概要
様々な並行世界を渡り活動する企業『DEMコーポレーション』に所属する自立型ロボット。
ゲーム中でその全身は分かり辛いが、卵形のボディに手足が生えている、さながらハンプティ・ダンプティを想起させる姿をしている。
ただし、顔の部分はモニターになっており、アスキー・アートによって喜怒哀楽を表現する。
ヒビキと出会った当初はロボットらしく片言で喋っていたが、すぐに普通の喋り方で話すよう切り替えている。
何故か『さん』付けで呼ばれるのを嫌がっているが、西条涼音だけは特例として認めている。
自身の所属する会社が開発した試作人型機動兵器『ジェニオン』の運用テストを行っていたが、事故によって物語の舞台に迷い込んでしまい、更にはそこに居合わせたヒビキ・カミシロがパイロットとして登録されてしまった事から、彼にテストパイロットを依頼し、自身はサポートを担当する事になる。
主な役目はジェニオンの整備やデータ収集であるが、強化パーツ販売を行う『Dトレーダー』を経営している等、商魂逞しい面も見せている。
また、プレイヤー部隊に所属するパイロットがエースボーナスを獲得した際には、お祝いのメッセージを贈ってくれるのだが、『ディメンション・ジョーク』と称した悪ふざけの過ぎた言動やメタ的・パロディ的な発言をする事も多く、おまけに女性パイロットに対してはセクハラまがいな発言や行動まで行う。この為、相手のパイロットによっては制裁を受けたり、どこかへ連行されてしまう事も少なくない。
ホントにロボットなのか…こいつ?
ただし、決して空気の読めない(というか、読む気が無い)無神経な性格をしている訳でなく、味方の中で戦死者が出た場合等は、さすがに謙虚な姿勢を見せており、お祝いのメッセージも取り止めにしていたりもしている。
一方で、前述の様に、一部のパイロット達の行く末や別の可能性等について知っている等、まるで預言者の様に、言われた当人達でさえも知り得ないはずの事を何故か知っている面がある。
また、ジェニオンに関しても、ヒビキや涼音が関わってしまった事等を全て『偶然』と強引に結論付けたり、「GAIモード」の存在について「知らない」の一点張りでありながら、内心では「ジェニオンがジェミニアを倒さなければならない」と独白している、ジェニオンがジェミニアの『いがみ合う双子』のスフィアを奪った事に関して「あくまでも分からない」と称している等、プレイヤーからしてみれば、明らかに胡散臭すぎる様子が次第に目立っていくようになる。
『天獄篇』の中盤に至っては、アドヴェントによって大破させられたジェニオン・ガイを修復及び強化する為に、同じスフィア・リアクターの専用機であるガンレオン、バルゴラ、ブラスタのノウハウを利用する形で、リアクターであるヒビキの影響を受ける想定外の事態が発生したものの、ジェミニオン・レイへと生まれ変わらせている等、より一層、怪しい行動に出ている。
また、スフィア・リアクターであるランド・トラビスやセツコ・オハラの事を出会う以前から知っている節があり、特にランドの事は内心「ダーリン」と呼んでいる。
シャア・アズナブルや不動ZEN、C.C.等からは、『その正体』について薄々と気付かれている模様。
人間味のあり過ぎる言動の数々や不可解かつ胡散臭すぎる行動から、よく周囲から中に人が入っているのではないかと疑われるが、AG本人はあくまでも「中に人はいない」と断言している。
が…
関連タグ
第3次スーパーロボット大戦Z ヒビキ・カミシロ 西条涼音 ジェニオン
これ以下はネタバレの為注意
CV:平川大輔(声が付いたのは天獄篇47話にて、ソーラリアンのサブパイロットとして登場時に付いた、序盤にDEM輸送艦のメインパイロット時に声が付いていないのは見ての通りジ・エーデル・ベルナルと同じなためネタバレ防止と思われる。)
色々と怪しい部分のあるAGであったが、それでもZ-BLUEに貢献する事もあった為か、メンバー達からは疑念を押し留められていた。
しかし、カオス・コスモスの戦いで、なんとZ-BLUEメンバー達に『バインド・スペル』を施していた事実が発覚。
「それでは今日も張り切って!商売、商売!」
Dトレーダーにおけるこの決め台詞こそが、バインド・スペル発動のワードであり、一応Z-BLUEの危機を救っているのだが、当然本人達をブチギレさせており、自力で畏怖とバインド・スペルの両方を破る結果となっている。
当然、この戦闘の帰還後、AGはその正体が発覚する事になった。
『時獄篇』をプレイしたプレイヤーからは、その正体について大体の予想がついていたと思われるが、その正体はやっぱりジ・エーデル・ベルナルであった。
ただし、正確には『様々な平行世界に存在する『ジ・エーデル』の意識の集合体』であり、『第2次Z再世篇』で命を落としたジ・エーデルの可能性の一人・エルガン・ローディックの意識も、死んだ直後に統合されている。
AGの略称は、『ALL GATHARED』を意味している。
また、全てのジ・エーデルの意識が統合されている訳ではなく、『第1次Z』のラスボスであるジ・エーデルや、涼音のもう一つの人格『アムブリエル』として眠っていたジ・エーデルの意識は統合されていない模様。
ちなみに統合されているジ・エーデルの意識の中で主人格となっているのは、よりにもよって、変態度全快の『ジエー・ベイベル』であった。
ロボットと思われたその外見も、やっぱり着ぐるみであり、中には主人格となるジエーの身体が入っている。
しかも、自身の正体が明らかになる事もあらかじめ想定していたらしく、ジエーはAGの着ぐるみの中で更に『美少女の着ぐるみ』を被っていた(外見はエーデル・ベルナルを幼女化させた感じ)という、悪ふざけをしていた。
どこまでも欲望に忠実で、暴走ぶりに歯止めが利かないのは相変わらずである…。
暴走しがちなジエーの補佐役にはエルガンの意識が担っており、あまりに勝手な発言をするジエーをエルガンの意識が遮る事も多い。
もっとも、傍から見れば、一人のオッサンが複数の人間を演じる形で会話している悪ふざけに満ちた不愉快極まりないものであり、初対面である相良宗介や千鳥かなめ、テレサ・テスタロッサ等からは、完全に嫌悪感を抱かれていた。
基本の人格はジエーである為、自分の欲望を優先する部分はあるものの、エルガンを始めとする他の真っ当な『ジ・エーデル』の意識の影響もあってか、『第1次Z』の時よりもある程度はマシになっており、一応の協調性も見せている。
ここまで説明すれば、おそらく記載しなくても分かる通り…
- DEMコーポレーションの存在
- AGがDEMコーポレーションのエージェント・ロボである事
- 涼音がジェニオンに関わったのが『偶然』である事
- ジェニオンに搭載された『GAIモード』の存在を知らなかった事
- ジェニオンが『いがみ合う双子』のスフィアを『偶然』吸収してしまった事
以上の事柄については、もちろん全部が『大嘘』以外の何ものでも無い。
DEMコーポレーションなどと言う企業は最初から存在などしておらず、ジェニオンを開発したのはAG(ジエー)本人で、アムブリエル(ジ・エーデルの一人)の人格を宿した涼音はあらかじめメイン・パイロットになる事が決まっており、GAIモードの存在も自分で造ったのだから当然知っていて、そしてジェニオンがスフィアを吸収したのも元からそれを目的に造られていたのであった。
唯一つ、ヒビキが偶然ジェニオンのパイロットに登録されてしまった事だけに関してだけは、完全な『想定外』であったとの事である。
一応アドヴェントに操られそうになったZ-BLUEの危機を救う為であったのだが、さすがにバインド・スペルを仕込んでいたのはまずかった様で、Z-BLUEのメンバー達にボコボコにされる結果となっている。
アドヴェントからは『悪魔』と皮肉で呼ばれるが「御使いを打倒するために悪魔にでもなってやる」という啖呵で返す。
ちなみに、『第1次Z』の時も、完全に快楽目的で行動していたジ・エーデル(黒のカリスマ)の方はともかく、ジエーの方は現実逃避の為にUCWで暴走していた訳ではない事を明かしている。
ストーリーの裏では、「御使いを打倒する」という究極の目的を達成させる為に、カイメラの機動兵器である『カオス・シリーズ』の開発を行っており、カオス・カペルは『知りたがる山羊』のスフィアの再現、カオス・レオーはガンレオンに搭載された『傷だらけの獅子』のスフィアの奪取、カオス・アングイスは黄道十二宮に次ぐ力を持った『蛇使い座の次元力』の利用といったそれぞれの役割が与えられていた。また、それらの特性を統合させたカオス・レムレースには、御使いを封じる為のシステムである『天獄』が組み込まれており、カオス・レムレースの最強攻撃である「天獄」は、そのシステムを応用したものである。
そして、カオス・シリーズで得たデータを元にして、カオス・レムレースを再設計し発展させた最終形態こそが『ジェミニオン』であった。
第3次Zにおいて、今作に登場したオリジナルキャラクターでは親しい人物達から裏切られ続けるヒビキにとって(シンヤやミサコといった非戦闘員の子供を除けば)利害の一致とはいえヒビキとZ-BLUEの味方であり続けた数少ない人物。実際ヒビキがジェニオンに搭乗したのは想定外ではあったものの最終的に彼にジェミニオンと御使い打倒を託す事を決めている。
その手段やジ・エーデルの所業はあるものの、第3次においてはサイデリアル及び御使い打倒という利害が一致しており間違いなくZ-BLUEの仲間であったと言える。
最期は宇宙の新生のため、ヒビキ達に別れを告げて因果地平の果てまで敗北を認めたアドヴェントと共に去って行く。ちなみにアドヴェントは『30』で再登場したのだが、彼(ら)がどこへ行ったのかはアドヴェントも語らなかったので謎のままである。