「実に光栄です」
プロフィール
出身地 | 不明 |
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誕生日 | 5月1日 |
身長 | 191cm |
体重 | 97kg |
職業/所属 | 実業家 |
血液型 | 不明 |
好きなもの | チェスプロブレム、掃除、地方の郷土料理 |
嫌いなもの | 服につく汚れ、睡眠 |
好きな食べ物 | テリーヌ・ド・カナール、ジビエ料理、アクローシュカ |
嫌いな食べ物 | 無い |
声優 | 杉田智和 |
概要
ストリートファイター6から登場するキャラクター。
綺麗に切り揃えられた白髪や貫禄のある髭、半袖から年齢を感じさせない程に盛り上がった前腕が見て取れる屈強な体躯の持ち主。
杖術の使い手であり、ベガのサイコパワーを思わせる黒紫色のオーラと組み合わせて相手を退ける。
国際NGOの代表であり多数の開発投資を成功させてきた実業家で、中東圏の小国ナイシャールに現在の繁栄をもたらした。ナイシャール神前御前試合の大会実行委員長を務めている。
シベールという名の猫を飼っている。
後述する、明らかに格闘家・ファイターとはかけ離れた性格、スト6のゲーム性の逆を行くような性能とあわせ、まさに異色尽くしのキャラクターと言えるだろう。
キャラ特性
豊富な遠距離攻撃技を持ち、一度ふっ飛ばした相手を寄せ付けずに制圧する事が可能な遠距離型のキャラクター。
近距離のコンボに使い相手を吹っ飛ばす「ストリボーグ」、離れた足元から黒紫色の棘を突き立てる「トリグラフ」を初め、分身が飛んでいって襲いかかる「トルバラン」(立ちかしゃがみどちらかのガードでしか防げないものもある)、離れた場所に時間差で棘を出す罠を設置する「ヴィーハト」と派生によってワープで奇襲する「ヴィーハト・アクノ」やすぐに罠を起動させる「ヴィーハト・チェーニ」、更に離れた相手を掴む飛び道具のコマンド投げ「アブニマーチ」、威力は低めだが4つの分身で相手のガードを崩す超必殺技「ラヴーシュカ」など、距離を取っても強力な技が揃っている。
そういった豊富な技の代償として、モダンタイプでも半数の必殺技がコマンド必須であり、逆に「ストリボーグ」は必殺技ボタン限定のため強度の使い分けができない(コンボの発展性で劣る)など、格ゲー慣れしていないプレイヤーにとっては色々な意味で一筋縄では行かないキャラである。
反面クラシックタイプとして考えれば、複雑な入力が要求される箇所が他キャラより少ないことから、逆に相対的に難易度が低めになる。
ドライブパリィや前ステップといった「トリグラフ」「トルバラン」などの飛び道具類への対策ができていない相手だと飛び道具ループと対空をするだけで一方的に圧倒することが可能。ある意味、キャラ性を反映しているか。
スト6は共通システムがそれなりに強力にできており、活用すれば上述のJPの攻めであろうがしのいで勝つこともできるが、
それに必要なドライブゲージを切らした上で技が引っかかるとこれら遠距離での削りとガード崩しがたち所に火を吹く。
通常技も粒ぞろいで、杖と体格を活かした長リーチの技が多く、しゃがみ弱パンチといった小技からもそのまま弱ストリボーグにつなげることで距離をある程度離せる。
しかもやられ判定があまり前に出ない技が多く、ガードされても手痛い反撃を受けることも少ない。
しゃがみ強パンチはアップデートで大幅弱体化し、対空に課題があるかと思いきや立強K、前強K、ジャンプ中P、空中投げと結局迎撃手段は豊富である。
そしてあまり挙動が早すぎず、シビアな入力を必要としにくい・必殺技まで出し切ってガードされても反撃されることが少ないことから手動コンボの難易度がトップクラスに低く、迂闊に懐で隙を晒した相手に爆発的な火力のコンボを叩き込むことができる。
ODトルバランはそのままODトリグラフ>強トリグラフで追撃が可能で、場合によってはそのままSA3で終了という局面も。
守りに関してもOD版なら投げすら取れる当身カウンター技「アムネジア」があり、カプコンカップ終了後のアップデートでコンボ火力が大幅弱体化されたが、それでも投げやインパクトを取られると端背負いを入れ替えられるか、端端まで離されて弾による起き攻めが始まる。
これらからプレイヤー間では「近距離も強い遠距離型のキャラクター」「JPは遠距離が強い代わりに近距離が強い」として恐れられていた。
最大の弱点は移動速度が歩き・ステップ・ドライブラッシュいずれも遅めなことで、積極的に前に出るには特定の通常技を当ててからのキャンセルドライブラッシュが不可欠になること。
自分から間合いを動かしつつ相手を画面端に追い込むような、スト6において攻めの主導権を握るセオリー的な戦法が行いづらい。
遠距離からの飛び道具を安定してパリィなどで防御できる上級者帯に入ると、何はともあれ通常技でうまく相手を迎撃し、ドライブラッシュで的確に攻めに行かないことにはその強みを活かすことが困難となっていくだろう。
また、トルバランが「分身の爪が振り下ろされた瞬間に攻撃判定が出る」という仕様上一定以上の速度を持つドライブラッシュや突進技を使うと弾をすり抜けることも可能である。
トリグラフも出現箇所が固定であり、攻撃判定もキャラ1.3人分の高さまでであるため意外と飛び越えられる。
対面した時にはこの辺りを念頭において戦うと戦いやすいかもしれない。
流石に暴れすぎたためシーズン2では飛び道具を使ったコンボの火力低下やラヴーシュカの全体動作が遅くなる(コンボルートや固めが大幅に制限された)、ザプリェットの後に起き攻めがほぼ不可能になるなど大幅な弱体化を受けた。
……その際、今度はコマ投げであるアブニマーチがコンボとして組み込める(強Pパニッシュカウンター時などに入れ込んでも事故らなくなった)、ODストリボーグのうコンボルートが追加されてドライブゲージ節約の手段が出るなどといった新たな活路もあるにはあるが、少なくとも上級者層の使用率は大幅に下がると見込まれている。
余談
シベール(Cybele)は、ギリシャ語でキュベレーを意味する。
JPの出身国は不明だが、彼の技の名前はスラヴ神話由来のものやロシア語のものが多く、そしてザンギエフへの勝利台詞で「あなたを見ているとモソロフの鉄工場を思い出す」と発言している。
「鉄工場」とはソ連の作曲家であるアレクサンドル・モソロフの代表的な楽曲であり、さらにSF6のリーク画像でJPの背景にロシア国旗が描かれていたことから、彼は少なくともロシア語圏の出身である可能性が高い。好物の一つである「アクローシュカ」もロシアやウクライナ地方のスープ料理である。
同じく好物にフランス料理のテリーヌが設定されていたり、フランス由来の杖術を使い、フランス出身のマノンとの対戦勝利台詞ではバレエの素晴らしさを口にするなど、フランス文化に親しみを見せる面もある(拳を交え合った後で特に脈絡も無く音楽やバレエの話を始めるあたり、ザンギエフにもマノンにも個人の人格には何の興味も無いという冷たさも感じられるが)。
JPの強さを良くアークゲーに例えられるが、アークゲーにはダウンしたらそのままガード不能起き攻めで終わるキャラや通常攻撃でラブーシュカを撃つキャラ、全画面どこにいても1Fで弾がカッとんでくるキャラ、同じ声だけど比べ物にならないくらいの弾の量で圧殺するキャラ、ミームになるほどのクソキャラと比べ物にならないヤバいキャラが歴史上に目白押しである。ODアムネジアに関しても、旧作ギルティはそもそもガードに投げを仕込める上にガードされる=フルコンのリスクを押し付けれるほど極悪なガーキャンを持つキャラと比べれば生ぬるいと言える。格ゲーの闇は深い。
声優について
杉田氏が老人の悪役を演じるのは珍しいが、その慇懃無礼な演技から人気は高い。
(本人はやや無理している部分もあるようだが)、明るいキャラクターと深いオタク知識で知られる杉田氏の担当キャラにしては珍しくギャグや他作品のパロディなどといった要素はJPにはほぼ存在しない。ストリートファイターにはギャグ要素を持ち合わせるキャラクターも多いが…。
対戦で多用される「トリグラフ」のボイスが「麩菓子!」と聞こえる(実際は「穿つ!」)、公式のショート漫画で「いいの!! ネコちゃんはいいの!!」と発言し、ソレに何故か杉田氏のボイスが付いたなど、あくまで非公式程度。
一方、英語版はさらに空耳の宝庫であり
・キャラ選択時「ふふふ…超異次元なん?(原文:Shall we begin then?)
・OD版アムネジア非成立時の「なんでや…」(原文:Oh dear)
・OD版トリグラフ「ミキプルーン!」(原文:Break Trough!)
・強ストリボーグの「毛布」(原文:Move…)
など微妙にネタにされている。主にこの人の動画で。
決定の経緯
担当声優が杉田智和氏となった経緯として、
杉田智和/AGRSチャンネルでの生放送にて本人は
最初ルークでオーディション来てさ、横にJPの絵があってさ、「こっちのおじいちゃんの受けちゃダメなの?」って言ったら「いや、ダメってことはないと思いますけど…」
というやりとりがきっかけであることを明かしている。
ディレクターの中山貴之氏もTwitterにて「杉田さん、はじめルークのオーディション受けてくれたんです。他にどんなキャラがいるの?と気にして頂きJPやりたい!と言って急遽やってくれました。そしたら超カッコよかったのです。」と明かしている。
JPの絵の経緯などに相違はあるものの、「元々ルークのオーディションのはずが、JPを見た杉田氏がそちらに自薦した」ということは間違いないようである。
関連動画
The Plunderer
ストリートファイター6・JPテーマ曲。
曲名は「略奪者」などを意味する。
関連タグ
外部リンク
ここから先はネタバレを含みます
飼い猫のシベールとは子供の頃からの付き合いだが、そのシベールが自分の尻尾を追いかけた末嚙み千切った様を見ていたという。
かつてJPはシャドルーの金融担当であり、サイコパワーの非道な実験を目の当たりにしてきた。
彼が操る力が「サイコパワー」であることは、キャラクターガイドの説明において「サイコパワーを使った飛び道具」と記されていること、ワールドツアーでの台詞からほぼ確定。
前日譚漫画ではリーフェンによると、ジャン・フィリップスなど「JP」のイニシャルで様々な偽名を使い分けているらしく、正確な本名は謎に包まれている。
その実態は資金洗浄(マネーロンダリング)の為にプロジェクトを成功させては、企画者を使い捨てる非情な悪党であり、マスターズ財団の出資者であったケン・マスターズを失脚に追い込んだ張本人。同じく出資に関わっているSiRN社の社員であるキンバリーのおじの死を認知しているなど、本作中の裏社会や登場ファイターの何人かに禍根をもたらしている。
ナイシャールの急進的近代化と神前御前試合の開催もその一環。
ワールドツアーモードでは、それに反発するNGOがチャンピオンベルトに爆弾を仕掛けており、大会を無事に進めるべく爆弾を解除しようと忍び込んだ主人公と初対面(これにより、主人公は爆弾解除を断念せざるを得ず、JPもこの時に爆弾の存在を確信に至らせたことが後に示唆される)。
その後、当日の表彰式にて仕掛けた組織の関係者をうまく誘導させてその人物のみを爆死させている。
ストリートファイターシリーズの悪役で有名なベガとはまた違ったベクトルで冷酷非道な性格を秘めており、場合によっては他人の命を弄ぶことも躊躇しない。
またベガは力に固執していたが彼はそういった素振りを見せず、リュウや主人公アバターのような権力や支配目的なしに強さを求める者にも否定的な態度を見せる。むしろ「人を倒したいなら他にいくらも方法がある」、キャラクターガイドでも「近づいて殴りあう格闘とは不合理なもの、(だから自分の杖とサイコパワーは相手を寄せ付けないためのもの)」とまで言っている。
その一方、そのサイコパワーは生まれつきのものではなく、彼自身が望んで、ベガから分け与えられたものだという。それが明かされる場面では「金融担当に戦闘力は必要ない」という前置きも併せて語るので、この時点では格闘については杖術の使い手ですらない素人だったのかもしれない。理由は「ベガのように世界を見てみたかったから…のかもしれません。」とのことだが、どこまで本心かは定かではない。
ベガとしても、エドやファルケ、他ベガ親衛隊たちのような戦闘員ならともかく、もしも有能かつ非戦闘員の立場の者にいたずらにサイコパワーを注入して使い物にならなくしたとすれば組織上の損失だったと思われるが、なぜそんなリスクを犯す気になったのかは(新キャラを登場させるというメタ事情を無視すれば)不明。実際にJPは見事な使い手になっているだけに、その精神力と心の質から彼が適合者であることにベガは確信があったのだろう。
ナイシャールなどを利用して悪事を働く目的も一切語られていないが、ベガが格闘家・格闘大会を利用した「回りくどい」手で野望を進めていたことにはある種の関心を抱いている節もある。アーケードモードのストーリーではそうした戦いと強さがもたらす万能感にようやく魅入られ始めたのか、見事な三段笑いでエンディングを締めくくってくれる。
感情的になることはあまり少なく、物腰は穏やかだが言動の一つ一つが、まるで他者の怒りを煽るような内容になっている事が多い。実際、彼が明確に感情を出すのはCAのみ。
ワールドツアーモードでの登場は最終盤。それもメインミッションの最後で戦う事になる、言わばラスボスに相当するキャラクター。「強さって何だ?」という命題のもとにストーリーを進めてきた主人公キャラクターに、そのテーマを否定する者として対決することになる。
本作ではすべての公式ファイターに例外なく弟子入りできるが、これ故にJPは(非DLCキャラでは唯一)エンディングを見た後に弟子入り可能となる。この後はナイシャールの試合会場広場の夜に現れるようになり、そこでサイコパワーを注入されるという不穏な形での弟子入りをすることとなる。
プレイヤーのステータス画面から見られるマスターたちのプロフィール欄の彼のものには、使う流派に「バリツ」などと書かれている(リアルなモーション的にはその元ネタとして、
ラ・カンとサバットが元になっている)。あまり真摯に教える気が無いのだろうか。
贈り物の好みについて、アンティークトラップをもらった際には「新品でなくては」とギャンブラーとして鉄火場に立っていたかのような過去を匂わせる。
シャドルードリンクやプリペイドカード(+2p)、大好物(+40p)の小切手(破格)に関しては、シャドルーの金融担当であったが故か。