概要
絃楽器の一種。「琴」と表記されるものは、ほとんどの場合この箏である(表記については後述)。
木でできた胴に絃を張り、それを柱で持ち上げて支え、爪(付け爪)で弾いて演奏する。
ふつう13本の絃を持つが、20世紀以後派生的に登場したものとして、17本の絃を持つ十七絃やそれ以上の絃を持つものもある(多絃箏)。
しばしば龍の形をした楽器だと言われる。箏全体を龍の姿に見立て、各部分に「龍角」「龍尾」など龍に因んだ名が付けられている。
近世に八橋検校によって雅楽から分離した俗箏が確立され、日本の芸術音楽としての箏曲が成立した。
現在、主な流派には生田流と山田流があり、爪の形等の違いが見られる。
「琴」表記について
現在一般に「琴」の字はこの「箏」を指すが、本来は別の楽器を指す字である。
「琴(きん)」は手で絃を押さえて音程を変えるのに対し、「箏(そう)」は柱(じ)と呼ばれる部品を動かす事で音程を調節するのが最大の違いである。
古来、「こと」という言葉は絃楽器全体を指す言葉であり、「琴のこと」「箏のこと」「琵琶のこと」といったように呼び分けていた。15世紀頃には「こと」が箏を指すようになったと見られている。
「琴」との混同は古くからあるが、「こと」と呼ばれる楽器で最も普及しているのが箏であり、現在「琴」の字は「箏のこと」を指すのがほとんどである。
上述の通り「琴」は本来別の楽器を指す字であるので、近年では教科書等を中心に「箏」の字での普及が図られている。しかしながら、「箏」が常用漢字でないことや、既に一般に「琴」の字で知られていることなどから、演奏家なども「琴」の字を使うこともあり、現状では混用されている。
創作作品において
箏が登場する作品
関連キャラクター
武家の娘の手習いというイメージから、箏をテーマにする作品以外では大和撫子然としたキャラクターに多く使われる。
(箏曲部がテーマの作品で、登場人物の多くが箏奏者。上記は個別記事のある人物)
(鶴見恵真は十七絃奏者)
(黒澤ダイヤについて、プロフィールには「和琴」とあるが、アニメでは箏を弾いている描写がある)
関連イラスト
オリジナル
版権
関連動画
いろは唄/銀サク
作業用BGM
表記揺れ
関連タグ
八ツ橋 - 形状が箏の形に由来すると言われている。またその名も、箏曲の祖である八橋検校に由来するとも。