概要
日本、中国、東南アジア、インド、中東等のアジア圏をルーツとしたアメリカ国籍をもつアメリカ国民のことをさす。合衆国人口の5%を占め、特にハワイ州ではフィリピン系や日系などのアジア系住民が州人口の40%を占める最大派となっている。
アメリカでは白人と黒人の人種差別が大きな社会問題となっているが、アジア系アメリカ人も差別対象にされることが多く、マイクロアグレッション(無意識の差別)を受けるアジア系アメリカ人も少なくない。
そもそもマイクロアグレッションという概念が、アジア系アメリカ人の扱いから提唱されたという経緯もある。しかし、ポリティカル・コレクトネスの文脈からは、ヒスパニック以上にアジア系の存在が無視("Invisibility"=不可視化)されやすい。
2001年にアメリカ同時多発テロが発生してから中東系への差別が激化したほか、2020年に武漢肺炎が世界的に流行するようになってからは中国系を始めとする東アジア系全体に対する差別や憎悪が増大し、全米でアジア系に対する暴力的なヘイトクライムが多発するようになる。
これは米国に限った話ではなく、世界的にアジア系人種への差別が強まっている。