概要
コロコロコミックにて連載されていた、徳田ザウルス氏によるミニ四駆漫画。全14巻。アニメ化もされた。
終盤、作者の病気による長期休載があった為、未完と思っている人が多いが、長期休載の後、きちんと完結している。
ミニ四駆漫画としては初の本格ストーリーを持ち、第一次ブームの火付け役になるとともに、人気を支えた。
ストーリーは大きく分けて『ミニ四駆選手権編』と『黒い風編』の二つからなる。
アニメ版はホビーアニメの元祖とも言えるアニメであり、カブトボーグのようなシュールな笑いが好きな人は必見。(ただし、当時の子供達は決してそんなつもりで観ていたわけではないが。なお、ホビーアニメではなくホビー漫画ではこれより古い作品も多い。)
なお、続編として、模型店のポスター&チラシ上で『真ダッシュ!四駆郎』が連載されたが、当時は『爆走兄弟レッツ&ゴー!!』人気の真っ最中であり、四駆郎世代は軒並みミニ四駆を卒業していた為、まったく人気が振るわず、未完のまま打ち切られた。
なお、2015年に雑誌「コロコロアニキ」にて武井宏之の手により『ハイパーダッシュ!四駆郎』として復活した。武井は中学時代、本シリーズに登場するオリジナルミニ四駆のデザイン公募に応募し優秀賞を勝ち取った事がある。(その際に作者の徳田から、デザイン使用とブラッシュアップデザイニングの承諾のための電話連絡を直接貰い、デザインのセンスをベタ褒めされたという。また、この事が武井の漫画家としての原体験の一つとなっている)武井が描いたデザインは、のちに徳田の手によってブラッシュアップされ「ダッシュ3号 流星」として本作のサブを担うマシンの一つとなった。
公式配信
ニコニコ動画にて、2012年10月12日より、公式配信がスタートされた(現在は配信終了)。
詳しくはhttp://ch.nicovideo.jp/channel/yonkurouまで。
当作品はこれまでVHS版のみでDVDなどの媒体では発売されておらず、視聴する機会に恵まれていなかっただけに、この公式配信は非情に有難い。
後にバンダイチャンネルでも配信されている。
こちらは現在でも視聴可能。
世界観・設定
この頃はミニ四駆の定義がまだ曖昧で、作中には明らかにタミヤ製でないオリジナルマシンが数多く存在している。(現実ではミニ四駆の商標はタミヤが取得しており、タミヤ製以外はミニ四駆を名乗れず、公式大会にも参加できない。)
また、ミニ四駆のルール自体も現実のそれとは大きく異なっており、現実の大会でやるとルール違反で失格になる技なども少なくない。
基本的にホビーアニメらしくトンデモ理論でレースが展開するが、トンデモ理論なりにきちんと理屈があるのが特徴で、気合や根性だけで何とかなる展開は意外と少なく、それが当時の他のミニ四駆漫画と一線を画すとして子供達に支持された。
オリジナルマシンには自動変速装置やオイル噴射駆動など、ミニ四駆ではありえないが現実には存在する技術などがふんだんに盛り込まれ、可能か不可能かはともかく、説得力だけはある。
ただ、ストーリー中盤で『キャノンボール』が使用したコンデンサ回路に関しては
作品を見た子供がフラッシュ付き使い捨てカメラを分解し感電する事故が発生している。
(幸いにも軽症であった)。
なお、オリジナルマシンの象徴的とも言えるのが主人公らダッシュウォーリアーズの使うマシンに採用されているカーボンシャーシの独特な形状をしたバンパーである。
通称496バンパーと呼ばれるソレは、キットのものとは大きく違う形状で、その独特のデザインは当時の子供たちの憧れの的であった(当時タミヤより発売されていたRCカー、マイティフロッグ、グラスホッパー系のバンパーがモチーフにされたものである)。
近年新規金型にて発売されたミニ四駆PROのバーニング・サンとスーパーエンペラーには496バンパーがディスプレイ用として付属しており、当時子供であった大人達の心を大いにくすぐった。
また、オフロード走行時にはまっすぐにしか走れないミニ四駆を操作するため、ホッケーのスティック状のガイドスティックを用いて一緒に走るのも特徴的だった。
このガイドスティックもまた、当時の子供達の憧れであった。
ちなみによくあるのが「子供の足でミニ四駆に追いつけるか!」というツッコミであるが、当時(1次ブーム時)のミニ四駆はあまり速くなく、余程改造をしていない限りは子供の足でも追いかける事ができた。(当時のジャパンカップの映像を観ると、あまりの遅さに驚く。)
登場人物及び登場マシン
ダッシュ軍団(ダッシュウォーリアーズ)
- 日ノ丸四駆郎(CV:野沢雅子)…主人公。主にエンペラー系を使う。熱血少年。
- 戸田弾九郎(CV:玄田哲章)/タンクロー…主にバーニングサン系を使う。熱血デブ。
- 南進駆郎(CV:関俊彦)…主にシューティングスター系を使う。改造が得意なお金持ちでヘタレイケメン。
- 地味頁二/パンクロー(CV:津久井教生)…主にキャノンボール系を使う。メイクで性格が変わる。進駆郎の幼馴染。名前の読みが「こうじ」と「ぺいじ」で2つある。
- 皇輪子(CV:佐久間レイ) …主にダンシングドール系を使う。チームの紅一点。
- 皇快男児(CV:中尾隆聖)…チームの監督で、各マシンの製作者。皇輪子の兄。
- ワンクロー(CV:西原久美子)…チームのマスコット犬。
- 源太(CV:高山みなみ)…主にワイルドミニ四駆のワイルドザウルス系を使う。
- ムサシ…ワイルドミニ四駆のモービーディックを使う。
ライバル達
- 鬼道院陣(CV:中村秀利)…「チームU」のリーダー。主にプロトエンペラー系を使う。皇快男児が以前に作ったチームのメンバーの一人。
- 日向葵(CV:高山みなみ)…「チームU」のメンバー。通称「ひまわり」。プロトエンペラーを元にしたマシンの一つ、ブラックチョッパーを使う。男っぽく見えるが、実は女。
- 鬼道院姫子(CV:小野寺啓子)…鬼道院陣の妹で「チームU2」のリーダー。クルーセイダーを使う。
- 大道将志(CV:鈴木清信)…「ヘルス・キッズ」のリーダー。
- 木尾桃太郎…「チーム桃太郎侍」のリーダー。ミニ四駆初のFMシャーシ採用車であるクリムゾングローリーを使う。
- 閻魔地獄丸…「忍者ウォリアーズ」のリーダー。シャドーエンペラーを使う。皇快男児が以前に作ったチームのメンバーの一人。
- 聖響子…「ヘビーメタル軍団(ウォリアーズ)」の補欠で、真のリーダー。ゴッドエンペラーを使う。皇快男児が以前に作ったチームのメンバーの一人。女性。
- 風神皇帝…「ヘビーメタル軍団(ウォリアーズ)」の補欠。ハリケーンエンペラーを使う。皇快男児が以前に作ったチームのメンバーの一人。
- 魔道皇帝…「ヘビーメタル軍団(ウォリアーズ)」の補欠。デビルエンペラーを使う。皇快男児が以前に作ったチームのメンバーの一人。
黒い風編
その他
- 日ノ丸源駆郎(CV:仲村秀生)…四駆朗の父で、ホライゾンの製作者であり、使い手。ダッシュナンバーズのマシンは、皇快男児がホライゾンの影響を受けて作ったもの。
- バア(CV:片岡富枝…四駆郎の祖母。原作では出番が少ないが、アニメではほぼ毎回登場する。
- 徳田ザウルス(CV:徳田ザウルス)…作者。CVも作者本人。作中では売れない漫画家とされている。バアと同じく、アニメでは出番が多い。
- 前戸(CV:山口勝平)…レースの解説を担当。モデルは実在人物である元タミヤの前田靖幸(通称:前ちゃん)
- 河合アナ(CV:西原久美子)…レースの実況を担当。レッツ&ゴーでいうミニ四ファイターに近い。
登場マシン(プラモ化されているものには☆印)
ダッシュ軍団(ウォーリアーズ)
- 地平線(ホライゾン)☆
- 皇帝(エンペラー)☆
- 太陽(バーニングサン)☆
- 流星(シューティングスター)☆
- 弾丸(キャノンボール)☆
- 舞伎(ダンシングドール)☆
- 超皇帝(スーパーエンペラー)☆
- 大帝(グレートエンペラー)☆
- 新太陽(ネオバーニングサン)☆
- 恐竜(ワイルドザウルス)☆
- 白鯨(モービーディック)
旧ダッシュ軍団
ライバル達
黒い風編
真・ダッシュ四駆郎
- SSS(スーパーシューティングスター)☆
- CBW(キャノンボールウェイル)
- DDD(ディムザダンシングドール)
- 大地皇帝(ジオエンペラー)☆
- 超太陽(ブレイジングサン)
- プロトエンペラーコアタンク
- コマンドザウルス☆
※ジオエンペラー、ブレイジングサン、プロトエンペラーコアタンク、コマンドザウルスの4つは分離・合体可能。
名セリフ
・「ミニ四駆はオモチャじゃねぇ!レーシングマシンだ!!」
・「何故君達はローラーを使わないのかね?」「だってあれ、カッコ悪いじゃん。」