現在も様々な創作物に登場する、陰陽師の代名詞的存在である。
概略
延喜21年(921年)の生まれとされるが、出自は定かでなく、西日本とされる。賀茂忠行・賀茂保憲父子のもと修行し、陰陽道と天文学を学んだ。
天暦2年(948年)に官職に就き、天徳4年(960年)に天文博士となり、村上天皇や花山天皇、藤原道長などの信頼を得て官職を歴任。寛弘2年(1005年)に没した。
この安倍氏は土御門家とも呼ばれ、晴明一代で陰陽道の名家になれた。
白狐(妖狐)の葛の葉を母に持つと言われ、呪術や祈祷に長け、式神(十二神将)を自在に操ったとされ、数々の伝説を生んだ。ライバルの蘆屋道満とは対決を繰り広げた。
現在、京都市内の晴明神社と大阪市内の阿倍王子神社があり、そこに祀られている。
後世
様々な古典文学や歌舞伎の演目に取り上げられたが、近代以降は陰陽師の存在とともに影を潜めた。
だが、荒俣宏の小説『帝都物語』(のちの映画版を含む)で昭和の世に息を吹き返すこととなり、さらにその後に発表された夢枕獏の小説『陰陽師』の大ヒットにより、平成の世に知名度が飛躍的に向上。「安倍晴明」は確固たる地位を築くこととなった。
夢枕版は漫画、映画、ドラマ化もされ、その後の和風ファンタジー系漫画・アニメ・ゲームの世界観にも多大な影響を及ぼすことになった。
ゲームだと白狐を肩に乗せていることが多い。
「安倍晴明」が登場する作品
ぬらりひょんの孫(安倍晴明) ドリフターズ 晴明さんはがんばらない
遙かなる時空の中で 鬼武者Soul 無双OROCHI2 討鬼伝 雅恋