デュエマに対しては「楽しむものではなく、己の全てを賭けて突き詰めていくものだ」という彼なりの矜持を抱いている。一方で、デュエマを楽しむウィンやパパリンを「ぬるい」と評し侮蔑する、敗者のデッキを取り上げて焼き尽くす、ウィンの怒りを焚きつけて本気を引き出すべく様々な精神攻撃を仕掛けるなど、行き過ぎた行動や戦闘狂としての一面も垣間見える。

アニメスタッフによれば、「正義のために暴走している」状態とのこと。

また、『デュエルマスター』と呼ばれる存在を探し求めており、社会から腐った大人を排除すること以外にも目的がある模様。

漫画版

パパリンがジャシン帝と関わりを持つウィンの親だとを知った途端に容赦なく排除しにかかった他、ウィンや邪神くんらアビスロイヤル達に対してレーザーによる物理攻撃を行うなど、デュエルを介さない手段も辞さない非情さの持ち主。

数年に渡って暗雲に閉ざされているシラハマの町の空に光を取り戻そうと奔走しており、上記の暴挙も、その原因が邪神くんであると睨んだことによるもの。

一方で、デュエルを介してパパリンの実力と人となりを認めて見くびっていたことを謝罪する、邪神の主であるウィンにも対してもカード知識の広さや腕前を賞賛する、ウガタに負けた腹いせにリアルファイトを仕掛けようとしたファルゴを制止するなど、アニメ版と比べて性格がマイルドになっている節が見受けられる。

総じて、漫画版では自他共に厳しく、目的のためならば非情になることも辞さないが、根は高潔な人物として描かれている。

また、こちらでは父親との確執は特に見られず、「腐った大人」を恨んでいるような描写も無い。

しかし物事にジャシンや謎の暗雲が深く絡むと我を忘れて周りが見えなくなってしまう辺り、正義のために暴走してしまう所はアニメ版と変わらない模様。

鉄仮面の男

CV：藤井隼

カイザのボディーガードの仮面の大男。カイザのことを呼び捨てにしており、単なる側近以上の存在であるような描写が見られる。

漫画版では、ウィンが《邪龍ジャブラッド》を従えてカイザとの対決に向かう際に、それを追うパパリン、ボウイ達の乗る車付近に爆発を起こす、空を飛行するなど常人離れした行動をしている。

アニメでも、とある人物を炎に包まれた異空間に幽閉する、爆円の中から何事も無かったように現れる等、漫画版と同様に人間離れした存在のように描かれている。

アニメ第21話では《邪龍ジャブラッド》について「ジャシン帝と組むと厄介なことになる。」「誰も我らの道を阻むことは出来ぬ。」と、まるで超獣世界やアビスロイヤルについて熟知しているかのような意味深な会話をカイザとしていたが…？

その正体は《轟炎の竜皇ボルシャック・カイザー》が人間の姿を取った存在。

アニメではカイザが幼少期に巻き込まれた飛行機の墜落事故の時、飛翔する《ボルシャック・カイザー》に「大義のため、デュエルマスターであるお前を死なせない。共に戦おう」と命を救われ、1人だけ生還したのが「不死身のカイザ」の正体である事が第25話で判明した。

決闘学園編16話にてデュエマさいこークラブ+マイハマ組によって作られたタコさんウインナーを食べた時、あまりの美味しさに力が漲って仮面が光り出したが、カイザが指輪を発光させた事で仮面の光が消え、落ち着きを取り戻した。

この事から人間状態の彼が付けている仮面は力を制御するリミッターであり、カイザの指輪と連動していると思われる。

決闘学園編第33話にて、突如宇宙からやってきてマイハマを滅ぼそうとした闇のマナを阻止・新たな太陽を造り出し、マイハマに光を取り戻した救世主であったことが判明した。

しかし下記以外にも、筆者の考えが間違っていなければ色々と突っ込み所の多い理屈である。

普通の太陽は地球の自転の影響で、日本だと東から昇り西に沈むように見える。上記の理屈だとマイハマはずっと昼間になるはずだが、ボルシャックの造り出した太陽は通常と同様の動きをするのだろうか?
またマイハマ以外の地域から見ると、太陽が2つ存在することになり、大ニュースになるはず等。

活躍

アニメ版

シラハマ編

ウィンの父・斬札ガッツことパパリンとのリストラをかけたデュエマでは、同じ【ボルシャック】を使う彼を《轟炎の竜皇ボルシャック・カイザー》で圧倒。

自らの人生をかけた勝負であったにもかかわらず、試合後に笑顔でお礼の挨拶をするガッツの態度が逆鱗に触れたのか、彼に「ボルシャックを使う資格はない」と宣告し、仮面の男をけしかけたリアルファイトの末、彼のデッキを焼き尽くしてしまった。

このデッキはウィンの誕生日に二人で組んだ思い出のデッキであり、この一件が原因となってウィンは幻滅し、カイザへの復讐を誓っている。

14話においてウィンに上述の「自分への挑戦権」を使用したデュエルを挑まれ、直接対決が行われるも、ここでも《ボルシャック・カイザー》の無限攻撃でウィンを圧倒し、勝利した。

また、ウィンが手に入れたばかりのカードである《深淵の壊炉マーダン=ロウ》を召喚した際、その存在を予め知っていたかのような反応をしている。邪神くんがこれについて指摘したことで、ウィンたちは自分たちの中に潜む裏切り者を探すことになった。

因縁の決着

ジャシン帝を葬るため社員達を使い、《邪龍ジャブラッド》を手に入れて特訓に出掛けようとしていたウィンを自社のビルまで拉致。

契約により内通していたスパイをウィンにけしかけてデュエルさせたが、彼女が敗北しウィンに絆されかけたことで、仮面の男に彼女を異空間に閉じ込めさせた。

その後、パパリンや仲間を何度も傷つけられたことで怒りに燃えるウィンと二度目のデュエルを行う。

この対戦では赤緑基盤のビッグマナに寄せたデッキを使用。

《ボルシャック・カイザー》の無限攻撃や《ボルシャック英雄譚》による大量展開と言った猛攻撃でウィンを追い込むものの、S・トリガーで発動した想定外のカードである《調和と繁栄の罠》の前にトドメを刺し損ねる。

(調和と繁栄の罠は自然/光の呪文であり、皮肉にも自身が切り捨てたボウイとカレンのデッキカラーである)

形勢が逆転し、《ボルシャック・ドギラゴン》の革命0トリガーで最後の抵抗を試みるが、《ジャブラッド》の除去耐性によって全て捌き切られ、敗北した。

皮肉にも、この時、かつて罵倒していたパパリンと同じように《ボルシャック・ドギラゴン》の強制バトル効果が相手のクリーチャーの効果によって失敗したという構図になっている。

また、この時に邪神フィールドを火文明の世界に塗り替えている。ウィンと同様に本物のクリーチャーと盟約を交わしたことで得た能力だと思われる。

決闘学園編

マイハマ学園の生徒会長として過ごしており、『デュエルマスター』を巡った一連の行動が理事長の指示による物であることが匂わされている。

ボウイの成長に対して嬉しく思っている反面、D4の一員であり続けるには依然として力不足であるとも感じており、彼に次期D4候補とのデュエルという試練を課す。

カレンが新たなD4に就任した際は、口では歓迎と称ししつつも警戒しており、彼女に尋問を兼ねて業火のデュエル(互いの待ち時間5分。敗者は火に焼かれる)を挑み※、勝利した。

※カレン=忍びと知っていたため。もし自身の会社の企業秘密の入手や学園の生徒・教職員に危害を加える等の依頼を受けていた場合、立場上絶対に排除しなければならないから。

その後第16話ではデュエマさいこークラブの出し物であるタコさんウインナー屋台の料理を食し彼らの出し物を公平に評価していた。また、その際の「お前そんなキャラだっけ」と言わんばかりのリアクションや、源さんの趣味であるソロキャンプに好意と理解を示す等、意外な一面が話題になった。

実はファルゴの行き過ぎた行動には前々から嫌悪感を示しており、中々譴責しなかったのも蓋を開けてみれば、処分するとD4の権威が落ちること故の危惧からであった（ボウイがすでに何度も敗北しており、追放の処分を下しているため）。それ故彼が（イカサマをした挙げ句に）公衆の前でウィンに敗れた際には、「処分の口実が出来た」と発言しているため、人間としても根は善人の様子。

第19話でリッパー教授がマイハマの教員として赴任した際は、学園に相応しい実力が無ければ排除する旨をD4メンバーに通達するが、未知の力を操る上に、クリーチャーの実体化について知っている等、教授の底知れなさに翻弄される。

第23話のアバンでは、マイハマ学園にて信仰対象となっている『女神ウィナ』へ祈りを捧げており、それによれば、冷徹なまでに力を追い求める姿勢には彼の母親の身に起きた出来事が深く関わっている模様。

因みに第24話ではマズキやケンドラ、果ては源さんにまで真似され、ネタにされていた。

第33話では、彼の過去が判明。彼の母は宇宙開発を進めており、太陽光を百倍に増幅する装置を作成し、地球のエネルギー問題を解消するプロジェクトの責任者を務めていた。しかし突如宇宙からやって来た闇のマナの塊が飛来・激突し、装置は爆発。母は帰らぬ人となった。彼は塞ぎ込むも、指輪が輝き出し、ボルシャック・カイザーを召喚した。そしてボルシャック・カイザーが新たな太陽を造り出し、マイハマに再び光が戻った。彼は母の願いであった光溢れるマイハマを築こうと歩み続けているのである。

ここから、いくつかの事が判明した。まず彼の所持している指輪は、お守りとしてもらった母親の形見であった。
D4に匹敵する実力を持つにも拘わらず、ウィンがD4に加入出来ない理由の一つは、彼の操る闇のマナが母親の仇であり、自身が創ろうとしている世界と相反するものである為であった。また、ウィンが嘗てマイハマを滅ぼそうとした闇のマナに近い存在とも言える。

そしてついに因縁の戦いとなるデュエル・ウォーズ準決勝2回戦。

互いに譲らない戦いを行うが、女神ウィナの囁きにより、カイザはついにボルシャックの真価を発揮させるため、ボルシャックが創り出した太陽、もとい火文明のマナを取り込ませ、「竜皇神ボルシャック・バクテラス」を召喚する。しかし、巨大な火文明のマナをコントロールできず、デュエルフィールドは崩壊、バクテラスは暴走状態に至りかけ地上に姿を現し、2人はデュエル続行不能状態となり、デュエル・ウォーズは一時中断となった…

しばらくして生徒達が謎の体調不良を起こすという事態が発生する中、この騒動はジャシン帝が起こしたものではないかと思い始める。

さらにどこからか亡き母の声が聞こえてきて、この騒動の犯人、そして母を殺したのはジャシン帝と告げられ、完全にジャシン帝を滅ぼそうとボルシャックの覚醒を望む。ボルシャックはクリーチャーワールドの火文明の太陽のマナを取り込み、完全制御が可能となった。

もはやジャシン帝への復讐にしか目がないカイザはD4解散命令を下すが、ボウイが止めに入る。

それでもボウイは彼の復讐を止めることが出来なかったが、そこにウィンとジャシン帝が現れる。

そして始まったウィンとの因縁のデュエマでウィン新たなジャシン帝のファイナルエンドで呼び出された大量のアビス達の総攻撃を受け最後のシールドトリガーで全てのクリーチャーを破壊するアポカリプス・デイを引くとウィンに負けず嫌いなんだよと言われるとムキになるがジャシンは自身の効果で場に留まったためとどめを受け敗北。しかしその直後に自身の闇のマナを吸われ相棒のボルシャックも消滅してしまった。

漫画版

ウィンのことはボウイから報告を受けており、自分の座を脅かす者として注目している。エキシビションマッチ後のインタビューにおいて、公共の電波に乗せる形でウィンが自分の座を脅かす者だと宣言し、事実上の宣戦布告を行った。

パパリンとのリストラをかけた対戦では、パパリンのプレイングを認めるもののウィンの家族とわかると容赦のない攻撃を行った。その後、パパリンの仇討ちのためにマイハマタワーに来たウィンと邪神くんを打ち倒すべくデュエル。

《オーバーキル・グレイブヤード》とアビスラッシュにも怯む事無く、デッキに４枚入れた《ボルシャック・カイザー》による不屈の連続攻撃と《コッコ・武・ルピア》の墓地リセットでウィンを追いつめた。

しかしそれが「デュエルが楽しくなると、強い相手に相乗して強くなる」ウィンの真価を引き出してしまい、《ファッション・ナスオ》のマナ加速と《アビスベル=ジャシン帝》のアビスラッシュによるコンボで逆転されてしまい、独りになった《ボルシャック・カイザー》もシビルカウントを発揮出来ずにジャシン帝とのバトルで倒された。

デュエルでの敗北が決定的となったカイザは、せめて実体化したジャシン帝だけは葬ろうとミサイル迎撃用のレーザーを発射するも、ジャシン帝に弾かれた上に反撃されて死亡した…かに見えたが、寸前にボルシャック・カイザーに救われ生還している。

そしてリッパー教授の手引きで覚醒したジャシンに対抗すべく、ボルシャックが持ってきた火のマナの結晶たる小型太陽を用いたパワーアップを決行。

ジャシン打倒に燃え過ぎて正義が暴走してしまい、周囲の被害を顧みなくなってしまった。

異常な暑さとなった学園を救うべく、ボウイはジャシンをカイザに差し出すようウィンに土下座し、イッサはジャシンを消すべくウィンとデュエルする事となった。

しかしイッサは敗北し、ウィンとの取引である「たこさんウィンナー、やまもり」によってやる気MAXとなったジャシンの特攻によって小型太陽を破壊され、ボルシャックのパワーアップ計画は失敗に終わった。

更に自分の計画によって被害を受けた生徒達からの憎悪の目を恐れてその場から逃げ出した。

火傷なども負傷者を約80名出した騒動を解決したウィンは一躍学園のヒーローとなり、騒動を起こしたカイザは一転学園の嫌われ者となった。

そして【※マイハマ学園裏掲示板】にはカイザを嫌悪するコメントで溢れていた。

因果応報ではあるが敵意悪意にまみれていたカイザと生徒会長となった事で激務に追われる事となったウィン。

互いに精神的に追い込まれた状態でウィンがカイザの秘密を知り、そしてその現場を見て激昂したカイザによって一方的に責められ殴られたウィンも激昂。

二人の喧嘩は周囲に止められ、翌日のデュエルにて決着を付ける事となった。

そして当日、互いに手段も切り札も知られている中でのデュエルは真剣で切り合うが如く苛烈なものとなった。

手札１枚を犠牲に３マナでアビスラッシュした《テブル＝ザザーム》で《アビスベル=覇=ロード》を革命チェンジしてジャシンの爆速降臨を決めて速攻を仕掛けるウィン。

対して《ボルシャック・アークゼオスNEX》の能力と革命チェンジした《ボルシャック・ヴォルジャアク》でシールドを増やすカイザ。

そして激闘の中で心の底、魂に熱い炎が再び点火した事でカイザが覚醒、《竜王神ボルシャック・バクテラス》を降臨させる。

次々に現れ集結するドラゴン軍団にジャシン達は敗れ去り、ウィンの場はがら空きとなる。

それに対して何もせずしかし何かを秘めてターンエンドするウィンに対し、何もさせまいとヴォルジャアクの終局宣言を起動。更にバクテラスでバクテラスを革命チェンジして更なる増援を呼び出し、会場の空を埋め尽くすほどのドラゴン軍団でウィンのシールドを全ブレイク。

Rev.タイマンで攻撃を止められるも敗北回避能力でダイレクトによる勝利もエクストラウィンも封じた為に負ける事はないと思われた。

しかしウィンはこうなる事を待っていた。全力速攻を仕掛けたカイザの山札が６枚以下になり、手札に《モノクル＝ドクトール》が３枚揃うというピンポイント過ぎる条件が揃う時を待っていた。

返しのターン、ウィンは呪文《すべてを見通す眼だ》を３枚発動。

デッキが空になってターンを返された事でカイザは敗北し、そのまま気を失った。

しかし、実は事前に改めて調査した結果、「マイハマが闇に包まれたのはジャシンによるものではない」ということを見抜いていた一方で、ウィン達に勝つことに強いこだわりを持つ理由を知りたがっていた。そしてその理由がウィンが自分のライバルに相応しい人間であることをデュエマを通して見つけた今、その顔は晴れやかなものだった。