メルヘン
めるへん
主に童話(おとぎ話)をモチーフとした作品ジャンル。広義では一風変わった非日常を扱っている作品も指す。
意味
童話(おとぎ話)。また、それをモチーフとした作品のジャンルを指す。
狭義のメルヘン
狭義には「神話や伝説を元にしていない空想による物語」という定義がある。
代表的なメルヘンとしては『不思議の国のアリス』やアンデルセン童話などが挙げられる。
伝承の聞き書きが元になったグリム童話は微妙なところ。『シンデレラ』はメルヘンかもしれないが、『ハーメルンの笛吹き男』は外れそうだ。
日本の物語では、神話(古事記)に由来する『因幡の白兎』はメルヘンから外れるが、『桃太郎』『一寸法師』などの昔話はメルヘンという分類になる。
創作のジャンルとしてのメルヘン
pixivでは、メルヘンチックな作品という意味合いでメルヘンのタグを使うことが多い。すなわち、童話にありそうな妖精や擬人化された動物などをモチーフにし、メタファーを盛り込んだ空想的な作品を表す。
また、メルヘンとは元来「聞いたことがない不思議な話」といった意味であるため、広義では一風変わった非日常を扱っている作品もこのジャンルに含まれる。
ファンタジーとメルヘンの違い
- ファンタジーの人物は等身が高いリアルなデザインで、メルヘンの人物は等身が低いデフォルメ調のデザイン(なことが多い)。
- ファンタジーは自分が主人公になりながら話を進めている読み味で、メルヘンは遠くから架空の主人公に感情移入している読み味(どっちも1.5人称)。
- ファンタジーの主人公は現世と異世界を行き来し、メルヘンの主人公はもともと異世界の住人(なことが多い)。だが、メルヘンはハイファンタジーのように『異世界の紹介』が主題ではなく、現世では伝えられないテーマを伝える為に異世界を使っている。メルヘンの異世界は作者のオリジナルというよりは『現実にある物のメタファー』である(人形、動物、無機物の擬人化など)。「ふしぎ星の☆ふたご姫」のように、ハイファンタジーとメルヘンを融合した作品も存在する。
- ファンタジーは「格好いい」「セクシー」といった要素が強いが、メルヘンは(大なり小なり、格好いい要素やセクシーな要素が入っていたとしても)「かわいい」「ほのぼの」一点張りである。ただし、どちらも毒気は含んでいる。
メルヘンは、幽霊や妖怪よりもおばけ、馬車よりもカボチャの馬車と言った可愛らしいモチーフを出すことが多い(内容的には、普通のファンタジーと一緒)。