概要
和風ホラーゲーム「零シリーズ」の第四作目。開発はテクモ(現コーエーテクモゲームス)、販売は任天堂。
プラットフォームはWii(後方互換によりWiiUでもプレイ可能)。
キャッチコピーは「恐怖を体感する」。
テクモが現コーエーテクモとなる前に掲げた「テクモ×任天堂プロジェクト」の第1弾タイトル。これまで零シリーズを開発・販売共に手掛けてきたテクモは開発に回り、販売は任天堂が担う形となっている。本作以降、零シリーズは任天堂製ハードで展開していくこととなる。
また、本作は合併前のテクモにとって最後の零シリーズとなった。『零~眞紅の蝶~』からはコーエーテクモゲームスが後を引き継いでいる。
「月蝕」の読みは「げっしょく」ではなく「つきはみ」である。
零~刺青の聲~までの三作とはおそらく直接的な接点はない。
本作のシナリオディレクターには『Killer7』や『ノーモアヒーローズ』などで知られるグラスホッパー・マニファクチュア代表でもある須田剛一氏が参加している
タグは「月蝕の仮面」で登録されていることが多い。
2023年年3月9日にはリマスター版が発売された。
対応プラットフォームはニンテンドースイッチ、PlayStation5、PlayStation4、Xbox X/S、Xbox One、Steam。
あらすじ
「誰も覚えてないことは、存在しないことになるのだろうか…」
本州の南に浮かぶ島「朧月島(ろうげつとう)」で十年に一度開かれる「朧月神楽(ろうげつかぐら)」。
その神楽の最中に、五人の少女が神隠しに遭った。
少女達は一人の刑事に助け出されたが、全ての記憶を失くしていた。
神隠しに遭った少女の一人、「水無月流歌」には微かに憶えていることがあった。
それは、一つの旋律…
―仮面をつけた人々に囲まれて楽器を鳴らす少女達―
―そして月の光の中で憑かれたように踊る仮面の女―
旋律は繰り返され、速まり… やがて記憶は途切れた。
あの日、何があったのか…?流歌はその想いを抱え、過ごしてきた。
十年後、神隠しに遭った少女のうち、二人が相次いで死んだ。
顔を覆い、泣き叫ぶ様な無残な姿で…
流歌と共に残された少女、「海咲」と「円香」は友人の死の謎を解き明かすために朧月島に向かった。
そして二人を追って流歌も島へ渡る。
失った記憶の先にあるものを確かめるために…
以上、wikipedeiaより抜粋
登場人物
主要人物
水無月流歌(みなづきるか)
主人公の一人で、朧月島出身の17歳の少女。神隠しにあった五人のうちの一人。ピアノを学んでいる。
神隠しに遭う以前の記憶を失っている。失った記憶を取り戻したいという思いから、母である小夜歌の制止を振り切って朧月島に渡る。
月守の巫女の血筋を引く。
両親は離婚しており、旧姓は「四方月(よもつき)」。
麻生海咲(あそうみさき)
主人公の一人で、朧月島出身の17歳の少女。神隠しにあった五人のうちの一人。我儘で意志が強い。
天倉姉妹(零~紅い蝶~)や麻生優雨(零~刺青の聲~)同様、射影機を作成した麻生邦彦博士の子孫に当たる。霊媒体質でもある。
ある日鏡に映った黒衣の少女の「帰ってくるの…朧月島…」という言葉に導かれ、月森円香と共に朧月島へ渡る。
月森円香(つきもりまどか)
主人公の一人で朧月島出身の17歳の少女。神隠しにあった五人のうちの一人。気が弱い性格。
海咲の友人だが、気の弱さから海咲の言いなり気味。
朧月島に行く事に乗り気ではなかったが、海咲に言われるままついていく。しかし灰原病院で海咲とはぐれ、彼女を探しているうちに怨霊に囲まれて死亡。その後彼女自身も怨霊と化して流歌や海咲に襲いかかってくる。
霧島長四郎(きりしまちょうしろう)
主人公の一人で元刑事の探偵。27歳。
刑事時代に連続殺人の容疑者である灰原耀を追って朧月島に渡った際、神隠し事件と朧月神楽での巫女の急死に遭遇する。その後、神隠しにあった五人の少女を発見し救助する。
神隠し事件がきっかけで懇意になった小夜歌の依頼で、朧月島へ向かった流歌を追う。彼のみ射影機ではなく小夜歌から受け取った霊石灯(れいせきとう)を使用して戦う。
その他人物
水無月小夜歌(みなづきさやか)
水無月流歌の母親。霧島長四郎に流歌のことを頼み、霊石灯を託した。
月守の巫女であり、流歌に月守歌を教えた。
灰原耀(はいばらよう)
霧島が追っていた連続殺人事件の容疑者で、灰原朔夜の弟。
灰原朔夜(はいばらさくや)
灰原耀の姉で、朧月館の院長の娘。
霊媒体質であり、重度の月幽病患者だった。
亞夜子(あやこ)
灰原病院の207号室に入院していた少女の霊。
幼さに反して残虐かつ攻撃的な性格で、当時7歳の円香を階段から突き落としたり看護婦を刃物で刺したり、円香が大切にしていたペットのカナリアの首を鋏で切り落としたりするなど、看護婦や他の患者から恐れられていた。
朧月島の島民を滅亡させた無苦の日の際、月幽病が悪化しながらもただ一人生き残った。
その後、本土の病院へ運ばれたが死亡した。
黒衣の少女/海夜(みや)
海咲の前に現れる謎の少女。海咲と酷似した容姿をしており、彼女に朧月島に戻ってくるように伝えてくる。
用語
- 朧月島
物語の舞台である離島。かつてはお面や仮面などの面打ち業が盛んであり、射影機のフィルムも朧月島の面打ちで使われる塗料から作られていた。
流歌たちの故郷だが、流歌たちは10年前に神隠しにあった後に島を出ていた。8年前に島民全員が死亡するという事件が起き、現在では無人となっている。
- 月幽病
朧月島の風土病。島には専門の灰原病院がある。
精神疾患や記憶障害が出現し、月の光に惹かれるようになる。症状が進行すると患者には自分の顔が歪んで見えるようになり、鏡を見るのを恐れるようになる。軽快する事もあるが治療の術は無く、何かのきっかけで再発する事もある。
大体の患者は末期になる前に月の光を求め徘徊し自殺してしまうが、末期になると他者から見ても顔が歪んで見える「咲く」と呼ばれる状態になり、咲いてしまった顔を見た人間も咲いてしまう。そのため二次感染を防ぐために死んだ月幽病の患者の顔を剥ぐという風習がある。
- 朧月神楽
10年に一度行われる朧月島の祭事であり、観光の目玉。器と呼ばれる巫女が面を被って舞い、同じく面を付けた奏と呼ばれる五人の少女が伴奏する。10年前にも行われたが器を務めた看護師が祭事中に心不全で急死し、中断された。
- 帰来迎
観光行事と化した朧月神楽の本来の姿。魂の根源といわれる零域に器を通じて死者の魂を送る為の儀式。また器も魂を零域に送ることで自我を洗い、正しい形にして戻すとも言われている。面は「月蝕の仮面」を使い、器の巫女も奏の五人の少女もお面や音楽との感受性が高い人間が選ばれる。
月幽病治療の最後の手段でもあるが、大昔に「月蝕の仮面」を打ち損じて失敗した際に器が咲き「無苦の日」を引き起こして島民をほぼ全滅させた事から、僅かに生き残った島民により禁忌として封印され、その技術は失われていた。
10年前に灰原朔夜の月幽病の完治の為に、麻生博士が島に残した射影機の過去を写す力で失われた大昔の資料を復元し、灰原病院の地下で秘密裏に行われていたが、儀式に必要だった月守歌を取り入れなかった為に失敗してしまい(その余波で同時に表の朧月神楽をつとめていた器役が死亡した)、2年後に「無苦の日」が起きてしまった。
- 無苦の日
帰来迎の失敗で起こる災い。器の巫女が「咲いた」状態になり、島民全員を咲かせてしまう。その規模は失敗の回数により徐々に大きくなり、大昔に起きた時は地下に逃げ延びた住民は生き残ったが、8年前に起きた時は地下に逃げた人々も咲いてしまい、島民は全滅した。3度目になると世界規模になると言われている。
暴走した器は不完全な帰来迎で狂っている状態であり、止めるにはもう一度正しい帰来迎を行うしかないと言われている。
射影機、霊石灯について
射影機とは、異界研究者の麻生邦彦博士が開発した“ありえないもの”を写すことができる特殊なカメラ。怨霊を除霊したり、浮遊霊、地縛霊も撮影可能。撮影することで、ヒントを得ることもある。
形状は立方体のような形をしており、作中では二つ登場する。一つは病院内の麻生博士の記念室で円香が拾ったもので、後から島にやってきた流歌が所持する。この射影機はかつて麻生博士が研究のために島を訪れた時に、この島に射影機の力が必要になる日が来てしまうことを予感し、島に寄与したものであった。
海咲は麻生博士の子孫であり、過去を写す力が役に立つと思って家から持参してきた射影機を所持していた。能力は多少異なる。
霊石灯も麻生博士の発明品であり、射影機と同じ効果を持つ。長四郎が小夜歌からいざというときのために預かった。形状は懐中電灯に似ている。
顔について
イラストなどで多く見受けられているのは、『顔が歪んでいる事』。これは本作でも実際に起こっている。顔やお面に関わるイベントが多いためである。
余談
零シリーズ恒例の霊リストだが、今作ではバグにより霊リストのコンプリートが不可能。
というのも、リストの中にその撮るべき霊が反映されなかったり、存在してる筈なのに撮影が出来ないという作品として致命的なミスが有る為である。
(そのため、霊リストをコンプリートした際に手に入る『祭』のレンズも入手不可能)
…お詫びのコメントを出すぐらいなら、修正パッチでも入れれば良かったと思うが。
あれこれ
機種 | [Wii]] |
---|---|
ジャンル | ホラーアドベンチャー |
発売日 | 2008年7月31日(木) |
価格 | 税込6,800円 |
開発 | テクモ |
販売元 | 任天堂 |
CERO | C(15歳以上対象) |
※まだ黒パッケージ導入前
関連タグ
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