概要
公的な正式名称は「オーブ外務省外郭団体国際協力機構管轄団体組織国際災害救助隊」。しかし、長すぎることから英名の「Orb Disaster Relief Team」の頭文字をとって「ODR (オーダー)」と呼ばれている(発音から「Order」の方と混同されたこともある)。「オーブ国民が海外にて生命・財産の危機に晒された際、これを保護する」ことを目的としている。
C.E.72年3月10日にユニウス条約が締結されてからMVF-X08 エクリプスの積極的運用を開始した。
活動内容
表向きは国際親善関係の式典にて花を贈呈するなど大した活動を行っていないように偽装している。しかし、実際には自国の首相にさえ隠して保有しているモビルスーツをはじめとした戦力を用いて秘密裏に武力介入を行い、大戦の原因になりえるトラブルの火種を摘み取って「何もなかった」ことにするのが本来の役割である。特に、「戦争の火種を摘み取る」ことを至上命題にしていることから、構成員が海外にて意図的に危機的状況に陥り、それを口実に武力介入を行うというマッチポンプ的な立ち回りも行っている。
一応、他国での活動許可は事前に根回しを行っているが、「戦闘行為を行う」「モビルスーツを持ち込む」などの要点はボカしているため、対外的にも組織の実態は秘匿されたままになっている。
発足経緯
発足自体は第1次連合・プラント大戦よりさらに前の「オーブが中立国家の道を歩み始めた頃」からと言われている。中立国家を目指す上で、「誰の味方も得られない」というリスクに対してオーブは様々な手段(軍事力・技術力・経済力など)を講じ、その中の「外交力」の一部として「国際救助隊」という名目にて設立された。そのため、監督者ないし責任者にはオーブにて外交面を担当してきた氏族であるキオウ家が就いている。
しかし、C.E.71年6月15日から16日にかけてのオーブ解放作戦によりオーブの主権を奪われたことを契機として、「オーブの中立主義を守るため」「次なる侵略を受けぬために」「オーブを脅かしかねない世界規模の戦争の火種を事前に摘み取る」と、更なる攻性の組織として再編された。本組織が担うエクリプスおよびエクリプス計画もその際に固められた構想である。
構成員
あくまで「国際救助隊」という体裁を取っており、加えてオーブは他国への軍隊派遣を許していないため軍籍の人間は存在しない。
- タツミ・ホーリ:エクリプスの専属パイロット。なお、本組織がトラブルを起こした際に巻き込まれないようにするというミヤビの計らいにより書類上はアルバイト扱いとなっている。
- ケン・ノーランド・スセ:モビルスーツ(エクリプスを除く)全般のパイロット。
- ミヤビ・オト・キオウ:本組織の指揮官(責任者)。現場に直接向いて交渉や根回しを担当する。
- エルネスト・スドー:本組織とオーブ各所との繋ぎ役を担当する。
保有兵器
モビルスーツ
- MVF-X08 エクリプス:本組織の任務の中核として位置づけられる極秘モビルスーツ。設計的に癖が強すぎる機体でありタツミ以外では満足に操縦できない。
- MVF-X08R2 エクリプス2号機:エクリプスの予備機(パーツ取り用)。一方、政治的パフォーマンスとしてニュートロンジャマーキャンセラー搭載型核エンジンを内蔵している。
- TMF/A-802 バクゥ(ODR仕様):エルネストが用意した機体。機動性を上げるために上位機種ラゴゥのパーツを使用している。
その他
- FX-550 スカイグラスパー:地球連合軍がストライクの戦術支援用に開発した戦闘攻撃機。
- EW453R ライジンストライカー:エクリプス用のストライカーパック。武装が未完成な試作段階。
- EW452HM マニューバストライカー:エクリプス用のストライカーパック。正式名称さえ持っていない試作段階。
関連施設
モルゲンレーテ・エアロック社
オーブ唯一の国策軍事企業「モルゲンレーテ社」の子会社。航空機開発を主に行う。
秘密裏にエクリプスの開発・製造を請け負った。また、タツミがここの研究所が募集した作業用機器のモニターに応募したことが彼とODRを結びつけるきっかけとなる。
ナウル整備ドッグ
オーブ外務省がナウルに所有するモビルスーツのメンテナンスを行う施設。「ナウルドッグ」とも呼ばれている。
オーブは地理的に近いナウルに対して資金援助を欠かしておらず、それにより経済的に依存させて作った貸しを使って所有している。
他国に軍事関連施設を持つというのはオーブの体面的に良くないため存在は秘匿されており、職員はオーブ国民となっている。一方、近所の食堂や売店、出入りの清掃業者は現地人であり、そこがセキュリティホールとなっている。
余談
バンダイの販売サイトや特設ページではオーブ国際救助隊は「ODR(オーダー)」とされているが、ガンダムエース9月号に掲載された漫画『機動戦士ガンダムSEED ECLIPSE』の資料では劇中での台詞からオーブ国際救助隊は「ODR(オード)」と名乗っている(それらは単行本化の際に修正され一部のセリフも変更された)。