日本の漫画家。現在は青年向け性教育マンガ『ふたりエッチ』の作者として知られる。それだけじゃないんだけど。
高専経由で大阪芸術大学卒。そのため島本和彦は同い年であるが先輩であり、そしてアシスタントとしてついた師匠でもある。ただし島本は個人活動で漫画家になったが、克は島本の元でアシスタント活動をすると同時に大阪芸大漫画研究会「グループCAS」にも所属していた。
さらに吉崎観音の師匠としても有名。一方で吉崎に対しては彼の資質から他の漫画家の元でもアシスタント修業ができるよう取り計らっていたため、直接指導した期間は短いとされる。
概要
1983年『花とゆめ』(白泉社)で読み切りデビュー。以降、デビュー元の白泉社と、師である島本とのカラミから『少年サンデー』関連誌(小学館)を拠点に活動。
アツい少年漫画・不条理ギャグ・ハードなヒロイックファンタジーから、甘い少女漫画・芸能ラブコメまで、デビュー当初より広い芸風を見せてプチブレイクを果たしていた。(つまり基本的には師匠や大師匠たち同様「なんでも描く・なんでも描ける」ヒトである)
しかし90年代初頭に『サンデー』側の編集方針の変更もあり、小学館を去る。その後、執筆ジャンルを青年誌に変更し、古巣である白泉社をはじめとした各社(集英社・学研・講談社など)で執筆。主に『ヤングアニマル』関連誌に作品を寄せるようになり、1997年より現在の代表作である『ふたりエッチ』にとりかかり再ブレイクして現在に至っている。(とはいえ、たまに往年を彷彿とさせる「らしい」少年少女漫画を描く時もある)
高橋葉介のファンで、ファンタジーや幻想系の作品に手を出しているのは、彼の影響。しかし高橋と同領域(そして自身が一番大好きなジャンル)となるホラーに関してはデビュー時、真っ先に手を出したものの当時に付き合いのあった全ての出版社の担当から難色を示されて断念している。また『ふたりエッチ』の主人公、小野田優良のホラー好きは克の趣味が反映されたもの。
作品
主だったものを挙げる。
少年サンデー(小学館)系列作
- まぼろし佑幻
- はっぴぃ直前
- 符法師マンダラ伝カラス
- 星くずパラダイス
- 吉崎が師事していたのはこの作品の頃。最終巻では吉崎ほか同作に関わったアシスタントや漫画家によるおまけページが見られる
- 超龍戦記ザウロスナイト
花ゆめ・コミコミ(白泉社)系列作
- メアリー・ララバイ(実表記においては黒丸は黒ハートマーク)
- SHOW
- ふたりエッチ for Ladies ゆらさん日記
ヤングアニマル(白泉社)系列作
- ぼくの銀色ハウス
- エンジェル・ハード
- ふたりエッチ
ヤングマガジン(講談社)系列作
- ラブ・らっきぃ(実表記においては黒丸は白ハートマーク)
- 天地開闢
- 熱いぞ!猫ヶ谷!!
その他の系列の作品
- 天空のエスカフローネ(原案:矢立肇・河森正治 / 月刊少年エース連載)
- いわゆる『エース(克・亜樹)版エスカフローネ』。主人公の名前(星野ひとみ)から『星野エスカ』とも。アニメ版からのコミカライズではなく、アニメ版設定を作り上げる以前のアイディアメモ(いわゆる初稿企画書。ココから製作会社の上層部やテレビ局・スポンサー・広告代理店などをはじめとする参加各社やスタッフの技術的な要望が入って設定が変更しまくっていくため、大抵できあがった公開作は初稿企画書からは別物と化す)から漫画化した(当時はプロモーションの観点から、そんなムチャな漫画化も普通に横行していたのである)もので、アニメ版とは設定も内容も全くの別モノ。
- 後に完成したアニメ版が話題を呼んだため、そちらから入ったファンからは黒歴史扱いされる事も多いが、良くも悪くも克・亜樹節が大全開であり、むしろ掲載誌の持つカラーとの関係もあってアニメよりもしっかり少年漫画している。その事もありこれはこれでというファンもいるので無暗やたらな黒歴史扱いには要注意。
他、多数