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概要と沿革

会津鉄道会津線野岩鉄道会津鬼怒川線東武鬼怒川線にまたがり、会津若松~鬼怒川温泉間で運行される快速列車。会津地方と鬼怒川エリアを直結している。快速列車であるため別料金はかからない。

名古屋鉄道から譲渡を受けたキハ8500系を使用して2002年に会津若松~会津田島間で運行を開始。その後急行南会津」が廃止された2005年から会津若松~鬼怒川温泉間での運行となった。2010年にキハ8500系に代わって自社発注のAT-700形・AT-750形を導入し、2012年から2022年3月12日までは会津若松~東武日光2往復の運行もされていた。

停車駅は、会津若松~会津田島間で各駅停車となり、会津田島~会津高原尾瀬口駅は1号のみ各駅停車・2号は途中駅を全て通過する。

なお、野岩鉄道では男鹿高原駅以外の各駅に停車し、東武線方面は各駅停車。そのため、1号はほぼ快速の意味を成しておらず、実質各駅停車のような存在となっている。

その他、土日・祝日にはJR磐越西線、喜多方駅まで延長運転される場合がある。

車両

会津鉄道保有の気動車での運行である。東武鉄道区間へ乗り入れるため、2004年まで気動車で運行されていた名古屋鉄道の非電化区間の廃止以降は大手私鉄では唯一の気動車列車となっており、現在ではこれも大手私鉄で唯一の客車列車「SL大樹」と並ぶことがある。また東武では1983年に廃止された非電化路線熊谷線以来、21年ぶりのディ-ゼル車走行となった。

なお野岩鉄道・東武鉄道には気動車の運転免許を持っている運転手が居ないため、野岩線・東武線内も会津鉄道の乗務員が運転を担当する。

現行車両

後述するキハ8500系の後継車両として開発された車両。2010年にAT-700形が1両・AT-750形が2両の計3両が新潟トランシスによって製造された。両者の違いはトイレ付きか否かとそれによる定員数の違いである(AT-750形がトイレ付きで、定員もAT-700形より4名少ない)。

新潟トランシスが製造する「NDCシリーズ」に属する車両であり、外見や寸法も会津鉄道の主力車両であるAT-500形や後述するAT-600形を引き継いでいるが、内装は全車回転式リクライニングシートという特急車両並みの豪華仕様。

会津鉄道で開業時より使用されていたAT-100形の後継として、2005年にそれぞれ1両と2両が製造された。製造元は新潟トランシスで、AT-700形・750形と同じくトイレ付きか否かとそれによる定員数の違いで判別できる(AT-650形がトイレ付きで、定員もAT-600形より5名少ない)。

会津鉄道が先行して導入したAT-500形・550形と同様NDCシリーズに属しており、外見もAT-500形と塗装以外あまり変わらないが、野岩鉄道や東武鉄道乗り入れのため機関出力の増強や最高速度引き上げなどが行われている。車内もセミクロスシートだったAT-500形・550形と異なり、全車転換クロスシートを採用した。

元々は当列車の他にも2006年から会津若松-鬼怒川温泉間で運行されていた快速列車「AIZU尾瀬エクスプレス」にも使用されていたが、2013年にこれはAIZUマウントエクスプレスに統合される形で廃止されている。

引退車両

2002年の当列車運行開始に当たって、名古屋鉄道から譲渡された特急形気動車。形式番号や塗装は名鉄時代のまま。

譲渡された5両中4両を2両編成2本として運用していたが(残った1両は中間車で予備車となった後に2007年に廃車して部品取りとなった)、元々特急「北アルプス」など高速運転向けに性能が設計されていたため、頻繁な停車のためのこまめな加減速が必要な運用環境にはあまり合致せずに足回りの老朽化が急激に進行してしまい、結局後続のAT-700形・750形に後を譲って2010年5月末で引退した。

引退後は全車が国内で保存されていたが、後に2両がマレーシアのサバ州立鉄道に譲渡され、修復作業の上で現地で急行列車として運用されている。

余談

実は「AIZUマウントエクスプレス」というのは元々車両愛称であり、かつては使用車両の愛称によって列車名を変更していた。そのため、AT-600形・650形で運行される列車は当形式の愛称である「AIZU尾瀬エクスプレス」として運行されていた。

AT-700形・750形導入後も暫くは変わらなかったが、2013年にこの車両愛称による区別は廃止され、「尾瀬エクスプレス」を「マウントエクスプレス」の方に統合する形で列車名を統一している。なお、車両愛称自体はAT-700形・750形のものとして現在も残っている。

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