概要
野球の勝敗や点差、個人の成績等、野球に関するさまざまな賭博をさす。
特に勝敗に関しては高校野球において行なわれることが多いといわれる。
またプロ野球においてはハンデのつけ方やらいろいろ複雑なルールが存在しているといわれる。
この行為は個人的に行われるものや職場のレクレーションとして行われるものから、かなりの資金力を持つ胴元と呼ばれる元締めの組織が存在するものまで存在し、大きい胴元だと億単位の金が動くとも言われている。
かけ金はさまざまであり、個人的に行われるものだと「食事やジュース等をおごる」程度だったりするが、通常問題になるようなものであると最低1試合1万円が相場といわれる。
またプロ野球にて行われる場合火曜日から賭けが始まり、日曜日に締める。精算は野球の試合が通常ない月曜日であるといわれる。このため前日負けても翌日勝てば相殺されるとの理由から、のめり込む人もいる( そしてたいてい借金を負う羽目になる )。
世界中で盛んなサッカー賭博(トトカルチョ)等と比べると主としてアジアおよびアメリカなどで行われる程度で小規模であるとされるが、違法行為には違いないため、2010年に発覚した大相撲の野球賭博問題では多くの力士が解雇、謹慎休場などの処分を受けることになった。
2015年末には読売ジャイアンツの選手3人が野球賭博を行ったとして永久失格処分となり、2016年3月にはさらに選手1人が野球賭博を行ったことが発覚。
これによりナベツネこと渡辺恒雄最高顧問を含む役員3人と原辰徳監督が引責辞任するという事態となった。
これに関連して円陣でお金のやり取りが行われていた事も発覚している。
ちなみに、日本野球機構は選手以外の処罰は行われておらず、何事もなかったかのようにペナントレースを実行した。追加が危ぶまれていた東京五輪にも実施が決定した。賭博を行った選手も現役復帰している。
野球賭博と八百長
また胴元が野球選手や球団を買収し自分に有利な試合にさせる八百長事件も過去には発生している。
日本においては黒い霧事件が有名である。このような事態を起こせばチームはしばしば解散の危機にみまわれ、その球団が所属するリーグも打撃を受けることが多い( 例外は韓国における八百長であり、これは他のプロ競技、具体的にはサッカー、バレーボール、バスケットボールにも八百長が発覚したこともあり、野球においては追放者2名を出したものの影響は少なかったといわれる )。
球団が解散に追い込まれた例としては黒鷹事件( 台湾の野球リーグ、中華職業棒球聯盟所属チームが賭博に絡む八百長を行ったとされ、チームの大半が追放された事件 )を起こし選手の大半を失った時報イーグルスや球団ぐるみの八百長が発覚( 黒米事件 )し調査すると球団自体が暴力団の資金で運営されていたのが発覚しリーグ除名に追い込まれた米迪亜ティー・レックスなどがあった。事件当時はプロ野球選手の給与があまり良くなく、選手らが大金の報酬をエサに暴力団から付け込まれるのが原因とされ、2010年代に選手待遇を改善した事でこうした八百長事件は消えていった。
また、経営が著しく悪化した例としては黒い霧事件を起こし身売りに追いやられた西鉄ライオンズやブラックソックス事件( 1919年、MLBのワールドシリーズで発生した八百長、背景にはオーナーが金を出さないなどの問題が存在した )をおこし大リーグの信頼を失墜させたシカゴ・ホワイトソックスがある。