「私は、我が故郷の救済を願う。万能の願望機をもってして、ブリテンの滅びの運命を変える」
プロフィール
真名 | アルトリア・ペンドラゴン (アーサー王) |
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身長 | 154cm |
体重 | 42kg |
スリーサイズ | B73/W53/H76 |
属性 | 秩序・善 |
イメージカラー | 青 |
特技 | 勝負事 |
好きな物 | きめ細かい作戦、正当な行為 |
苦手な物 | 大雑把な作戦、卑怯な行為 |
天敵 | 衛宮切嗣、ギルガメッシュ |
CV | 川澄綾子 |
演 | 秋野祐香 |
概要
『第5次聖杯戦争』から10年前の『第4次聖杯戦争』に召喚されたFate/staynightのメインヒロイン、アルトリア・ペンドラゴンその人。(厳密には少し異なる、詳しくは後述)
Zeroの準主人公を務める。
『stay night』とは異なり、聖杯には王の選定のやり直しではなく国の救済そのものを求めている。
国の為に身命を捧げ、しかし護ることができなかった後悔から、やり直しを望んでいたが…。
略歴
本編では使用する機会のなかった『騎乗』スキルを存分に発揮し、ベンツや大型バイクを駆って公道上を走り抜けるなど新たな一面を見せる反面、ランサーの宝具攻撃を受けて全力の剣技を封じられてしまうなど奇襲・罠・搦め手に対する若干の耐性のなさは変わっていない。
また、英雄王ギルガメッシュ、征服王イスカンダルとの王同士の宴では、彼らの持つ『王としての在り方』と結果として彼らが残した業績に反論することができず、己の在り方に疑問を持つようになってしまう。
さらに、ランサーと正々堂々とした決着をつけることができずに呪詛を垣間見、守るという騎士の誓いを立てたはずのアイリも言峰綺礼に誘拐・殺害され、追い討ちをかけるようにバーサーカーの真名を知り自らの過去の過ちにも直面させられることになる。
打ちのめされたセイバーがすがるものはもはや聖杯しかなく、ギルガメッシュとの最後の戦いに挑もうとするものの、聖杯の真実を知った切嗣の令呪による『聖杯を破壊せよ』という命令に逆らえぬまま、最後の希望であったはずの聖杯を己の力で破壊してしまい聖杯戦争から脱落する。
これら一連の出来事を受けたセイバーは完全に心が折れ、自分が王に選定されたこと自体が間違いだったという考えを持つようになってしまい、聖杯に願う望みは『自らの手による王国の救済』から『過去をなかったこととし、自分以外の王を選ぶことによる王国の救済』に変化することになる。
人物像
第五次聖杯戦争の時よりも、騎士道を重んじる、正々堂々とした勝負を好む性格となっている。
マスターである切嗣がもともとは暗殺者であったため、「どんな手段を使ってでも相手を殺せればいい」という考えのマスターと「騎士として正々堂々戦って勝ちたい」という考えのサーヴァントは致命的なまでにすれ違いを生んでしまい、切嗣とセイバーは話すらできない有様であった。
この対立を解消することは絶対にできないと考えた切嗣は、妻であるアイリスフィールと相談の上で彼女をセイバーのマスターへと偽装し、セイバーとアイリを囮として独自行動に赴く。
能力
基本的な能力や戦闘スタイルは本編と変わらず。ただしステータスは変化しており、耐久・敏捷・騎乗スキルがランクアップした代わりに幸運が大きく低下。
特に騎乗スキルはフルに活用されており、車やバイクを乗りこなしている。
コンプリートマテリアルvol.3の説明によると、幸運が下がってしまっているのは、切嗣ですら魔力が足りずマスターの生き様に影響を受けているため。
征服王とデッドヒートを演じた大型バイクは、公式からは「セイバー・モータード・キュイラッシェ」という銘を拝借しており、Zeroセイバーとセットでフィギュア化もされている。
詳しくは当該記事にて。
保有スキル
対魔力(A) | A以下の魔術は全てキャンセル。事実上、現代の魔術師ではセイバーに傷をつけられない。 |
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騎乗(A) | 幻獣・神獣ランクを除くすべての獣、乗り物を自在に操れる。 |
直感(A) | 戦闘時、つねに自身にとっての最適な展開を”感じ取る”能力。研ぎ澄まされた第六感はもはや未来予知の領域に近い。視覚・聴覚に干渉する妨害を半減させる。 |
魔力放出(A) | 武器、ないし自身の肉体に魔力を帯びさせ、瞬間的に放出する事によって能力を向上させる。 |
カリスマ(B) | 軍団を指揮する天性の才能。カリスマは稀有な才能で、一国の王としてはBランクで十分と言える。 |
人間関係
第四次聖杯戦争におけるセイバーのマスターであり、自身の天敵。
戦術的に有効利用していたが、人間的な相性が最悪で切嗣から話しかけたのは令呪による3度の命令のみ。
実は、互いに根底部分の性質は本当によく似ており、どちらも自身を一つの機構としていたにもかかわらず、人としての感情を捨てることが出来なかった「ロボットの振りをした人間」であったので、セイバーと切嗣は似た者同士だった。
互いに妥協や歩み寄りが出来さえすれば、なかなかの好相性のパートナーと成り得たかもしれない…。
衛宮切嗣の妻であり、アインツベルンのホムンクルス。
切嗣の代わりにセイバーの代理マスターとなり、常に行動を共にしていた。
令嬢然とした彼女とは人間的な相性も良く、セイバーの騎士らしさが十分に発揮され、彼女には紳士的に接していた。
第四次聖杯戦争における初戦の相手。
自らと同じように騎士道を重んじている事から、セイバーも戦友として彼に接していた。
敵同士とはいえ、友人になれるほど人間的にも相性が良かった相手。
とある世界でもその友情は健在であり、二人はまた戦おうと会話をしている。
聖杯問答にて、セイバーの王としての在り方や聖杯への願いに対して道化とあざ笑うも、やがてある人物の面影を重ねたことで執着し、第四次聖杯戦争の終盤で求婚をしてきたセイバーの天敵。
とある世界でも問題がある王だと評し、こちらの世界のマイルームボイスでも苦手だと評している。
聖杯問答にて、セイバーの王としての在り方や聖杯への願いの間違いを指摘し、怒鳴りつけてセイバーに説教をした王。
王は孤高であるべきだと考えていたセイバーは生前、民達・臣下達と絆を培えなかったので、彼とは王としての在り方が真逆で意見がぶつかり合った間柄だが、その一方で彼からは戦士として配下に加えたいと思われていた。
とある世界でセイバーは征服王を英雄王に続いて問題がある王だと評している。
聖処女ジャンヌ・ダルクの生まれ変わりだと勘違いしたことで終始執着し、つきまとってきたセイバーの天敵。
アーサー王に妄執し、セイバーに執着してきた狂戦士。
セイバーを目撃する度に暴走し、襲いかかってくるが、その正体は、なんと……。
外部出演
Fate/GrandOrderにおけるアルトリアは基本的にstaynightの設定を基準としているが、虚淵玄氏執筆の期間限定イベント『Fate/Accel_Zero_Order』ではZeroの設定を基準としたアルトリアが登場。
マスターは切嗣ではなくアイリスフィールであり、マスターとの仲は変わらず良好。
最初は成り行き上、主人公達と敵対するが、終盤では聖杯戦争の真相を知らされた事で協力して事にあたってくれる。
ニトロプラスのキャラクターではないが、脚本家繋がりから『Zero』名義でゲスト参戦。
登場イントロでは黒スーツから変身し、一対一の戦闘に横槍を入れ…もといアシスト役も切嗣が担当。
アル・アジフに対してキャスターの宝具に似た気配を感じとるが、世界最強の魔導書と自負する彼女からは不興を買ってしまった(そもそも件の教本は劣化コピーに近い代物で、アルは正真正銘の原本)。
リブート作品『ニトロプラスブラスターズ』にも続投。
stay nightとの違い
小説『Fate/strangefake』のあとがきにて「Zeroは『stay nightと条件は同じだけど微妙に違う世界』」と語っている事から、本作(Zero)は『SN』本編と完全には繋がっていない、異なる平行世界での出来事である模様。
同時にセイバー達の性格や環境も原作と異なっており、『TYPE-MOON 10周年記念オールキャラクター人気投票』では『stay night』キャラであるセイバーと言峰綺礼、ギルガメッシュは明確に区別されることになった。
そもそも作者が違うためもあり、ファンからは「矛盾」や「性格の違和感」が指摘される事しばしばで賛否は分かれている。
また、公式ファンブックでもセイバー本人が「私、なんか性格違うような……」と発言している。
ただそれらの矛盾点はドラマCD『アーネンエルベの一日』で「ドラマの為ならば原作をも殺すをスローガンにしている」という発言もあるので、そういう仕様である。
また性格に限れば、シリーズの後発作品でも「マスターも含めた召喚状況が変われば性格もいくらか変動する」という描写はされている。
そして、菌糸類曰く「同じ人物でも書き手が変われば表現が変わるのは当然の事」だとか。
具体的に例示すれば、Zero発表時点で「第四次聖杯戦争でセイバーが挫折する」ことは確定していたのだが、
『stay night』 | 『Zero』 | |
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聖杯に託す願い | 「王の選定のやり直し」。己の全てを捧げ国の為に尽くしたが、その思いも空しく故国は滅亡。自身の選択に未練や後悔は一切無く、だからこそ「別の者が王となれば国は救えたのではないか」と考え聖杯を得るために「世界」と契約する。 | 国の救済。国の為に身命を捧げ、護ることができなかった後悔から、しかし第四次を通しにおいて「己の選択全てに後悔して、絶望した末に選定のやり直しを願った」 |
性格 | 騎士達が望むような「完璧な王」として振る舞うが、彼女の合理主義的な決断(国を守るためであればそこまで手段に拘らず、1つの村を干上がらせ、物資を調達し軍備を整える、侵攻を防ぐために村一つを焼くといったこともやっている等)は私情を捨て、理想論的な騎士道精神を掲げる騎士達と相容れることはなくやがて円卓の中で孤立していくこととなる、「必要とあらば犠牲を払う」と切嗣に近い人物。一応、誇り高い性格で魂喰い等は断固拒否しているが、聖杯戦争で勝つための作戦は奇襲などの騎士道に沿わない手段も全く躊躇せず提案していた。 | 正々堂々とした勝負を好む騎士道を重んじており、切嗣との対比が色濃くなっている。 |
戦法 | 「騎士」というよりも「王」。切嗣と"戦闘に限定すれば"相性はかなり良く、少なくとも最終決戦では二人で巧みに連携して言峰綺礼を焦らせた他、切嗣の外道染みた戦法を活用し、あらゆるものを最大限活用して次々に敵を撃破したと言及されている。また、彼女の「目的の為なら犠牲を払う」性格は生前からの物である。 | 「王」というよりも「騎士」。むしろ合理的に判断して策を巡らせる切嗣と正々堂々を好むことに執着しすぎるでは最後まで勝ち残ったものの最後まで通じあうことはなかった。 |
召喚した場所 | 衛宮邸の土蔵だったため、イリヤの事を知らない。 | アインツベルン本国の城。衛宮邸の土蔵はアイリスフィールの治療に使い魔法陣は全くの別物、イリヤとはアインツベルンの本拠地で会っている。 |
第四次の好敵手 | ライダー | ランサー |
以上の様にstaynightとZeroでは人物設定とそれに伴う展開が異なっている。
この点に関しては、設定の厳密さを求めるファンを中心に否定的に見られることもあるので、言い争いが今もまだ巻き起こっている。
"だが、その変更によってZeroの物語が面白くなったことも事実"である。
"作者が違うので当然なんだが、二つの作品の世界観は別物だと考えた上で両方とも楽しむ"ように心がけよう。
アニメ『Fate/stay night [Unlimited Blade Works]』では、この騎士道を重んじる性格面でZeroの影響を受けた節がある。
特にアサシンとのやり取りで顕著に表れており、原作では名乗りを上げたアサシンに対し悩んだ末に真名を明かそうとするが、この作品では躊躇せずに明かそうとする。また、別れ際の台詞もどう声をかけていいた分からずにいた原作と異なり、聖杯戦争の結末よりアサシンとの決着を優先する騎士道精神溢れる台詞に変更されている。(あくまで台詞だけで展開が大きく変わっている訳ではない)
だだしBlu-ray BOX上巻の特典として、奈須きのこによって書き下ろされたGarden of Avalonでは、セイバーが生前の頃から自分が王でいいのか苦悩しており、死の直前に王の選定のやり直しを決意し、そのために聖杯を求めるが描かれている。
また、第三ルートであるHeaven's_Feelにおいて、原作でイリヤおよびバーサーカーと交戦する際、セイバーからイリヤに対する反応は特に見られない。
しかし劇場版第一作ではバーサーカーとの戦闘中、イリヤを見て何かを察した表情を見せており、アインツベルンの事、あるいは母親であるアイリを思い出したかのような描写がされている。
だだしセイバーの召喚した場所は衛宮邸の土蔵を変えることは出来ず。
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