの娘にプレゼントをくれたように思えて……」「本当におめでとう。無事に帰ってきてね」と父となった福永騎手に言葉を贈った。