あれは強く、美しく、そして恐ろしい
・・・近付くなど、愚者の所業よ
概要
エルデンリングの舞台「狭間の地」存在する地域、リムグレイヴの「アギール湖畔」という場所を歩いていると、湖畔の真ん中の浮島に貴人が集まっている。ルーンを稼ごうと近付くと、不意に空中から現れて貴人を鏖殺していく巨大な竜が現れ、壮大なBGMを鳴らしながら此方に向かって咆哮してくるワイバーンがこの飛竜アギールである。
何の情報も無く突然現れるが、とある場所にいる編み笠のようなものを被っている剣士を見つけていると「この先は竜の縄張りだからやめた方が良い」という忠告を送ってくる。それを無視して湖畔の真ん中に行くと奴が現れる。
超大型エネミーの多いエルデンリングであるが、この飛竜アギールもゲームの中でもかなり大型のワイバーンであり、後のステージで現れる飛竜グレイルや輝石竜スマラグ(アデューラ)、溶岩土竜などを比較しても圧倒的なサイズをしている。匹敵するサイズは古竜、もしくは腐敗に満ちた大地に眠る復讐者くらいである。
強さ
フロムゲー、ひいてはソウル系では序盤に登場する巨大なドラゴンは例外なく恐ろしく強く、このアギールもリムグレイブから離れずに探索・攻略してるプレイヤーのレベルではブレス一発で消し炭にされてもおかしくない超絶火力を持っている。
しかしこのボスは遭遇しても逃げることが可能であり、また無理して倒さなくてもゲームクリアが可能ないわゆるFOEのような立ち位置にある。
戦闘時は距離を離すと火炎ブレスを吐き、懐に入った場合は踏みつけや旋回による尻尾振り、前面にいれば噛み付きを行う。跳躍した場合、そのまま照準を合わせる様に滞空した場合はその後勢いをつけての踏みつけに、そのまま口に火を含んで突っ込んでくる場合は左側を焼く様に滑空してくる。
一撃一撃が非常に強力なため、HPが少なくとも20以上、装備もある程度充実していないとほぼすべての攻撃がワンパンになる。本作はハクスラ要素の強いゲームであるため、勝てないようであればまずはルーンを稼いでレベルを上げ、使える武器や持てる装備を拡充してからやり直そう。
だが、所詮は序盤に出てくるボスなので、後に戦うことになる飛竜グレイルや輝石竜スマラグと比べると実力は大きく劣る。
報酬
撃破すると「竜の心臓」という貴重品と、竜餐教会という場所で竜の心臓を消費して覚えられる「アギールの火炎」と呼ばれる祈祷が実装される。きわめて強力な火属性攻撃であり、火属性弱点の敵であればこのブレス数発でボスすら焼き尽くすことができる圧倒的な暴力である。しかしアギールの火炎は非常に燃費が悪く、FPが500越えでカーリアの紋章というタリスマン装備でもタメ2発が限界であるため、使い時には注意。
余談
竜に焼かれた廃墟
アギール湖畔の南側に転送トラップのある宝箱で有名な「竜に焼かれた廃墟」という場所がある。
ここにいる貴人は褪せ人の存在に気付いていないと北、丁度アギールの出現位置を見つめながら「アギール」の名前を口にしてブツブツと喋っている。
彼らはその身を飛竜アギールに焼かれ消滅することを望んでおり、実際に出現位置でアギールを待っている貴人達はアギールに殺された後復活しなくなる。
あれはアギールによる不意の襲撃ではなく、彼らが望んだ結末であったのだ。
編み笠の褪せ人も忠告の際「竜炎に焼かれ、死を望む亡者」について言及しており、祈祷「アギールの火炎」でも、彼らが飛竜の炎に焼かれたがっていたという旨のフレーバーテキストが存在する。
リムグレイブの湖では、亡者たちが空を見上げ
その竜炎に焼かれ死ぬことを祈っていた
竜餐について
エルデンリングの世界においても「竜」は特別な存在であり、その圧倒的な強さはある種の畏敬の念を感じさせるものとして人間に様々な影響を与えている。かつて古竜戦役と呼ばれる大戦争が起こり、その終わりに一人のデミゴッドと古竜の一体が友諠を結び戦いを終えた。その際に王都ローデイルに住んでいたとある司祭によって竜雷を扱う古竜信仰が広まり、一部の騎士は雷に関わる強力な祈祷を覚えている。
また、古竜以外の竜に対しても特段「力」の象徴として戦う者たちにはひときわ注目されており、一部の戦士はその圧倒的な力を持つ竜を殺め、その心臓をとある場所で喰らい竜の力を身に宿す『竜餐(りゅうさん)』という暴挙に出ている。
これによって竜の力を得た戦士は頭や腕を変化させ、それぞれの竜が放つブレス攻撃や、引っ掻き攻撃、噛み付き等の攻撃を祈祷として行えるようになる。
しかし、竜餐について知る人曰く「竜餐を行ったものは、いずれ人ではなくなる」と言われており、最終的にはその圧倒的な力に呑まれ、地を這う愚かな竜に成り下がるのだとか。
また、竜側もこの行為についてなんとも思っていないわけではなく、ケイリッドには「竜餐の復讐者」と呼ばれ、竜餐教会に向かう者たちを殺し続けているある竜が存在する。その竜の執念はたとえその身がその地の環境によって『腐りゆく』体になっても尚復讐者として教会の前を離れないほどである。
後にDLCコンテンツで語られることになるが、この竜餐は人類側から自然発生した概念ではなく、ある存在の怨敵に対する当てつけとして広げられたという作為的な現象であったことが発覚する。