日本料理
にほんりょうり
たいていは和食と同じ意味で使われる。
違いは、たこ焼き、お好み焼き、カレーライス、ラーメンなどが「和食」と呼ばれることはまずないが、日本料理と呼ばれることはある点。すなわち、「日本料理」は和食のほかに、鉄板焼き料理や、中華料理・西洋料理から派生した日本の料理を含むことがある。
日本料理の種類
大衆料理
お店などで大衆に食べられる料理。
伝統的料理
有職料理 | 平安時代の貴族の料理の流れをくむ。現在は京都の限られた料亭にのみ伝わる。 |
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本膳料理 | 室町時代から武家で食べられる料理。明治期に廃れた。 |
精進料理 | 禅寺などの寺で、外来者をもてなすための料理。禅僧が食べているわけではない。 |
懐石料理 | 茶道から発したコース料理。量の少なめな会席料理が「懐石」を称することがある。 |
会席料理 | 主に料亭などの宴席で食べられるコース式の料理。江戸時代の大都市で発展した。現在、改まった席の日本料理といえばこれ。 |
「世界三大料理」と言われる中国やフランス、トルコでは、宮廷料理が民間にも広まることで食文化が発展していったが(中国はそう単純にいえないところもあるが)、日本では逆に庶民の料理が趣味人(茶人)や富裕な階級に取り入れられ洗練されるという発達をとげている。江戸時代には皇族や公家は質素な暮らしをしていたので、金持ちの町人のような豪華な料理は食べていなかった。現代でも皇室の食事は一般庶民とほとんど変わらないものである。
アルコール類
日本人の食の無節操さが全力で発揮される分野である。
伝統的な酒類は日本酒と焼酎であるが、他に明治以降に日本に入ってきて独自の発展を遂げたものにビールとワインがある。
特にワインは、「ワインはワイン醸造用の種を専用に栽培したもの」という概念を真っ先に投げ捨ててしまい、食用のブドウ(甲州など古典的日本種、マスカットなどアメリカ種、そのかけあわせで生まれた巨峰などの近代日本種)でワイン醸造を始める(もっとも、この経緯には日本でのワイン醸造黎明期に輸入された醸造用のヨーロッパ種が病気で壊滅したという背景もあるのだが)。この結果、醸造する気候の違いとも合わさってワインでありながらワインの悪い特徴を捨てた日本ワインが誕生した。
また焼酎最強の花酒(与那国島)は60度。また日本酒最強の越後武士(玉川酒造)は46度に達する。前者はロシアのスピリタスと比肩するもので、現在の酒税法上は焼酎ではなくこれらと同じスピリット類に分類されている。後者は強い酒というと通常蒸留酒(焼酎はこれ)の中で醸造酒としては世界最強級である。