「野望渦巻く、戦乱の世にあって、自由と平和を守るために、
敢然と悪に立ち向かう、仮面をつけた忍者がいた!!」
概要
横山光輝作の忍者漫画『仮面の忍者 赤影』は、「週刊少年サンデー」にて連載され、単行本全3巻、文庫版全2巻が発売されている。
連載時のタイトルは『飛騨の赤影』であったが、特撮テレビドラマにて『仮面の忍者 赤影』のタイトルで放映され、それにあわせて原作もテレビと同じタイトルに改められた。
特撮版は、1967年4月から1968年3月にかけて関西テレビ、フジテレビ、東海テレビ、テレビ西日本など放送された。製作は東映京都撮影所。三洋電機の一社スポンサー番組だった。
いかにも忍術武芸帖然とした時代劇バトル漫画である原作とは異なり、特撮版は相当に時代背景を無視した設定であり、主人公は体一つで宙を舞って光線やミサイル(「気」とかではなく本物の兵器。天才だ!)をぶっ放し、悪の忍者集団はUFOや巨大ロボットを操り、第2部以降この傾向はエスカレートし、第3部、4部になるとほとんどの敵忍者が怪獣を使役し(怪獣を使わない忍者はあっさりやられたり、出撃の機会に恵まれない者が多かった)、ラスボスは怪獣に変身する(当時、ウルトラマンなど怪獣ブームの真っただ中だった)。
今の目から見ずとも放送当時からぶっ飛んだ作品であると認知されていた(タレントのテリー伊藤は放送当時学校で「いくらなんでもこれは無いんじゃないか」と友人と議論していたらしい)が、それはそれで原作と異なる面白さがあるため根強い人気を得るに至った。
現在の「無茶苦茶な演出やゆで理論も、NINJAなら仕方がない」的な発想は、大体この特撮版のせいである。
単発ドラマ版は、フジテレビの単発ドラマ枠のひとつだった「月曜ドラマランド」のプログラムのひとつとして、1985年8月26日に放送された。
ただ、白影が出て来ない上に青影は高田純次に差し替えられてしまった。そのせいか、オリジナルのくノ一3人が加わっている。
TVアニメ版は、1987年10月13日から1988年3月22日まで日本テレビ系列で全22+1話が放送された。
アニメーション製作はライフワーク。
放映に合わせて横山光輝によって「週刊少年チャンピオン」にて新作漫画『仮面の忍者赤影(新)』が連載された。
2011年には「RED SHADOW 赤影」の名で実写映画化されたが、それまでの全ての作品とは全く異なった内容となっている。
ストーリー
豊臣秀吉がまだ木下藤吉郎だった頃、琵琶湖の南に「金目教」という怪しい宗教が流行っていた。木下藤吉郎は天下平安を願い、飛騨の里の「影一族」に助けを求め、赤影、白影、青影の三人の忍者が駆けつけることになった。かくして彼らは、奇っ怪な忍者集団と戦いを交えていくことになる。
登場人物
'67年特撮版にも登場する人物は/の後にキャスト
赤影=(アニメ版のみ)赤垣源之介(CV:古川登志夫)/坂口祐三郎
織田信長(CV:戸谷公次)/(特撮第2部まんじ党編)倉岡伸太郎(第3部根来編)嶋田景一郎
主題歌(アニメ版)
オープニングテーマ
「仮面の忍者赤影」
歌:秋保和也・秋保浩司 作詞:三田陽子 作曲:小杉保夫 編曲:山本健司
エンディングテーマ
「朝焼けの中で」
歌:山野さと子、森の木児童合唱団 作詞:森田由美 作曲:有澤孝紀 編曲:山本健司
主題歌('67年特撮版)
オープニング・エンディングテーマ
「忍者マーチ」
歌:ヤング・フレッシュ、ボーカル・ショップ 作詞:伊上勝 作曲・編曲:小川寛興
余談
- 脚本は特撮版では伊上勝が全話を、アニメ版では息子の井上敏樹が数話を担当と、親子二代で携わることとなった。
- アニメ『忍たま乱太郎』には赤影をパロディした「仮免の忍者 赤ヒゲ」が登場したことがある。
- 『クレヨンしんちゃん』の単行本に掲載されている外伝の一つ「ヌパン四世しんのすけ」には、明らかに赤影をモデルにしたであろう怪盗「ブラックシャドー」が登場する。
- また、『クレヨンしんちゃん』公式番外編『家族連れ狼』では野原一家に敵対する悪徳大名として、『赤影』の悪役・夕里弾正がモデルと思しき人物も登場している。
- 『めちゃイケ』のコーナー、色とり忍者はこれのパロディで、テーマソングも忍者マーチの替え歌である。