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概要

兗州泰山郡東平陽県の人(祖籍は并州上党郡屯留県)。

祖先は前漢の司隷校尉の鮑宣。父は鮑丹。弟は鮑韜。子は鮑卲・鮑勛。

代々儒学で名を成した家系の出身。鮑信は寛大で節義を弁え、智謀に秀でていたといわれている。また、常に質素な生活をしていたこともあったため、多くの人から慕われていた。

霊帝の時代、何進の招聘を受けて騎都尉となる。

張譲十常侍と対決することを決意した何進の命令で、同郷の王匡と共に故郷に戻り兵を募るも、成皋の地に辿り着いたところで、何進が十常侍に暗殺されてしまったことを知る。

その後、十常侍が滅ぼされたことで、涼州の董卓が軍勢を率いて都に入っていた。鮑信が董卓の専横を予見し、袁紹に董卓を襲撃するよう進言したが、袁紹は実行しなかった。そこで鮑信は郷里に帰り、兵を集めた。董卓討伐を掲げる反董卓連合軍が結成された時、鮑信は済北国の相となっていたが、討伐軍に参加し、袁紹を盟主として関東の諸侯と盟約を結んだ。鮑信は袁紹と曹操から行破虜将軍に推挙・上表された。

鮑信は他の諸侯と共に酸棗に駐屯したが、酒宴ばかりで戦をしようとしない諸侯に対し、鮑信は曹操の求めに応じ共に戦ったが、董卓の派遣した徐栄に大敗、弟の鮑韜が戦死し自身も重傷を負った。まもなく兵糧が尽きて酸棗の軍勢が解散したため、鮑信も任地に帰還した。

袁紹が冀州を取り強勢となると、鮑信は袁紹が第二の董卓となりそうであるから警戒すべきとして、曹操に対し黄河の南を平定し、力を蓄え時を待つべきであると進言した。曹操は東郡太守になると、再び鮑信を済北国の相に推挙した。

青州黄巾賊が兗州に侵入すると、直ちに討伐しようとする劉岱に自重を勧めたが、劉岱はこれを聞かずに黄巾賊と戦い戦死した。その際、曹操の下にいた陳宮は曹操を兗州牧に推戴するため、鮑信達を説得し、その意見に鮑信が賛同し、曹操を兗州牧に迎えた。

初平3年(192年)、曹操と共に青州黄巾軍の残党討伐に向かった。しかし、曹操と共に作戦のための下見に出ていた最中、敵軍の不意打ちに遭ってしまい、鮑信は必死に戦い曹操を救出した。曹操は敵の包囲を破って脱出できたが、鮑信は戦死してしまった。

曹操は鮑信の死を悲しみ、遺体を捜させたが見つけられなかった。

三国志演義

三国志演義』の鮑信は、無能な人物として描かれている。

董卓討伐で、初戦の汜水関攻めの一番手を孫堅に取られたことに嫉妬し、弟の鮑忠(演義のみの架空の人物だが、おそらくモデルは鮑韜)とともに手勢を率いて抜け駆けするが、それを察した汜水関の守将・華雄によって返り討ちに遭い、鮑忠を討ち取られる。

青州黄巾賊との戦いでは、功績を焦って突出したため戦死したという扱いになっている。

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