「時計の針は止まるし、巻き戻す事もできる。でも、人生は違う」
演:生瀬勝久
概要
仮面ライダージオウの登場人物。
主人公常磐ソウゴの大叔父(祖父の弟か祖母の弟かは不明)であり、時計堂クジゴジ堂の店主を務める時計職人。
本作のおやっさんに当たる人物。
彼の経営するクジゴジ堂は時計修理専門店なのだが、たまに持ち込まれる電化製品等の修理も請け負ってしまう程のお人好し。一応最初は「うちは時計屋なんで」と断ろうとするも、結局おだてられたり宥めすかされたりして、大抵は押し切られてしまう。これは近所のおばちゃん連中が彼の機械弄りの腕前を周りに広めているからであるが、そのせいか、たまに本業の時計の修理が持ち込まれるとハイテンションになる程。
ちなみにウォズのことは「ソウゴ君のお友達」であり、本来の仕事をさせてくれる「お得意様」だと思っている。(公式の相関図より)
ソウゴ曰く「おじさんに直せない物は無い」らしく、機械への強さは本当である模様……というか、話が進むにつれてその腕前が徐々にとんでもない方向へと向かいつつあり、第39話ではタロスズからの頼みを受けて遂に遥か未来の世界で作られた時の列車まで直してみせた。なんなんだアンタ。
時計や機械の修理だけでなく、料理の腕前も相当のものであり、普段から食事や弁当を作ってあげている他、ソウゴに会いに来た門矢士は彼の食事を口にして「旨かった」と舌鼓を打ち、さらにはプロの料理人となった津上翔一からも「シンプルだけど奥深い」と絶賛されたほどである。もっとも、本人曰く「時計屋としての矜持がある」らしく、称賛されたことには素直に喜びを見せてはいたものの料理人へと転職するつもりは一切ない模様。
元々はソウゴと二人暮らしだったが、ツクヨミやゲイツといった今一つ素性の怪しい面々にも快く部屋を提供し、彼らの分のお弁当まで作ってくれる絵に描いたような好人物。
ソウゴ達の事情は一切知らないが、何気ない一言がアナザーライダー攻略のカギになる事も。
「王様になる」という荒唐無稽な夢を語るソウゴの将来を案じながらも強制などは一切せず、伸び伸びと生きるソウゴを優しく見守っている。ただし、あくまで否定はしないだけで、それとなく大学受験を勧めたり、「いい年こいて」「高校生にもなって」と呟いているシーンもあるため、全面的に認めているわけではなく、呆れている部分もある模様。
若かりし時はソウゴ同様夢を持っており、一度だけその夢をかなえるチャンスにも出会ったものの、それには大きなリスクが伴っていたため、次のチャンスが来ることを期待して見送ったが、結局そのチャンスが訪れることはなかったという。ソウゴの夢を否定しないのも、この様な自身の経験がからなのかもしれない。
後の第16話にて、王様になるという夢を諦めたと言うソウゴに、上記の内容の半分は嘘であったこと(内容は概ね合っていたことから「嘘」は脚色した部分のことと思われる)、およびその夢が「海外の有名な時計屋で働く」であったことを明かしている。
また、その際ソウゴに「時間って、みんな同じ速度で進んでるように見えるけど、違うんだよ。時間の進み方は人それぞれ」「今は諦めたとしても、時間は夢に向かって進み続ける」と語っている。
第20話では、ウォズからジオウライドウォッチⅡの銀部分を預けられ、直接の描写はないが修理した後、第21話で返却している。
第25話にてソウゴとの二人暮らしを始めたのは、10年前にバス事故で両親(自分にとっての甥または姪夫婦)を失ったソウゴを引き取った事によるものとツクヨミに語っている。
また、そういった経緯からソウゴとどのように接すれば良いかがわからず(親としてではなく親戚程度の関係性しか築いていなかったというべきか)、これまで一度もソウゴをちゃんと叱ってこなかった事が第27話で判明。しかしゲイツとツクヨミがクジゴジ堂を出て行った今なら勇気を出すチャンスだと思い、同話で初めてソウゴの事を本気で叱り、その背中を後押しするのだった。
「寂しい時ぐらい、大丈夫なんて言わないでちゃんと寂しいって言いなさい!
寂しい時に寂しいって言えない人間なんて、人の痛みがわからない王様になっちゃうぞ!」
第39話ではリュウタロスに憑依されている。また、モモタロスが運転ミスをして故障してしまったデンライナーを見事に修理した。曰く、巨大な時計のような構造だったらしい。修理を完了した時には「この常盤順一郎に直せぬ時計などない!」とマシンデンバードに乗りながらハイテンションに叫んでいる。余談だが、当該シーンの回想演出は『仮面ライダー電王』本編で使われたものを意識したものになっていた。
余談
演じる生瀬勝久氏は、本作が仮面ライダーシリーズ初出演となる。
ただし、以前主演したドラマ『警部補 矢部謙三』シーズン2では賀集利樹(アギト)、須賀貴匡(龍騎)、天野浩成(ギャレン)、森本亮治(カリス)、松田賢二(斬鬼)、黄川田将也(THE FIRST))、三浦涼介(アンク)と錚々たるライダー俳優たちとの共演を果たしている(しかもご丁寧に矢部はいちいち名前を演じたライダー達のそれに覚え間違えて呼ぶ)。
さらにはその本編である『TRICK』での部下役(『警部補』では上司に昇進)を務めた姜暢雄も後に仮面ライダーアマゾンネオアルファを演じ、そのドラマの脚本家・福田卓郎も『仮面ライダーゴースト』でライダーシリーズデビューしている(ちなみに『ジオウ』本編ではアーマーが最初に登場)など、とにかく仮面ライダーとは妙な縁がある。
少なくとも現状では温厚で気のいい人物なのだが、前作の同ポジションの人物がとんでもない本性を隠していたり、前々作の紳士的な協力者と思われた人物が全ての元凶だったりして(前々作の似たポジションではこの人もギリギリまで疑われた人物)、すっかり疑心暗鬼になっている一部の視聴者からは、「黒幕かもしれない」と疑われている。大穴で30分前の世界の似たような人物のような存在であってほしいという声もあるが、彼を演じる生瀬氏は所謂「怪演」を得意とする役者であるため、正体を現した時のインパクトや顔芸を期待して、黒幕説をあえて支持する者も多い。
もっとも黒幕寄りの協力者は既に他にいるのではあるが…。
だが、同じアニバーサリーかつ白倉P作品の同ポジションの温厚人物が映画でハジけたので油断できない。