矢部謙三
やべけんぞう
演：生瀬勝久
事件が起こると、何故か決まって山田奈緒子と上田次郎の前に現れる。関西出身。
肩書きだけは立派だが事件に遭遇しても警察官としての職務よりも自身の保身や趣味、果ては恋愛感情に代表されるその他プライベートな事情を最優先に行動することも多いなど人格面でいささか難がある。
権力者には媚を売る一方で素姓の怪しい相手にはとことん強気で接する、杜撰な捜査と傍から見て明らかに的外れで無茶苦茶な推理を自信満々で披露する、自分勝手な行動で事態を混乱させるだけ混乱させるなどミステリー作品の「駄目な刑事」の要素を煮詰めたような人柄である。
ただ一方で彼なりの正義感も（滅多に見せないが）しっかりと持っており、犯罪者に対しては毅然とした態度を見せることもしばしば。
特にシリーズ初期ではその傾向が強く、上田が何らかの理由で居ない場合は奈緒子と共に行動することが多かった（奈緒子相手ではツッコミ役になる）ので比較的真面目である。
寧ろ初期は奈緒子が事件馴れしていないためか『死体を前に取り乱す奈緒子を引っ張って逃げる』といったシーンも存在する程で、上田を拉致したと思われていた宗教じみた怪しさ満載の占い師の館へ潜入した際も
・見返りを求めずに上田探しに快諾（上田が大学教授（権力者）であるからだが）する
・『半日後には殺される』という危険な状況へ陥るまでは奈緒子に付き合い積極的に手助けをする
・帰る際も勝手に逃げ出さず、奈緒子に一緒に帰るよう説得した上で意地を張る奈緒子に「もう付き合っていられない」と言い捨ててから帰る
など、『我が身の安全が一番』のスタンスは変わらないものの、そこそこ程度の危険であれば今より遥かに協力的な存在だった。
頭部に関しては明らかに不自然に見えるが本人は断固として「地毛」であることを主張している。外れるとボカシが入る。
その為、｢ズレている｣、｢偽物のカミ｣、｢～ズラ｣、「桂(の木)」などのズラを連想させるワードに過剰に反応してしまう癖がある。
石原達也（演：前原一輝）
初代(第１-２シーズン)の部下。金髪で広島弁のどう見ても刑事には見えない風貌。なぜか矢部に心酔しており、鉄拳制裁を食らっても「ありがとうございます！」と喜ぶ体育会気質。
休暇中でも手帳を持ってきているなど真面目な面も。
妖術使いの森で髪が伸びたときは矢部に対して横暴な態度を取った。
演者である前原氏が引退したため、第3シーズン以降は登場せず、公安部（『警部補 矢部謙三』のDVDの特典小説では広島県警）に異動となった。
そのまま再登場する事は無いと思われたが・・・。
菊池愛介（演：姜暢雄）
二代目(第３シーズン)部下。東大卒のエリートで、高学歴を鼻にかけてはしょっちゅう矢部に殴られる。後に昇進して矢部の上司になった。 「様々な毒物を嘗めて判別できる」というツッコミどころのあり過ぎる特技の持ち主。実は医学部出身だが医師国家試験に落ちたため、警察を選んだらしい。
昇進前は矢部に付き従っていたが、昇進後は掌を返して横柄な態度を取るようになるも、何らかの理由をつけてドサクサ紛れに殴られるなど、関係はあまり変わってない。
エリートなだけあって法知識などは豊富だが、刑事としての能力は矢部と大差無く、ぶっちゃけ勉強しか出来ない馬鹿である。
（※学力はあるが馬鹿という点は上田も同じだが、上田が『勉強は出来る』なのに対し、菊池の場合『勉強しか出来ない』という点で異なる。）
事実、後に警視庁公安部参事官に昇進したは良いものの、半ばお飾り状態となっている。
なお、彼の特技に関してだが、毒物は舐めただけでもアウトな物もある為、間違っても真似してはいけない（というか真似出来る事ではないが）。
秋葉原人（演：池田鉄洋）
三代目(新作SP以降)部下。「あきはばら・じん」ではなく「あきば・はらんど」と読む。名前通りのオタク系で、機械にめっぽう強く常に自作のパソコンや捜査機器を持ち歩く。
石原と同じく矢部に殴られると「ありがとうございます！」と喜ぶ。山田に一目ぼれしているようである。
また、部下ではないがスピンオフドラマ2作目ではゲストとして毎回平成仮面ライダーのキャラを連想させる刑事や探偵と行動を共にしている。
本作は特撮に縁のあるキャストが出演し、パロディを行なっていく事で有名。
ここでは数ある特撮ネタについて触れていく。
- 石原達也
演じたのはギンガレッド/リョウマこと前原一輝であり、TRICꞰではギンガレッドのポーズを取るシーンがある。
- 菊池愛介
この為、決め台詞をパロディするシーンがあり、ご丁寧に腕時計にはクワガタのオーラと蒼雷が現れていた。
- 雨中
苗字は宇宙とも読める為、宇宙刑事と呼ばれるシーンがある。
- 郷秀帰
演じたのはウルトラマンジャック/郷秀樹こと団時朗。
名前はまんま郷秀樹+帰ってきたウルトラマンのパロディであり、作中でウルトラマン呼ばわりされた他、退任した事を「M78星雲に帰った」とネタにされた。
- 警視総監暗殺計画 矢部謙三 北へ
第5話のサブタイ。まんま「ウルトラセブン」第14話・第15話、第39話・第40話のパロディである。第2話では森次晃嗣氏も出演している。
- 網戸洋一
警視庁新橋警察署刑事。
名前もアギトと津上翔一の捩りで、「目覚めよ、その魂!」というセリフも番組のキャッチコピーのパロディ。
- 悠木真
警視庁警備部警部。
名前も龍騎と城戸真司の捩り。番組のキャッチコピーを合言葉にしたり、変身ポーズをとって鏡に飛び込もうとして諦めるシーンがある。
- 保葉一朗
警視庁所属。演じたのは仮面ライダー1号(THE_FIRST)/本郷猛こと黄川田将也。
名前も作中でのコードネーム"ホッパー"と1号の捩り。FBIの関係者という設定も初代仮面ライダーのライダーの相棒格滝和也のオマージュか。
- 木谷連
警視庁被頭警察署巡査部長。演じたのは仮面ライダーギャレン/橘朔也こと天野浩成。
名前はそのまんまギャレンの捩りで、変身ポーズのパロディをするシーンがある他、ギャレンがダイヤモチーフな為、赤いネクタイにダイヤがあしらわれているというお遊びがある。
- 垣州肇
茨城県警察子悦原警察署刑事。演ずるは仮面ライダーカリス/相川始こと森本亮治。
名前もカリス+相川始の捩り。ちなみに森本氏はクライマックス刑事でも刑事を演じている。
- 渥池小五郎
苗字はアンクの捩りで、メダルを投げて掴むという仕草を見せている。
過去に「黒と影事件」を解決したという実績があるが、これはもう一つのパロディ元である明智小五郎の作者である江戸川乱歩の著作黒蜥蜴に仮面ライダーBLACKとシャドームーンを引っ掛けたものと思われる。
- 財樹蔵之助
警視庁捜査第1課刑事。演ずるは仮面ライダー斬鬼/ザンキこと松田賢二。
名前はザンキの本名「財津原蔵王丸」の捩りで、変身ポーズや決めポーズのパロディをするシーンがある。
- 知栄三郎
加津羅田桜番頭。演ずるは仮面ライダーチェイサー/チェイスこと上遠野太洸。
名前はチェイサーの捩りで、チェイサーのシンボルカラーである紫色の斑点を着ており、背中にはホイーラーダイナミクスを模したタイヤの絵が描かれている。信号付きの斧を手渡された他、イッテイーヨ!のパロディも行われた。
- 霊胤坊滿
愛乃撰宗僧侶。
まんま『愛の戦士レインボーマン』の捩りで、仏具が太陽や虹を連想させるのも、レインボーマンの1形態に太陽の化身である「ダッシュ7」が元ネタだろう。
ただし、演じたのはレインボーマンとは一切関係のないコビヤマ洋一となっている。
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消えたメモリー
久々のTRICK長編新作は、いろはワールド全開の、甘めな上田と山田です。 リアルが忙し過ぎて7ヶ月もお休みしちゃいましたが、ちゃんと帰って来ましたよー！！ ずっとずっと温めていたネタを、ようやく形にすることが出来て、感無量です😭 肩慣らしに書いた前作のSPEC短編で、無糖欲求は満たされたので、今作のTRICKは甘めに振っちゃいました。 原作糖度の尊さは絶対的価値で、当然に大ファンな書き手も、「こんなこと言わんだろー😅」「こんなことしないわ🤣」とツッコミを入れたくなりながら、それでも原作では絶対に言わない台詞を言わせられる、絶対にしない行動をさせられるのが、二次創作の楽しみであり、特権であると割り切って、楽しんで書いてます。 どうぞ読み手の皆様も、原作では見られない甘々な二人を、思う存分味わって、楽しんで頂けたらと思います。 そして今作、密かな注目ポイントは秋葉原人です(笑) サブキャラ達をやたらカッコ良く書いてしまうのは、最早私のお家芸。 今作もオイシイところを持っていく矢部さんや、原作では見られないオトコマエな秋葉さんも、併せてお楽しみください(笑) 最後に。 いつもお読みくださる読み手様も、初めましてな読み手様も、このお話を気に留めてくださり、本当にありがとうございます。 フォロー、ブクマ、評価、コメント、タグなど、皆様からの反響が、書き続ける原動力です！ お気に召して頂けましたら、何かしらリアクション頂けますと、小躍りしてまた新作を書き始めますので、どうぞ温かな応援をよろしくお願い致します😊28,175文字pixiv小説作品
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