簡易的な説明
CardWirthに登場するキャラクターやストーリー等に関係した作品や、このゲームに使用可能な素材等に付けられるタグ。
概要
本ゲームは、Windows向けのフリーゲームであり、主人公としてプレイヤーが冒険者を作成、最大6名のパーティーを組みその世界の「人」や「人じゃない何か」の抱える無理難題を解決して冒険者としての腕を高める内容であり、CRPG( コンピュータRPG )の始祖にあたるTRPG( テーブルトークRPG )を元に、短編小説の様な形式で物語が進む。
システム
システムとしては、エンジンと言われる本体( 実行ファイル、基本的な効果音やグラフィックなど )とそれとは個別に物語を入れてあるシナリオ・フォルダが存在する。
なお、ユーザーがシナリオを改造、作成可能な「シナリオ・エディター」も配布されているため公式以外にも他のユーザーが制作したシナリオをダウンロードしたり、自作した物を入れ込んだだけで遊ぶ事が出来る、簡単な構造となっている。
もちろん本体自体の絵や音も差し替えることもできる。
ゲームシステム
プレイヤーは自分のキャラクター( プレイヤーキャラクター=PC )を作成することができ、最大6人の冒険者パーティを組んで冒険に出掛けることになる。
もちろんユーザー側で人数を調整したり、一人旅や、参加は四人まで、あるいは「二人限定」といった制限をつけたシナリオも作成可能。
このプレイヤーキャラクターの作成については、名前と性別のほかに特徴や性格を細かく設定することができる。
キャラクターの世代は子供、若者、大人、老人とあり製作時に決定することができ、さらにメニュー画面で任意で成長させることもできる。そのためソーサリアンのように老衰であっという間に死ぬということはない。
それだけでなく、顔グラフィックも自分で描いたイラストを指定することができ、さらに後付けでキャラのプロフィールも自由に設定できる。
シナリオによっては、シナリオ内で登場し、パーティに同行するような友好的なNPCを連れ帰ってPCとする(させられる)事が出来るものもある。
キャンペーン・シナリオ等では、前作で仲間にしたキャラクターを連れてこなければシナリオを開始できない、というものもある。
また、RPGには珍しく、数値化された能力や戦闘力を直接表示せず、ほとんど雰囲気だけでプレイできるのも特色のひとつであり、物語の中へ入り込んだような気分を味わえる。
ただし、まだ元気/死にそう、技や武器の得意/不得意、もう弾切れ、等といった大まかなことはわかる。
パーティは『冒険者の宿』を根城とし、様々な依頼を受けることで冒険へ赴く。
この『依頼』こそがシナリオそのものであり、依頼を受けた時点でシナリオのストーリーが始まる。
……が、張り紙の文面にある依頼をプロローグで解決し、依頼の帰りに事件が発生、ここからが本編の開始、等という導入が行われることもよくある。
特徴
CardWirthの最大の特徴は、キャラクター・モンスター・地形・イベントなど、ほとんどの要素をカードで表していることにある。
人物と話す際には、人物の顔が描かれたカードをクリックすることで話すことができ、宝箱を調べる際には、宝箱が描かれたカードをクリックすることで調べることができる。
マップを移動する際には、扉や矢印が描かれたカードをクリックする。
プレイヤーは自分のキャラクターを作成し、冒険者パーティを結成することで冒険を始めることができるが、この自分のキャラクターもカードで表される。
それに伴い、戦闘画面はカードゲームを思わせる作りになっている。
戦闘はターン制で、戦闘開始時にプレイヤーキャラクターに手札が配られるので、プレイヤーはその手札から、攻撃するカードや防御するカードなどを選んで戦闘を進めていく。
ユーザーの参加
CardWirthのもうひとつの特徴として、自分でシナリオを制作できるフリーゲームという点が挙げられる。
開発元の『groupASK』がGUI形式のシナリオ作成ツールを無料で公開しており、それを元に多くのシナリオ製作者が自家製シナリオを独自に提供している。
プレイヤーはもちろんの事、作り手もすべてアマチュアである。しかし、ファンによって作られたシナリオの中には、一つの小説作品とも言えるほどハイレベルなものもあり、シナリオ内のシステムやプレイスタイルも多岐に渡るまた、プレイヤーキャラクター達の会話もシナリオごとにシナリオ製作者が作ることになり、プレイヤーキャラクターの性格によって口調や行動を変化させることができるため、プレイヤーが様々なシナリオを通じて自分だけの冒険物語を描けるのも魅力のひとつである。
さらに先述の、キャラクターがカードで表されるという特徴により、RPGツクール等とはまた異なる自由度でシナリオを制作する事が可能である。
襲い掛かるゴブリンも、滝壷に開いた洞窟も、整然と並ぶ騎士団も、床に散らばった書類も、基本的にカードの配置で見せることになるため、シナリオ製作者の技量によっては本当に「なんでもあり」となっている。
現在は『groupAsk official fansite』およびvector( ベクター。ソフト登録数国内最大規模のオンラインソフトウェア流通サイト )のソフトライブラリ・ゲーム部門( windows→RPG )にて500本以上のシナリオが寄せられている。
これらのソフトは無料でダウンロードしてプレイ可能である。また同人ソフトとして有償配布されたシナリオ等も存在した模様。(現在は権利者によって有償配布は禁止されている。)
データの喪失
ただしいかんせん古いゲームであるため、過去公開されたものの、その後公開が停止された、あるいはインターネット上のサービスの廃止や終了、実例はiswebの廃止等のため失われ、作者とも連絡が取れなくなっているシナリオや素材、あるいはサイトが多く存在する。
一部の作品に関しては作者と連絡が取れたか、事前に再配布が許可されており、別のユーザーにより再配布されたものもあるが、作者との連絡が取りようがないため大っぴらに公開できない作品が複数存在する。
またこの状況をみて勝手に作品を改変し公開したユーザーが存在したがこれは非難の対象となった。
GROUPASKが作成していたエンジンのソースコード紛失後、ファンに開発運営を任せる事になったためバージョンアップなどが極めて困難な状況となってしまっていた。
……などと書いていたらなんと1ユーザーがエンジンの逆アセンブルに成功。ソースコードが一部解析され機能の追加に一部バグの修正等が数年ぶりに成されることになった。現在は正式にWindows7以降のOSに対応した後継版の製作が行われている。
公式エンジン
公式で作成されたエンジンやシナリオはソード・ワールドやJRPGに近い雰囲気を持ちファンタジーⅠ型と名乗っているものの、公式側のシナリオの一部には今より機械技術が優れていた古代文明の記述や拠点のある都市には下水処理装置があるなど、SFか「機械文明が過去に滅亡し、再構築された結果ファンタジー世界になった」かという世界観とも取れる。
もちろん公式シナリオの設定は世界観の提示であり、絶対に従わなければいけないわけではないし、後述バリアントの登場以前から現代モノなど異なった世界観で作られたシナリオも多く存在していた。
ASKシナリオ
このゲームの作者であるgroupAskによって作られたCardWirthの基本となるシナリオは「ASKシナリオ」と呼ばれている。この言葉は「基本シナリオ」「一次創作作品のシナリオ」という意味もある。
- スキルなどの購入が出来る町・店シナリオの「交易都市リューン」。
- レベル1からでも問題なくプレイできる「ゴブリンの洞窟」「家宝の鎧」「見えざる者の願い」「教会の妖姫」
- 上記シナリオでレベルアップしていってから挑戦推奨の「鳥の歌が聞こえない」「墓守の苦悩」「機械仕掛けの番犬」「奇塊」「遺跡に咲く花」「旧き沼の大蛇」「賢者の選択」。
- そしてエディターに付属しているテンプレート、公式唯一の稼ぎにプレイできる所謂フリーバトルのシナリオ「サンプルダンジョン」( LESSON1~4_終了時点 )がある。
ちなみにシナリオをプレイするのに飽きたなら、付属のエディターで自分だけの冒険を作成したり、ほかのシナリオを改変する、などの行為も可能である。
バリアントシステム
また、CardWirthは、そのゲームの世界観やスキン等を変更したバリアントシステムと呼ぶシステムも存在している。
これらはゲーム上の世界観毎に、能力や拠点の名前を変えたそれぞれの世界観を模して改造されたエンジンと素材とが配布されており、時には現代の世界観で探偵や学生をやるのもいいし、大江戸の剣豪になってもいいし、未来のサイバー世界を駆けまわったり、森に人獣・悪鬼・蜥蜴・妖樹・悪魔と複数種族で共棲する妖魔となったり、城での眠りから目覚めし吸血鬼になったりしてもいい。
特定方面
電子掲示板等、特定のグループが作成したシナリオや宿データ、あるいはバリアントエンジンが存在する。例えばふたば☆ちゃんねるの虹裏、2chの各板などが存在したとされるが、これらの大半が失われているといわれる。
pixivにおけるCardWirth
技やキャラの素材や自作キャラのイラストから、シナリオ内のシーンのイメージ、NPCやPC向けの画像等幅広く投稿されている。
しかしフリーゲームではかなり長い歴史が存在し、その際の経緯により同人の中では著作権意識が高い傾向が有るため、素材をシナリオやバリアントエンジン等に使ってほしい場合は各種素材の許諾( 例えば改変や再配布の可否や使用時の連絡、シナリオ抜出の可否、利用を禁止する内容等 )に関する表記をしておいたほうが良いかもしれない。
関連リンク
元の本家サイト。シナリオギルドや掲示板等が存在した。現在は更新終了。
初代のシナリオギルド。ほとんどがリンク切れかと思われる。
groupAsk official fansite( カードワース愛護協会 )
有志によって運営されている公認サイト。
現在、CardWirth関係の開発・運営はこちらで行われている。
CardWirthのソフト本体や、追加シナリオのダウンロードはこのサイトで行うことができ、シナリオ集である「寝る前サクっとカードワース」などの企画についても実行・配布されている。
上記サイトが所持事情により管理人と連絡不通状態になった際、暫定としてこちらで活動が報告されていた。現在はサイトは復旧され、こちらは解析されたソースを基に新たなエンジンの公開先となっており、上記サイトとの関係性はないと思われる。
情報サイト。現状では更新がはやい。
過去存在した素材投稿サイト。15年続いたこのサイトも2017年11月をもって廃止された。
最初期からこちらにもシナリオが投稿されている。
なお古いシナリオは主にこちらに存在する。
参照元
関連タグ
CWPT紹介( tags.php ) - 自作イラストで作成したPCキャラの紹介イラストなどに使用されている。
SRC、BMS:本体だけでプレイ不能と言う個所で類似するフリーソフト。前者はどちらかと言うと二次創作のシナリオが多く、カードワースのような一次創作シナリオは少ない。後者は一次創作楽曲が多いが、過去には二次創作もいくつか(現在も東方アレンジイベントなどが存在)あった。