「私は檀黎斗。だが、オーズの力を手に入れ、その名前は過去となった。
今の私は……檀黎斗王だァァァァァ!ハァッハッハッハァァァ!」
概要
『仮面ライダージオウ』第9話・第10話にて登場する檀黎斗の新たなる名称の一つ。
エグゼイドの物語が消滅した後、タイムジャッカーのウールによりアナザーオーズとなった檀黎斗が自称している。
「王」の名の通り、金と黒の豪華絢爛な衣装に身を包んでいる。
一般的感覚からすると「王」は人の範疇であるため「神」よりも下に感じるが、本人曰く「神を超える王」とのことなので、本人的には「神すら支配下とする王様」というつもりなのかもしれない。他作品でも従来登場していた「神」より格上扱いの「王」の名称が付けられた存在は少なくない。
アナザーオーズの能力の一部として、意に添わぬ者にセルメダルを投げつけることで屑ヤミーに似た怪人(※テレビ朝日公式サイトの表記)に吸収させ奴隷にする力を有する。また、依り代なしでもセルメダルを自在に屑ヤミーに似た怪人に変えることが可能(割る必要はない)。
活躍
アナザーオーズも参照。
常磐ソウゴは彼に興味を示し、自分が王様になる為の勉強をしようと接触。それに対して黎斗王も「自分が王として君臨している以上、彼が王になるのは無理。私を見ていればいつか諦めがつくだろう」という考えから敢えてソウゴが家来になる事を許可し、後に彼を王室直属の騎士団長に任命して「ポチ」と呼び始める。
また、明光院ゲイツには「魔王」、ソウゴ以外の人間を王とは認めないウォズには「僭称者」と呼ばれ、ツクヨミからは「なんかこいつヤバそう」と警戒心を持たれている。
一方、檀ファウンデーションの服飾部門に勤務している泉比奈には自身の衣装を作らせようとしたが(この時、彼がリクエストした衣装のテーマは「ゾンビ」)、黎斗王のやり方に反抗の意志を示した彼女に興味を示し、自分の妃にしようとする。
そして城の牢屋には、黎斗王が誘拐し人質にしたというある国会議員も幽閉されており……。
オリジナルからの改変
オーズの時代(2010年~2011年)はエグゼイドの時間軸で見ても重要な年代であるため、エグゼイドの歴史が消滅したことで檀黎斗の歴史・思想も変わっている様子。
一方で父親である正宗のことは、エグゼイドの時と同様本作でも「パパ」と呼んでいるなど共通点もある(この呼び方を進言したのは岩永氏とのこと)。
具体的にはバグスターが誕生しなかったことで、「究極のゲーム」を思いつくことが出来なかったことが最も大きいだろう。
小説『マイティノベルX』によれば黎斗は2000年時点(中学生時代)で既にヒットゲームを何本も生み出した天才ゲームクリエイターであったが、檀コーポレーションは幻夢コーポレーションとは異なり「国内シェアトップ」等とは明言されていないことからある種「一発屋」になってしまったと思われる。
自らの思想を実現するバグスターウイルスが無ければ生命すら操る「神」の力もまさに幻の夢であり、黎斗は2010年時点で「神の才能」の限界に達してスランプに陥り、プレッシャーを与える父親を(表面上すら)見返すことができなくなっていた。
「私なら出来る!私は不滅だ!私の神の才能に不可能は無い!
何故なら!私は天才で、やがて『檀黎斗神』を名乗る男なのだからぁぁ!」
※正史で黎斗に初めての嫉妬や屈辱を味わわせた永夢のファンレターはバグスター等とは関係ない永夢個人の行動であることから、歴史改変の影響を受けたとは考えにくい。
正史と同じくとてつもない程の歪んだ欲望を持ち、挙句の果てに「王」を自称する辺り、黎斗自身の傲慢な本質は変わっていないようにも思われるが、原典ではゲームマスターとしての才能を崇められたい「自己顕示欲」が強かったのに対し、こちらは人々の上に立つ「権力欲」「支配欲」の塊であり欲望のベクトルが大きく変わっている。
この変化はアナザーオーズの力を手に入れた際にウールが告げた「惜しいなぁ、君の才能をゲームなんかに使うなんて。世界の王になってよ」という台詞も関係している事が本編で示唆されている。
余談
黎斗王の衣装は、岩永氏が聞いたところによれば織田信長のような和洋折衷のイメージとのこと(『アニメージュ』2018年12月号より)。
『OOO』とは劇場版にてクローンが登場した縁があり、『ジオウ』第9話冒頭でも偉人としての彼が紹介されている。
「岩永氏」がオーズ編に出演という事から、彼が登場するとわかるまで岩永洋昭氏が演じる伊達明が登場すると思っていたファンもいた様子。
彼が「王」を担当し、オーズの本来の変身者である火野映司も登場するため、時の王であるジオウを含めて「王×王×王」で「オーズ」になるともとれる。これを意図したのか、第9話のラストカットは分割された画面に3人の笑顔が並ぶというものであった。
発表時
当初第9・10話分のオリジナルキャストは黎斗のみが発表されており、本来の変身者・火野映司とヒロイン・泉比奈の登場は予告放映まで完全に伏せられ、あたかも「檀黎斗のみが登場する」かのようなミスリードがなされていた。
関連雑誌でも黎斗のみを取り上げ、撮影バレ等のイリーガルな情報漏洩すら無いという徹底ぶりである(一部から出演情報のリークはあったが、火野映司役の渡部秀が同時期の同制作会社の別番組に出演中だったこともあり、話を聞いた者も半信半疑であった。結果ガチバレとは捉えられず、第9話分予告放映後、視聴者が大騒ぎになったのは言うまでもない)。
サプライズの成功には、過去『ジオウ』に出演したライダー役のキャストは全員2週以上前に出演が告知されていたこと・主役のオリジナルキャスト出演が叶わなかった作品の存在による視聴者の先入観もあるが、何より本家『OOO』キャストを差し置いての単独登場もやりかねないと思わせてしまう黎斗の強烈なキャラクター及び公式からの扱いが、カモフラージュとして打ってつけだった点に他ならない。公式が黎斗の扱いを逆手に取ってきたとも言える(後に東映公式サイトで、サプライズは映司を演じた渡部氏の意向であったことも明かされた)。
余談も余談だが、この黎斗王によって黎斗の女性の好みは「叱ってくれる女の人」であるらしいことも判明した。
原作『エグゼイド』では、幼い頃に母親を亡くした件が側から見れば異常な倫理感を持つことに繋がっていたことや、その母親のデータを受け継いだデータ生命体が度々彼を母親のように叱り、黎斗も彼女を大切に扱っていたことを考えると割と妥当なのかもしれない(また『マイティノベルX』で明かされた過去によれば、幼少期から叱られてこなかったことが彼の人格形成に大きく影響があった可能性も示唆されている)。
関連タグ
仮面ライダージオウ 檀黎斗 アナザーオーズ アナザーライダー
ゲンムライドウォッチ:本来の歴史で変身するはずだった仮面ライダーゲンムの力を宿したライドウォッチ。所持していたが2018年に紛失しゲイツに奪われる。
800年前の王︰小説仮面ライダーオーズのアンクの章にて仮面ライダーオーズに変身する王。一部では檀黎斗王と言う名前は彼が由来では無いかと謂われている。
仮面ライダーブレイド - 仮面ライダーゲンム以外でかつて檀黎斗が変身したライダーのひとつ。キングフォームという強化フォームがある。
超テンション社長Yes!:30分前の世界の前期EDの歌詞のワンフレーズ。たとえどんなに歴史が変わろうと、彼程この言葉が相応しい者はいない事に変わりは無いだろう。