概要
国土は円形で、人口は5000万人程。錬金術が盛んで国家錬金術師という国家資格がある。
国土は中央と東西南北の5地域に分割されており、アメストリス軍が統治している。軍の権力が非常に強く、議会・裁判所はほぼ軍部の傀儡であり、事実上キング・ブラッドレイ大総統の独裁制となっている。
もとは中央エリアのみが領土だったが、隣国との戦争で領土を拡大させ現在の国土を得た。完全な内陸国で海は無い。
作中では英語らしき言語が公用語となっており、周囲の国との関係はドイツに近く、文化は産業革命後~第二次世界大戦前辺りのイギリスやドイツを思わせる。
高い科学技術を有しており、機械鎧という機械の義肢などが発明されている。旧アニメでは傷の男が「錬金術により武器ばかり進化した」と発言している。
登場する都市
中央
セントラルシティ
アメストリス国の首都。
カラマ
ヒースガルド
PS2『翔べない天使』の舞台となった、「錬金術師の街」。
とある理由で壊滅し合成獣の巣窟となっている。住民はノイエヒースガルドに移住した。
北
ヴァルドラ
ブルックス山脈南端に存在する町。PS2『神を継ぐ少女』の主な舞台となる。
ブリッグズ
ブルックス山脈の北限、隣国ドラクマとの境界に位置する雪山。アームストロング少将配下の精鋭兵が集う。
東
イーストシティ
東部最大の都市。東方司令部が存在する。
リゼンブール
エルリック兄弟及びウィンリィ・ロックベルの故郷。牧畜が盛んなこと以外は特に何にもない田舎。内乱による影響でインフラの設備はほとんど施されていない。
リオール
砂漠の街。作中における最初の舞台となった。レト教の教祖コーネロが起こした内乱を火種に大規模な暴動が勃発することとなった。
ユースウェル
炭鉱の街。ヨキが炭鉱の経営権と権力を盾に市民に重税を課し苦しめていたが、エドワード・エルリックの機転によって市民が炭鉱の権利を得た。
ニューオプティン
ハクロ准将の管轄下にある街。
南
ラッシュバレー
機械鎧を始めとした鍛冶の研究が盛んな街。ウィンリィが修行をすることとなるガーフィールの店もここにある。
ダブリス
西
テーブルシティ
『嘆きの丘の聖なる星』に登場する、隣国クレタとの境界にある街。
隣国
シン
アメストリスの東の砂漠を越えた先に存在する国家。中国をモデルにしたような文化様式となっている。
皇帝が数十の部族の娘を娶ることにより、国内を纏めあげている。各部族の格差は、皇帝の寵愛の大きさが大きく関係している。
ドラクマ
アメストリスの北に位置する寒冷な気候を持つ大国。
不可侵条約が結ばれているが、虎視眈々とアメストリスの領土を狙っている。
物語の終盤でブリッグスの要塞に攻め込むが圧倒的な軍事力の前に大敗した。
クレタ
アメストリスの西に位置する国で、国境で小競り合いが絶えない。
原作では詳細不明の謎の国であったが、映画で宗主(スルタン)という君主制が敷かれている多民族国家であることが判明した。
アエルゴ
アメストリスの南に位置する国で、国境で小競り合いが絶えない。
内乱の際にイシュヴァールを援助していたが、彼らが亡命を希望してきた時には黙殺した。
原作では詳細不明の謎の国であったが、ゲームで国王による君主制が敷かれていることが判明した。マフィアがはびこっているらしく、国内で犯罪が横行している。
関連項目
以降に鋼の錬金術師原作の中盤、及び作中世界の重大なネタバレが有ります。未読の方はご注意ください。
当初はホムンクルスがこの国で暗躍し、何かをしようとしていると思われたが、実際には軍上層部はホムンクルス達と密接な関係にあり、それどころか、アメストリスという国そのものがホムンクルス達の創造主である「お父様」―フラスコの中の小人(ホムンクルス)の目的のために作られた国家である、というものであった。
「お父様」はクセルクセスが滅びた後、ハガレン世界で「神」と呼ばれる存在を手に入れることを目論み、人間を利用してアメストリスという国を建て、その中枢を裏で操り、錬成陣に必要な国土を広げさせていった。そして時期は不明だが、国土の外縁地下でスロウスに錬成陣として重要な要素である「円」であるトンネルを掘らせていた。
アメストリスが軍事国家となったのは、そうであった方が錬成陣の構築式に必要な犠牲「血の紋」を刻むのに武力を行使しやすい軍事国家であれば都合がいい、ただそれだけの理由である。アームストロング准将はこれを(怒りを隠さずに)「実に合理的」と評した。
更に地殻エネルギーを使用する錬金術を人々に広め、国内から錬丹術の情報を抹消、そうした上で「お父様」が地下に張り巡らせた賢者の石によって、いつでも地殻エネルギーを遮断しそれが必要なアメストリスの錬金術を封じられる様にしていた。そのため地脈を利用する錬丹術、及び錬丹術を組み込んでいる傷の男の分解は封じられなかった。
国家だけでなく錬金術さえ自分たちが与えたものであるため、エンヴィーは「(アメストリスの人間は)自分たちの繁栄が自らの手で作り上げたものだと思っている滑稽な愚か者ども」と嘲笑していた。