概論
【beam】には「光線」「光束」の意味があるので、ブラスター、光線銃などと同類とみても差し支えない。
ただし光線銃は「レイガン」と呼ぶのが一般的で光学兵器とされるのに対しビームライフルは電子ビーム≒素粒子兵器として扱われる事が多い。
なお、実在のスポーツ射撃の一種目としても存在する(無論非殺傷性)。
こちらは標的にレーザーを照射するので「光線銃」と訳される。
ガンダムシリーズに登場するビームライフル
宇宙世紀におけるビームライフル
メガ粒子砲というミノフスキー粒子にエネルギーをかけて圧縮し、縮退・融合させることで、ほぼ全質量を運動エネルギーに変換した超高熱粒子粒子を、をIフィールドによって収束させ打ち出す兵器である。
ミノフスキー粒子という“電磁気を吸収して伝播を阻害する”架空の粒子をゼロ質量近くまで縮退させているため、いわゆる「荷電粒子砲」(現実に研究されているものや、『ZOIDS』シリーズなどに搭乗)とは全く異なる、『ファンタジー』にカテゴライズされるものである。
元々はジェネレーター出力の関係から戦艦等にしか搭載できないものだったが、メガ粒子に変化する直前までミノフスキー粒子を縮退させて保持するエネルギーCAP技術により、威力はそのままにMSが使用できるまでにスケールダウンしたものである(ただしエネルギーCAPをチャージするには戦艦並みの出力が必要なので(ガンダムの出力では足りないので)、ビームライフルを撃ち切った後は母艦(ホワイトベース)でないと再チャージ出来ない)。一年戦争中はMS用の火器としては実弾兵装に比べ桁外れの威力を持ち、シャアをして「戦艦の主砲並み」と言わしめ、ガンダムの強さの象徴ともなった。
一年戦争後はMSの標準兵装として普及し、ビームを連射するビームマシンガンやビームガトリング、大型化して威力や貫通力を向上させたビーム・スマートガン、散弾状にビームを発射するビームショットライフル等のバリエーションも増えていった。
一方で対抗策としてIフィールド(ビグ・ザム、ノイエ・ジールやデンドロビウムなど)や対ビームコーティング(フルアーマーZZガンダム、クロスボーンガンダムなど)ビームシールド(機動戦士ガンダムF91及びそれ以降の時代)などといった対抗手段も産み出されていった。と言うか、既に戦艦ではメガ粒子砲が標準装備だったので、ビームライフル以前から「ビーム拡散幕」と言う防御兵器も存在した。
さらに、後の時代にはV.S.B.R(ヴェスバー/ヴァリアブルスピードビームライフル)と呼ばれる、弾速を変化させることで破壊力重視や、貫通力重視に調整できる亜種が開発され、ガンダムF90を経てガンダムF91で実用化された。
- Eパック
一年戦争時はライフル自体にエネルギーCAPを内蔵する構造であったため、弾数は15発程度、撃ち尽くすと母艦に戻って再チャージするか、チャージ済みのライフルそのものと交換する必要があった。
しかし、後にエネルギーCAPをカートリッジ化して外付けにするEパック方式が実用化され、現実の銃火器の弾倉給弾のように戦闘中でもEパックを交換することで射撃回数を増加させることが可能になり、継戦能力が飛躍的に向上した。
(Eパックは一年戦争から三年後で実用化されたが、"外付けのエネルギーCAP"という点ではビームサーベルで確立されている)
時代ごとの技術力や開発した会社にもよるが、Eパック一つにつき7~15発程度の射撃が行えるようになっている。
一射毎にEパック一つを丸ごと消費して強力なビームを放つビームマグナムというものもある。
これらの技術により、一年戦争後はビーム兵器が当たり前のようにMSに使われるようになっていった。
ビーム兵器の出力も上がっていき、当たれば一発で終わりというケースが顕著化し、装甲や盾の意味が薄くなっていった。
そこで当たらなければ装甲は必要ない理論の元、装甲を削ったり軽量で頑丈な新素材に変更して機動力を高め、機動性が高く被弾しにくい可変MSの開発や、対ビーム兵器技術の飛躍的な発展がされていった。
また、シールド表面には対ビームコーティング(塗膜処理)が施された他、ビームサーベルやミサイルランチャー、Eパックなどを搭載する武装プラットフォームとしての側面が濃くなっていった。
原作者である富野由悠季監督による小説版では設定が少々異なり、超高温の重金属粒子を発射するもの、としている。
小説版Vガンダムでは弾速が実弾より遅い上、発射した瞬間に強烈な光を発するため、敵に簡単に避けられてしまう。そのため、直撃させるためには相手の動きを先読みしなければならないという描写がある。
コズミック・イラにおけるビームライフル
CE世界ではUC世界とは別の世界であり、上記の設定とは違うが、明確に何かと言うと詳しくは語られていない。
UC同様、MSを一撃で撃沈できる高い破壊力を誇り、対抗策として対ビームコーティングやゲシュマイディッヒ・パンツァー、陽電子リフレクター、ヤタノカガミなどが開発された。また、ビームサーベルや日本刀で斬ることもできる。
曲がる、弾く事が出来る、切れる、などの特性からUCのものと同じ素粒子ビームではありそうだ。
同作品世界には、映像上では差異は見られないが名称に差異があるため原理も異なると見られる兵器が数多く存在する。例えばフリーダムガンダムのバラエーナに代表されるプラズマ砲や、アークエンジェルのローエングリンに代表される陽電子砲などである。
ただしプラズマも陽電子も似たようなものであり(特にプラズマは漠然とした表現として用いることも)、いわゆるケレン味のような物としてわざわざ共通性の無いネーミングにしているだけかもしれない。実際これらは対「ビーム」兵器用の防御装置で同様に防げている。
ガンダム00の西暦2300年代におけるビームライフル
GN粒子を圧縮・高エネルギー化して撃ち出す。そのためGN粒子が必要不可欠。ミノフスキー粒子からGN粒子に置き換えた設定とみられる。
やはりMSを一撃で倒す強大な威力を誇り、対抗策として対ビームコーティング(ユニオンフラッグカスタム)や対実弾・対ビーム両面に有効なGNフィールドなどが存在する。
この世界のビーム砲の特徴として、GN粒子の収束性質を応用したセラヴィーガンダムのクァッドキャノン、スサノオのトライパニッシャーなど、砲身を用いずGNフィールドを圧縮する殻にしたりレール代わりにして機体前面に発生させた火球を飛ばすという兵器が存在する。
ガンダム登場以前でも三国家群でビーム兵器の研究は行われており、一歩進んだAEUは一部の大型モビルアーマーにプラズマキャノンを実装している。
機動戦士ガンダムAGEにおけるビームライフル
劇中以前の大規模な戦争後に締結された銀の杯条約により、強力なビーム兵器の技術は封印されており、従来の主力機であるジェノアスが装備するビームスプレーガンはおろか、艦載の大型ビーム砲ですらUEを撃破不可能という、非常にしょっぱい威力のものしか普及していなかった。
ガンダムAGE-1登場以降の連邦側機体では、磁気旋光システムによってドリル状に粒子をスピンさせ惹起させたDODS効果の共振粒子で対象を分子崩壊させる「ドッズライフル(ドッズガン)」が使われている。
その性質故、発射直後に残余の粒子が螺旋状に拡散するなど独特のエフェクトと効果音を発する。
ヴェイガン系の機体には封印された技術から抽出した技術を用いた強力なビーム兵器を全ての機体に標準搭載しており、バルカン程度でも初期のジェノアスやザラムやエウバ陣営の機体を容易に破壊せしめた。
こちらの陣営のビームは「メガ粒子」という語が使われているため、宇宙世紀のものと似たようなものと考えていいだろう。
関連タグ
レーザーガン:メガ粒子砲より低出力(=低威力)とされる兵器。機動戦士Zガンダムのメタスに搭載されていたほか、フィンファンネル以前の無線型ビット兵器の武装もこれ(有線型ならメガ粒子砲を搭載していた)。