カードとしての能力
相手のクリーチャーを2体選ぶ。相手はその中から1体選んで自身の手札に加え、もう1体を破壊する。その後、自分は相手のマナゾーンからカードを2枚選ぶ。相手はその中から1枚選んで自身の手札に戻し、もう1枚を墓地に置く。
※殿堂入り⇒殿堂解除
概要
DM-11、つまりウェーブストライカーが初登場したパックで登場した呪文。
コストは7と重めだが、相手のクリーチャーをバウンスと破壊で2体、さらにマナをバウンスと墓地送りで2枚と、合計4枚もの相手のカードに干渉することが出来る、とても強力な呪文である。但し、2枚のカードをバウンスしている(残りの2枚は墓地へ置かれる)ため、バウンスしたカードを再利用されることもある欠点がある。そのため、バウンスしたカードを再利用させないためにロスト・ソウルなどのようなハンデスカードを使う、同じ弾に登場した焦土と開拓の天変を使ってマナを減らした後にこのカードを使うなどのような工夫も必要になる。
一見すると相手のカードを4枚も干渉できる点を持っていることからかなり強い呪文だと思われやすいが、実は初登場当時の水文明&闇文明を入れたデッキは長期戦が不向きであり、コントロール重視ではないデッキが多かったこともあり、あまり使われることがなかった。但し、初登場当初から【除去ガーディアン】のフィニッシャーとして入れられ、【除去ボルバル】に対してもミラーマッチ対策にこのカードを入れることがあった。
評価が上がったのは、多色カードがさらに増えた極神編からで、特に除去効果を持っていることから、あの聖鎧亜キング・アルカディアスも除去できる(さらに多色カードであるため、聖鎧亜クイーン・アルカディアスが存在していても唱えることが出来る)ということもあり、このカードの評価が上がった。
ヘヴィ・デス・メタルが登場すると、【黒ランデス】の切り札として活躍するようになる。前述した焦土と開拓の天変を使って7マナに繋げて、そこからこのカード(やロスト・ソウルや龍神メタルなど)を使うコントロールデッキであり、このカードを使えば店舗を掴むことが出来るようになり、一度ランデス連打でテンポを掴めば、最後は龍神ヘヴィと龍神メタルで蓋をすることが出来るという、とても強力なデッキになっていた。
戦国編では、その【黒ランデス】の採用カードになったソウル・アドバンテージや、呪文のサルベージが可能である魔光王機デ・バウラ伯の登場により、活躍の幅が広がった。さらに西南の超人の登場による【シノビドルゲーザ】の誕生により、そちらでも切り札として使われるようになった。もちろん、このカードで対策されるキング・アルカディアスデッキまでも、このカードを使用していた。
こうして、どんなデッキでもこのカードを連続で打たれるとほぼ逆転は不可能になることが問題視され、2009年4月15日に殿堂入りすることになった。殿堂入り後は、一発唱えられただけでも体勢を立て直せることが多く、決定力が欠けることが多く、デッキに投入されないことが多くなった。相性の良かった【黒ランデス】【シノビドルゲーザ】も、前者は龍神ヘヴィ、後者は威牙の幻ハンゾウ等の殿堂入り(ちなみに、ヘヴィとハンゾウは、後に両者共に殿堂解除されている)によってトップメタから転落したのも痛かった。
だが、あれから数年後、ドラゴン・サーガで、墓地からこのカードを唱えることが出来る上に、手札に戻せるため、もう一度唱えることが出来るという、非常に相性の良いカードである龍素記号Srスペルサイクリカが登場した。スペルサイクリカの登場後は、セットで使われることが多くなり、使用率が一気に回復。
その後もDの博才サイバー・ベガスや目的不明の作戦のようなコスト踏み倒しが増えたため、使用率がかなり増えている。双極篇に至っては、このカードを安定して手札に持っていくために、クリスタル・メモリーを1枚採用する人もいる。相性の良いカードが増えたことで使用率が回復していることもあり、(ランデス効果を持つカードである理由もあるかもしれないが)殿堂解除される見込みは薄いだろう。
と思われていたが、もはや除去のインフレに追いつかれたと判断されたのか2023年3月20日に殿堂解除されることになった。
余談
- DM-11で収録された、スーパーレアorベリーレアの「エターナル・~」を持つ呪文、通称『エターナル呪文』の一枚。それ以外のエターナル呪文は以下の通り。
エターナル呪文(読み仮名) | 文明① | 文明② | コスト | レアリティ | 簡単な効果の説明 |
---|---|---|---|---|---|
魂と記憶の盾(エターナル・ガード) | 光文明 | 水文明 | 3 | ベリーレア | バトルゾーンにある、進化以外のクリーチャーを1体選んで、シールドゾーンに置く。 |
調和と繁栄の罠(エターナル・トラップ) | 光文明 | 自然文明 | 5 | ベリーレア | 選んだ文明を持つクリーチャーが、次の自分のターンまで、自分を攻撃されなくなる。S・トリガー持ち。 |
憎悪と怒りの獄門(エターナル・ゲート) | 闇文明 | 火文明 | 6 | スーパーレア | 相手のシールドの枚数を、自分のシールドと同じにする。但し、相手はS・トリガーを使用できる。 |
破壊と誕生の神殿(エターナル・サンクチュアリ) | 火文明 | 自然文明 | 6 | スーパーレア | 相手のパワー5000以下のクリーチャーを除去し、同じコストのクリーチャーを山札からバトルゾーンに出す。 |
- ちなみに、魂と記憶の盾は、たった3コストで除去できる光文明・水文明の除去札であり、とても強力過ぎたのか、2008年4月15日に殿堂入りしたが、除去のインフレが影響し、2020年7月1日で殿堂解除されている。また、調和と繁栄の罠は、当初は使い道がなかったものの、ドラゴン・サーガでは、龍解したドラグハート・クリーチャーにも有効であり、最強熱血オウギンガのメタカードとして活躍。現在でも【5色コントロール】などで使用されている。残りの2種類に至っても、【マッドロマノフワンショット】で採用された時期があるなど、活躍時期が存在している。
- 何気に初のスーパーレアの呪文である。
- 相手のバトルゾーンやマナが1枚しかない場合、相手は先に「手札に戻す方を選ぶ」必要がある。そのため、1枚しかないバトルゾーンのクリーチャーやマナゾーンのカードは、墓地へ置かれず、バウンスで手札に戻すことになる。
- 『デュエル・マスターズ_プレイス』では、第5弾『永遠の戦渦 -VORTEX OVERLOAD-』で収録されている。クリーチャーの除去については選んだ2体のうちどちらをバウンス・破壊するかが相手の選択式からランダムに変更されたため、狙ったクリーチャーを除去出来るように若干強化されているが、コストは8に上昇し、さらにランデスに至っても、対象となる2枚のカードを選ぶことすらできなくなったため、枚数が少ない文明のマナ狙って色事故を起こさせることが狙いにくくなり、若干弱体化している。但し、コストの上昇やランデスの若干の弱体化はあるが、それでも強力な効果は健在であり、登場以降、マナブーストが出来るコントロールデッキで使われることが多い。
しかし、黒騎士ザールフェルドⅡ世の効果(自分のターンに呪文を唱えた時、その呪文よりコストが小さい呪文を自分の手札から1枚選び、コストを支払わずに唱える)によって、この呪文→デーモン・ハンド→魔弾オープン・ブレイン→炎獄スマッシュ(この内、オープン・ブレインは炎獄スマッシュを引き当てるために使用している)の順番で唱えるという見事な連鎖によって、維新の超人を除去することが出来た。
- アニメ版「ビクトリー」でドラゴン龍が切札勝太戦で使用されている。
- アニメ「キング!」ではエスパー・マギが切札ジョー戦で使用。戦霊混成ウルボランスの能力で唱えた。
- アニメ版「デュエル・マスターズWIN」ではハリウッドザフクシャチョウがプリンス・カイザ戦で使用、龍素記号wDサイクルペディアとのコンボで大きなアドバンテージを稼いだ。この時の試合の様子は生中継されており、それを見ていたパパリンは「やっぱマナだよなあ、潰したいのは」と呟いた。