キュアババアの歴史は繰り返される。
概要
アニメ『銀魂』は、プリキュアネタのパロディを何度か行った事がある。
その中でも本格的だった50話の「ふたりはタマキュアSilverSoul」では、お登勢&キャサリンが真のキュアババアになるという内容だったため、東映を激怒させ、プリキュアの声優をドン引きさせた。
さすがに懲りたのかしばらくは普通のギャグマンガによくある程度のパロディで済ませていた。
…かに思えたが、銀魂のスタッフは懲りていなかった。
例えば、2010年に公開された劇場版「新訳紅桜篇」でお登勢とキャサリンが劇場版第二弾の企画として提案したのが「ハートキャッチタマキュア」というタイトルだったり、209話で九兵衛の口から「爪弾くはお妙ちゃんの調べ」という声優ネタが飛び出したりと、兆候としては十分であった。
そして、ついに2012年3月26日。真のキュアババアは銀魂´最終回(252話)「ごめんなさい」で再び封印を解いた。
カメラに向かって「ごめんなさい」を言うコーナー。
「最終回だからって、しょんぼりしないで!」
「私たち、老け入るタマキュアがいるかーら!」
お登勢の桃色とキャサリンの緑色が本家よりもキラキラと輝いて登場し、
くすんだ色のタイトルロゴが登場。
「たかが数秒で、ありとあらゆるご迷惑をおかけしまして、ごめんなさい。」
今回は10秒程度の短いものだったが、構図は凝りに凝っており、タイトルロゴは本家プリキュアのロゴの文字位置を丁寧に再現。
また、本家の文字部分の上にある虹が、こちらでは線香の煙になっており、本家での「!」マークがハート型だったのに対して、こちらでは茶碗と干物とおでん。
そして使い古された仏壇のような色の光は、まさにタイトルに相応しい。
よく見ると、髪飾りの羽も魚の干物になっており、キャサリンの額部分の宝石はジャスタウェイになっている。
全てのエッセンスを詰め込んだ、非常に濃い10秒間である。
本家との比較や、本家の変身シーンと被せたMADなどでわかるが、構図の違和感がまったく無いところに、銀魂スタッフの並々ならぬ気合が感じられる。
前回のプリキュアネタと決定的に異なるのは、ネタにした本家が時期的にリアルタイムだったことだろう。
このパロディばかりは、流石の朝日放送と東映アニメーションも一度ならず二度までも・・・!と相当な剣幕となっていて、「テレビ東京とサンライズにはけじめをつけてもらう」とカンカン。
特に東映アニメーションの剣幕は凄まじく、当回を担当した監督と制作プロデューサー、そして主犯格のスタッフ数人を本社に呼び出し、「今ここで謝罪しろ!さもなくば全員法廷行きにするぞ!」と脅して全員に土下座させた上に、テレビ東京、サンライズ両社の重役との連名による詫び証文を書かせたという。
また、一部の声優さんからも怨嗟の声が上がり、またもや神楽の中の人(1年3ヶ月後の2013年7月より次世代のプリキュアとなった)が今度は九兵衛の中の人(マジもんの先代プリキュア)と一緒に板挟みになっているようだ。
しかし、最もシャレにならない板挟みになっていたと思われるのは、当時妖精(ポップ)として本家に出演していた新八の中の人だったりする。
この回の脚本担当は大和屋暁、横手美智子、下山健人の3人の連名クレジットであった。
前回のタマキュアと同じである。
彼らはこれ以前より東映のスーパー戦隊シリーズの仕事もやっており、下山はこのあともしれっと東映の仕事、大和屋と横手は東映アニメーションの仕事もやっている。
もっとも東映は東映で半年後の2012年10月、サンライズの某シリーズをパロディにしたり、翌年の別作品の主人公のそっくりさんを出したわけで…人のことなんて言えませんぜ!(というよりある意味報復?)
それから二年後、ジャンプスペシャルアニメフェスタ2014で上映された特別編で、性懲りも無く三度目のパロディをやらかしている(この時は当時放送中だった「ハピネスチャージプリキュア!」をネタにしており、キャサリンはキュアプリンセスのプリカードらしき物を持っていた)。
新八「タマキュアは打ち切れえええっ!!!」